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「りっ……理麻……」
今にも泣きそうな彼女の表情を見て、狼狽える俺。
元カノとの会話を、理麻に聞かれたかもしれない。
「恵斗くん……誰にも渡したくないって思うほど、好きな人が……いたんだね……」
小さな唇を震わせながら、理麻が俺から顔を逸らす。
(やっぱり…………聞かれていたか……)
動揺しながら考えていると、彼女から思いもよらない事を言い放たれた。
「恵斗くんの好きな人に悪いから、私……帰るね……」
「違うっ! 理麻、違うんだ!」
ベッドルームに戻ろうとしている理麻の肩を、俺は強引に掴み、向かい合わせる。
「何が違うの!? 恵斗くんは、好きな人を想いながら、私を身代わりにして、セックスしたんでしょ?」
「……っ」
彼女が俺の手を振り切るが、咄嗟に小さな手を握ると、引き寄せた。
「二ヶ月前に、新宿で恵斗くんに再会して、会うたびにセックスして……私、恵斗くんとは身体だけの関係でもいいって思ってた。けど……」
理麻が掠れた声音で、俺に思いの丈をぶつけてくる。
「恵斗くんに好きな人がいるんだったら…………もう、身体だけの関係を終わりにしよう? 私も…………恵斗くんに会うのは、これで最後にするからっ……」
小さな身体を震わせ、理麻が絞り出すような声を発しながら俯く。
色白の頬に涙が滴り落ちると、シャツに染み、いくつもの痕跡を作っていった。
「最後になんか……させるつもりはないっ!」
胸中に燻り続けていた理麻への想いと、やり切れない気持ちに駆られた俺は、彼女を強く抱きしめた。
この腕を解いてしまったら……もう理麻に一生会えないかもしれない。
それだけは、何としてでも避けたかった。
「俺が……好きな──」
「嫌っ! 聞きたくないっ!」
「理麻!!」
「私たちはセフレでしょ!? ヤリ友でしょ!? だったら、こんな思わせぶりな事しないでっ!」
俺の胸の中から逃れようと、理麻は身じろぎさせながら抵抗し続けるが、構わずに、腕の力を込める。
「俺が、誰にも渡したくないって思うほど、好きな女は…………理麻だっ」
俺は、彼女の顎に指先を掛けると、上を向かせながら唇を奪った。
コメント
1件
第19話、読みました……🤍🥀 二人のすれ違いが苦しくて切なくて、でも恵斗くんが「好きなのは理麻だ」って言い切ったところで胸がぎゅっとなりました。理麻の「セフレでしょ!」って叫ぶシーン、痛いほど伝わってきて……もう読んでて息が止まるかと思った。この重くて執着する感じ、大好きです。続きが気になります! 素敵な作品をありがとうございます🌙
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