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愛月☆
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EPISODE 1
人魚である向井と佐久間を乗せたワゴンは夜中の道を走り抜け、阿部の研究所へ入っていった。
車を止め、阿部はトランクを開けると水槽の中には大人しくたたずむ佐久間がいた。
💚「揺れ大丈夫だった?ごめんね雑な運び方で」
🩷「ううん。全然大丈夫」
💚「中に連れてくからちょっと我慢してね」
阿部は水槽からあげた佐久間の体にタオルを巻き、姫抱きして中へ連れていく。
一方で車の中でずっと目黒の膝の上に座っていた向井はそのまま目黒に運ばれた。
🧡「なんか俺が人魚になってすぐの時思い出すな」
🖤「あぁ、あの時も俺が運んだもんね」
🧡「それにしても、阿部ちゃん家でかない?俺こんなとこに住んどるとか知らんかってんけど」
🖤「中もすごいよ笑」
そういわれ中に入るとそこはテクノロジーの技術が広がる世界だった。
大量のモニターとパソコン、謎の粉や液体が収納された棚、大きさ様々な顕微鏡、何に使うか分からないような機材。
そして部屋の壁一面が水槽になっている。
まるで水族館だ。水槽の底には砂とサンゴ礁や岩石、海藻…もはや水槽というよりは小さな海のようである。
🧡「うわ…すごぉ…!」
💚「奥にはプライベート空間もあるからね。寝る時は移動してね」
水槽の中に仕切りがあり、仕切りの向こうは人間側からは見えないような個室になっていた。
💚「人魚でも人権とプライバシーは守らないとね」
💜「さっすがあべちゃん」
💚「プライベート空間はちょうど2つあるから康二と佐久間で1つずつ使って」
🩷「これ…俺が使っていいの?」
💚「もちろん。他に欲しいものがあれば言ってね」
🧡「これどっから入るん?」
💚「ああ、案内するね。こっちだよ」
阿部が奥側にあるドアを開けると通路があり突き当りには上に続く階段が。
階段を上った先にまたドアがある。
ガチャ
🖤「うおっすげぇ。マジの水族館みたい」
そこはまさしく水槽の入り口。人が歩けるスペースもある。
💚「実際の水族館の造りを参考にしてるからね」
💜「なんか飼育員さんの気分になれるね笑」
💚「はい、おろすよ。水温も大丈夫だと思う」
佐久間と向井をゆっくり水槽の中におろす。向井は新居に引っ越した子供のように広い水槽内を泳ぎ回る。
🧡「あっすごい!外から見るよりも広い!」
💚「さっきの部屋から見えるのは水槽の一角に過ぎないからね」
💜「あべちゃんこの設備いくらしたの?」
💚「ヒミツ♡」
💚「佐久間も自由にくつろいでいいからね」
🩷「うん。ありがとう…!」
暗かった佐久間の表情の影が少し晴れたようだった。
💚「今日はみんな疲れたでしょ?ここ3日間夜中に海で張り込みだったんだから」
💜「めめなんてそれに加えて超多忙な芸能活動。よく倒れなかったと思うよ。明日も仕事?」
🖤「明日はたまたま休みもえらえて」
💜「よかったじゃん。今日は爆睡だな笑」
💚「なんなら遅いし泊ってく?仮眠室貸すよ」
🖤「それなんだけど…ちょっとお願いがあって…」
向井はひとしきり泳いだ後、水面に顔を出した。
🧡「阿部ちゃんここすごい!快適や!」
💚「よかったよかった」
🧡「あれ?めめは?帰ってもうた?」
💚「めめは今ね、シャワー浴びてる。今日は泊まるって」
💚「それでね康二。ちょっと聞くけど、どれくらいなら水がない状態でいれる?」
🧡「えー?せやなあ…めめん家おったときは6、7時間くらい?」
💚「…よし。おっけー」
🧡「何が??」
💚「いやめめがね。今日康二と一緒に寝たいって」
🧡「…えッ!?」
💚「康二の体質もあるだろうから難しいよって言ったんだけど引き下がらなくて…。襲わないから大丈夫とか言ってたけど」
🧡「そうなん…」
💚「どう?もちろん無理強いはしないよ」
向井は顔半分を水面にうずめる。顔が火照るのが自分でもわかる。
💜「康二顔赤いって笑」
💚「そりゃね。恋人にいきなり一緒に寝たいなんて言われたらね笑」
🧡「…ええよ。俺もめめとおりたい」
💚「よし、じゃあ康二も1回体洗ってからね。また後で呼ぶから待ってて」
🧡「わかったぁ…」
阿部と深澤が水槽から出た後、向井は底に沈み手で顔を覆う。
目黒と同じベッドで寝たことは何回もある。
だが恋人となると話が別だ。さらには1年近く会っていなかったのだ。
今から心臓がうるさい。今日は眠れないかもしれない。
10分後、阿部が再び呼びに来た。
💚「康二ー?お風呂行くよ~」
🧡「は~~~い」
🧡「おわっ…ひっっさびさのシャンプー…気持ちええ…!爽快っ!」
約半年以上もの間、海の中で生活したあとのシャンプーは別格だった。
シャワーを済ませたあと、車椅子を押され運ばれた先は巨大水槽の真隣の部屋。
部屋に入るとそこにはシンプルなベッドがひとつとサイドテーブルのみ。
THE 仮眠室といったところ。
ベッドの上には既にラフな格好に着替えた目黒がいた。
💚「めめお待たせ」
🖤「ありがとうねあべちゃん」
🧡「ひっさびさの風呂やばかった…!特にシャンプーがっ…!!」
🖤「よかったじゃん笑」
💚「佐久間もお風呂入れてあげよ笑 じゃあ明日の10時には康二を水槽に戻すからね。あとはごゆっくり〜」
阿部はサイドテーブルにある小さなスタンドライトをパチッとつけた後部屋の電気を消した。
パタン…
阿部が仮眠室を去り、目黒と向井2人きりになる。
静まり返った空間で向井の胸は鼓動でうるさくなっていた。
先に動いたのは目黒だった。
🖤「康二」
今まで聞いたこともないほどの甘い声で名を呼ばれ後ろから抱きしめられる。
🧡「っ!めめっ…」
腕の中に収まったまま目黒は向井の肩口に顔を埋める。向井の存在を、この時間を噛み締めているようだった。
🖤「無事でよかった…マジで」
🧡「めめ…ありがとうホンマに」
🖤「もう絶対どこにも行かせない」
🧡「さすがに重ない?笑」
🖤「当たり前でしょ。やっと俺のものになったんだもん。誰にも渡さないよ」
目黒の言葉に 長らく片思いをしていた相手と恋人になれたという実感がわく。
🧡「俺、めめの恋人になれたん?」
🖤「そうだよ」
恋人という響きに胸がじんわり暖かくなる。
そうなると向井の中でも少しばかりの欲が出る。
🧡「めめ」
🖤「なに?」
🧡「…ちゅーしてっ…」
🖤「マッジでさ…襲われたいの?」
ベッドに押し倒され、言葉とは裏腹な啄ような優しいキスをされる。
静かな部屋に小さなリップ音が響く。
🧡「んっ…」
🖤「…でも今日はしないよ。あべちゃんにも言っちゃったしね」
ひとしきりキスをしたあと、目黒も向井の隣に寝転がる。
🧡「めめ、隈ヤバない?」
🖤「最近寝れてなくて」
🧡「…俺のせい?」
🖤「気にしないで。今日は康二のおかげで爆睡できそうだし」
横になった瞬間、目黒の顔がうとうとし始める。
相当眠気に限界が来ているのがわかる。
今度は向井から1回だけ触れるキスをした。
🧡「ゆっくり寝んねし。おやすみ」
🖤「ふふっ…おやすみ康二」
顔を綻ばせ、そのまま目を閉じる目黒を見届けた向井も恋人の存在を肌に感じながら目を閉じた。
コメント
3件
これからが楽しみすぎるーー
恋人になった後の2人まで見せてもらえてとても幸せです😭