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私達は黒髪ショートヘアの少女、松尾 萌がひどい目にあうところを、空中にあらわれた謎のモニターを通して見ていた。
「……ねえ、萌ちゃんが飛ばされた場所って、現実なのかな?」
と明るい茶髪にミニスカート姿の奥村愛梨が言った。
「えっ、どういうこと?」
「なんか、途中で出てきたボランティアの男の人、おかしくなかった? 普通、裸の女の子が助けを求めてきたのに、そのまま働かせたりしないよ」
「それはそうかも。でも、そうしたら、どういうことになるのかな?」
「うーん、いろいろ考えられるけど、ひとつには、自分だけ逃げようとしてもダメってことかなぁ。まあ、アタシは最初から自分だけ逃げるつもりはないけどね!」
転送された先も結局ここと同じ異世界なら、そういうことになるか。というか……
「ね、萌……さんは、使命に失敗したことになるのかな?」
「わかんないけど……嫌な予感はするね」
そんなことを話しているうちに、モニターの中の松尾 萌はぐったりと寝そべってしまった。おそらく意識を失ったのだろう。すると、モニターの中から松尾 萌の姿が消え、すぐにこちらに現われた。彼女は裸のままだった。
そのとき、また脳裏に言葉が浮かんできた―――次は誰が挑戦する?
やっぱり、さっきのではだめだったのか……。と、そのとき、
「アタシが行く!」
奥村愛梨が名乗り出た。
「だ、大丈夫なの?」
と心配する私に、奥村愛梨は小声で、
「さっきいろいろ考えられるって言ったでしょ? あっちが現実じゃないなら、裸になれ、とかいわれても、気にしなくていいっていうか、そこまで恥ずかしがらなくてもいいかも。そう考えれば耐えられるっしょ」
なるほど。愛梨は頭がいい。この子なら、成功するかも……。と、そこへ一枚の紙が上から落ちてきた。愛梨がそれを受け取り、開いた。先ほどは読めない文字が書いてあっただけだが、今回はその下に読める文字で「曝け出せ」と書いていた。
「えっ!?」それを見て愛梨は顔色を変えた……正確には、「曝け出せ」と書かれているより下の方、私達には読めない文字を見ていた。今回も挑戦者だけは読めるのだろう。
「愛梨さん、なんて書いてあるの?」
「それは……」
愛梨が何か言おうとした瞬間、彼女の姿が消えた。そしてまたモニターが現われた。そこには愛梨の姿と、どこかの学校が映っていた。