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「アルヴィアン侯爵子息?」
控えめそうにそう聞いてきたのはやや小柄の青年。目を引くブロンドの髪と控えめな黒の瞳の対比が彼を際立たせている。確か彼の名前は…
「カルム王子、実はその呼び方はあまり好きではなくて。ジョーと呼んでもらえますか?」
俺はそう返す。
「ではジョー、質問がある。まさかとは思うが、グッゲンハイムの子息に何かをしたのか?」
「その通り、カルム王子。素晴らしい判断力と分析力。魔法を操る能力はこの国で最高かもしれませんね。あなたが王位継承権を得ることがないと多くの人々は考えていますが。」
「君は、その、どう考える、ジョー・アルヴィアン?」
カルム王子は好ましい形で、慮りつつ直接的に質問してくる。
「この世の中において、状況は常に変わる余地が残されています。それを好ましいと感じる人間もそうでない人間も見てきました。カルム王子、俺が必要ならはっきりとそう述べてください。王位継承権がほとんどない、あなたが、国王になるには誰かの助けが必要。アルヴィアンのような『物好き』は理想的な存在かも。アルヴィアン当主はあのグッゲンハイムに何かをけしかける人間ですし。」