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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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蒼乃 月
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管野アリオ
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コメント
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みぅです🤍🥀 第196話、読み終えました。 圭くんがようやく休めるようになって、美花さんに会いに行く準備を進めてるのが切ないですね…「もしかしたら出勤かも」って日程をずらすところ、彼の慎重で優しい性格が出てて胸がぎゅっとなりました。 『秋風の歌』を聴きながら「Hanaは気持ちを音に託すんだろうな」って思う圭くんの視点が、読んでるこっちにも染みてきます。CD-RWの『ありがとう……』を見て「終わらせない」と誓うシーン、重くて、でも美花さんへの想いが真っ直ぐで…好きです。 次が気になります。
ゴールデンウィークに入る直前、楽曲制作アプリが、ついに完成した。
以前、圭が提案したネームの変更も採用。
機能も、美花、もとい、Hanaの希望に応え、スコア入力に対応、BPM変更もできるようにさせた。
『ミュージックテラー』として、正式にリリースする運びとなり、六月の最終土曜日に公開、ダウンロードが可能となる。
ミュージックテラー専用サイトも着々と制作され、圭は、ようやく休日出勤と残業から解放された。
彼は、美花に会うために、ゴールデンウィーク後の五月七日と八日に有給休暇を取り、七日から九日の三日間、浜松駅周辺にあるホテルのダブルルームを予約。
彼女が部屋で過ごしてくれるかもしれない、と淡い期待を寄せて……。
美花のゴールデンウィークの勤務形態は不明ではあるが、もしかしたら出勤かもしれない、と考え、敢えて日程をずらした。
ゴールデンウィークが始まり、圭は予定も入れず、大人しく自宅で過ごしている。
美花がHanaとして投稿している、動画投稿サイトを久々に開くと、いつの間にか投稿曲が増えていた。
『絵画館〜銀杏並木の下で』を再生すると、ピアノと弦楽器だけの優しくも温かな旋律に、圭は包み込まれる。
思い出すのは、彼女とドライブデートをして、互いの想いを通わせた日。
あの日は、中学生の頃のように、いつ美花に想いを伝えようか、と、鼓動を震わせながら考えていたものだ。
次に彼は、最新投稿曲である『秋風の歌』を再生させる。
ピアノだけの楽曲ではあるが、何となく音に厚みを感じると、概要欄に、ピアノの連弾を想定して作った楽曲、と書かれてあった。
仄かに明るさを感じつつも、どこか切なさを漂わせるメロディに、圭の喉元がキュッと締め付けられる。
楽曲を聴きながら、美花は、Hanaとして、自身の気持ちを音に託す作曲スタイルなのだろう、と、彼は朧気に考えていた。
動画投稿サイトの楽曲を聴き終えた圭は、パソコンデスクの傍らに置いてあったピンクのラッピング袋から、CD-RWを取り出した。
CD-RWの盤面には『ありがとう……』と曲名が記されているが、彼にとって、美花の文字を見るだけで、会いたい気持ちが募ってしまう。
彼女が、どんな思いであの楽曲を制作したのか、と思うと、圭の中に悔しさと、やり切れなさが込み上げてきた。
──終わらせない。絶対に。
彼女の、これまでの圭に対する想いが凝縮された楽曲。
自身の過去を全て話したら、美花は圭の事を、嫌悪するかもしれない。
「それでも俺には…………美花しかいないんだっ……」
ガランとしたリビングに、圭の掠れた声が小さく響き、漆黒に覆われた壁に吸い込まれていく。
彼は、パソコンデスクに両肘を突き、手を組むと、祈るように首を垂れた。