三人分のブラックコーヒーが届けられると、堤が真っ先にカップを持ち上げた。
噛み締めるような緩慢さで嚥下し、カップをソーサーに戻すと、ゆったりとした動作で手を組み、神妙な表情で顎を乗せた。
身を乗り出すような姿勢になった堤に、少しだけ身構えると、ややあってその口を開いた。
「お前ら、両想いってどんな気分よ?」
「……はい?」
何だろう、心底どうでもいい質問が飛び出した気がする。
「だから、両想いってど――」
「答えませんよ」
二度は言わせなかった。
「なあ、村尾……」
「答えませんよ」
私と同じ台詞で即答した彼に、堤がわかりやすく不貞腐れた。
「ノリが悪いなお前ら。楽しく恋バナしようぜ、恋バナ」
一人でテンションが上がっている堤をどうしてやろうかと思っていると、テーブルに置いた堤の携帯が振動した。
ディスプレイに表示された名************
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