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「ダリルよぉ、ちったぁマシな顔するようになったけど、こういう所で説明が足りないのは変わんねえな」
父親を助けた代償に子どもをいただくという、いきなりのトンデモ発言に俺も父ちゃんもどうしていいのかわからないで、お互いに目を合わせてあわあわしてるところにバルゾイおじさんはそう言った。
「ん? そうか。確かにそうかも知れんな。だからバルゾイに説明は任せる」
「簡単な事なのにコイツは……ったく。というわけでだ、ダリルが言いたいのは、コイツは鍛冶屋なんだ。だからそいつを貰うってこった」
バルゾイおじさんに期待したのはダメだったみたい。情報が1つ増えただけだ。
「ん? あれか? ダリルの仕事場に優先的にいい鉄鉱石を仕入れられるように、このバルゾイがその子どもを仕込んでしかるのちに父親の元に返すから、ちっとの間その子を預けろってとこまで言わなきゃ伝わらんか?」
完全に遊んでいる。
「確かに手に入れるのは容易くはないクスリだが、俺なら別だ。材料も取れるし、製法も知っている。それでもこの世界で最上の奇跡の効果ではあるからな。今よりいい物を仕入れられるツテを確保するくらいはいいだろ」
そんな事で良いのならと父ちゃんと話し合って、俺は街でダリルにいちゃんとこの世話になることにした。
カランカランとなるドア。広い店内。包丁、鍋、フライパン、他には沢山の武器だっ。
初めて入る店ってなんでこんなに楽しいんだろな? あれもこれも、村にはこんなのないから、すごいっ!
「そんなに珍しいかぁ、おめぇさんもドワーフだというのになぁ」
バルゾイおじさんはそう言って一緒に歩いて隣で説明してくれる。
「ドワーフなら珍しくないのか?」
「おうよ、俺っちたちは穴ぐらで石ころ掘り返しもするが、それよりは鍛治が一番よ。この街の遥か遠くでは今もドワーフの武器防具が溢れてて、現存する最高の武器もドワーフの作よっ!」
知らなかった。うちではドワーフといえば山で鉄鉱石やたまにちょっと良いくらいの鉱石を掘り出して街へと卸す鉱夫の扱いでしかないのに。
そんな花形みたいな仕事がドワーフの1番だなんて!
「お、俺もそんなドワーフになれるかな⁉︎」
「おおとも、なれるさ。まあ、その前にダリルとの約束を果たせるようになんなきゃだがなぁ」
そうだった。この街にきたのはその為だもんなぁ……。