テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第十二話。あなたが「好きになれない」と口にしてもなお、現実は止まってはくれませんでした。むしろ、あなたの決意とは裏腹に、周囲の空気はさらに尖り、あなたを追い詰めていった……その「恐怖」の時間を描きます。
「もう好きになれない」 そう心に決めて、B子にも宣言したはずなのに、皮肉にもそこから事態はさらに悪化していった。
僕が彼女を「追う」のをやめたというのに、周囲の**「避け方」**はどんどん露骨になり、その速度を増していったのだ。
教室の入り口で彼女のグループと鉢合わせそうになると、彼女たちは弾かれたように進路を変える。僕が座っている列に彼女が来なければならない時、彼女はまるで見えない障壁があるかのように、大きく迂回して歩く。
「……なんで?」
何もしていない。もう、会いに行こうとも、約束をしようともしていない。 それなのに、僕という存在が、まるで歩く「禁止区域」にでもなってしまったかのようだった。
その徹底した拒絶は、もはや怒りというよりも、何か恐ろしいものを避けるような手つきに見えた。 それが僕には、たまらなく怖かった。
自分が何か取り返しのつかない罪を犯してしまったのではないか。 僕が普通に息をして、そこに立っていること自体が、誰かをひどく不快にさせ、怯えさせているのではないか。 鏡に映る自分の顔さえ、得体の知れない怪物のように思えてくる。
「ねえ、A子が……」 廊下で誰かが僕の名前と彼女の名前をセットで出し、クスクスと笑う声が聞こえる。 その笑い声は、かつての温かな春の陽だまりを完全に消し去り、僕の周りだけを氷点下の世界に変えてしまった。
夜、布団の中で僕は震えた。 喘息の発作機を握りしめる力が強くなる。 「もういい」と思ったはずの心は、避けられるたびに、透明な刃物で薄く、何度も削り取られていく。
避けられることが、これほどまでに「恐怖」だとは思わなかった。 誰とも繋がっていないことよりも、誰かから明確に「拒絶の対象」として意識され、避けられ続けることの孤独。
僕は、自分が消えてしまいたいと願うようになった。 彼女の視界からも、この教室からも、そしてこの苦しい呼吸からも。
らむらむ