宮舘side
俺の誕生日が近づくにつれて、どこか落ち着かない。
内心はちょっとワクワクしてた。……翔太が何かしてくれるんじゃないか、って。
俺の彼女、翔太は不器用だけど優しくて、真面目なときは真面目で。
だからこそ、なにか期待していた。
でも、それらしい話もないし、LINEも普通。
メンバーとのLINEグループでは俺の誕生日用の動画で何をするのか、色々話しをてるから翔太は分かってるはずなのに、少し不安になっている自分がいる。
馬鹿だよね。
子どもじゃん、俺。
だけど──
💙「明日って…空いてる?」
そう聞かれた瞬間、ドキッとした。
誕生日の話?それとも、ただの予定合わせ?
いつもなら素直に「うん、楽しみ」とか言えるのに。
俺の口から出たのは、冷たい声だった。
❤️「別に、空いてるけど…」
そっから先は、最悪だった。
俺は拗ねた。
でも、それは全部俺の勝手な思い込みでしかないのに。
翔太は悪くない。
悪いのは、自分の気持ちを素直に言えなかった俺の方だ。
翔太のことになると突っ走ってしまう。
俺ってほんと、面倒くさいな。
3⁄25
朝。
今日は俺は仕事で翔太はオフ。
同じ部屋で同じベッドに寝ているが、昨日のあれから何も話していない。
翔太はまだ隣で寝ている。
俺は翔太を起こさないようにして部屋を出て支度を始めた。
あまり期待はしない方がいいだろう。
俺は静かに家を出た。
休憩の合間にスマホを見てみると、 「おめでとう」ってメッセージは何件か届いてた。
けど、 翔太からは、何もなかった。
❤️ (…あぁ、やっぱり)
昨日、あんな風に言ってしまった自分を責めながらも、どこかで期待していた自分が恥ずかしい。
仕事が終わりとぼとぼと歩いて家に帰る。
💙「おかえり!」
勢いよくその声が響いて、部屋の電気がふわっと灯った。
キッチンには俺の好きな料理の香り、そして、照れくさそうに立っている翔太。
❤️「……え?」
びっくりしたあまり俺は翔太の顔を思わず二度見した。
💙「…おめでとう。誕生日」
俺は、言葉を失った。
💙「…昨日の、あれ……サプライズのせいで素っ気なくしちゃって、ごめん」
胸の奥が、熱くなった。
❤️「え…俺、ほんとに……」
言葉に詰まって、でも思わず抱きしめた。
❤️「ごめん。俺が、勝手に拗ねてただけ」
💙「ちゃんと言えよな、そーいうの。俺だって、不安になるから」