テラーノベル
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パーティ当日。
美花は、圭の運転する黒いSUV車に乗っていた。
中央高速道路を新宿方面に走らせている彼の表情は、どことなく楽しそうに見える。
彼に見立ててもらった、ラベンダーカラーのパーティドレスと、細かなラメの入った黒のボレロに身を包み、明るい艶髪をハーフアップにした彼女は、何となく『着せられている感』があって、落ち着かない。
「パーティは十八時から開宴だ。さっきから黙ったままだが…………緊張しているのか?」
流れゆく景色を、美花は車窓越しに見ていると、華奢な肩が圭の声に触れられる。
「緊張するよぉ。会社主催のパーティに行くなんて、人生初だもん」
美花の返事に、圭がクスッと声を漏らした。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だ。俺がいるだろ?」
ステアリングを握りながら、彼女に話し掛ける圭の声音に、幾分ホッとする美花。
圭の愛車が初台で高速道路を降りると、初台駅の近くにある、ホテルの地下駐車場に滑り込む。
空きスペースに車を止めた圭が先に降り、助手席のドアを、恭しく開いた。
「美花。足元に気を付けて」
「うん」
彼から手を差し伸べられた美花は、大きな手のひらに、細い指先を重ねながら車を降りる。
「開宴時刻まであと三十分くらいか。時間的に丁度いいな」
美花をエスコートしながら歩く圭を、改めて見つめる。
深みのある黒いスリーピーススーツに、美花が贈ったネクタイを締めている。
華やかなパーティに、美花の贈ったネクタイは、フォーマル用のスーツには合わないのかもしれないけれど、彼女が選んだネクタイを締めてくれている事が、何よりも嬉しい。
美花の胸元には、圭から贈られたネックレスが、控えめに輝いている。
互いに贈り合った物を身に着ける事で、美花は、圭と想いが強く繋がっているのを実感した。
彼から告白されて付き合い始めの頃、言いたい事も言えず、どこか圭の様子を探っていたように思う。
けれど、圭が、はるばる立川から美花に会うために、静岡へ来てくれた事で、互いを深く理解できた。
約三ヶ月間、離ればなれだった時間は、二人にとって、無駄ではなかったはず。
(圭ちゃん……何だか王子様みたい)
颯爽と美花の手を取りながら歩く恋人の姿に、彼女は、照れながらも嬉しさに溢れていた。
コメント
1件
うわあああ第209話お疲れ様です〜!!😭💕✨ もうね、冒頭から美花ちゃんの緊張と「着せられてる感」がめっちゃ伝わってきて、一緒にドキドキしちゃいました!!笑 でも圭くんの「俺がいるだろ?」の一言が優しすぎて、ここだけで胸がギュッてなりましたよ…!!🥺💘 お互いの贈り物を身につけてる描写、最高にエモすぎませんか…?! ネクタイとネックレスで繋がってる感、尊すぎて叫びました😭💜 王子様みたいな圭くんに、美花ちゃんが照れながらも幸せそうで、読んでるこっちまでニヤニヤ止まらなかったです…!!笑 次も楽しみにしてますね、管野さん!!✨
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