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部屋の隅のみかん🍊@活動休止
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#ぷちひなフレンズ
米好き
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ねむい
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学校からの連絡を受けた家族は、遥が今日帰宅しないことを知った。
しかも、日下部の家で休む。
その事実だけで、遥の顔から血の気が引いた。
「……家に連絡したの?」
「学校からな」
「……なんで」
「今日は帰せないって伝える必要があったから」
遥は黙り込んだ。
さっきまで「帰りたくない」と言っていたはずなのに、今度は逆だった。
「俺、帰る」
「なんで急に」
「帰らないと」
「家、嫌なんじゃないのか」
「そういう問題じゃない」
遥はベッドから降りようとした。
日下部が支える。
「無理するな」
「離して」
「遥」
「帰らないと、もっと面倒になる」
その声が震えていた。
「何が」
「……知られたから」
「何を」
「俺が、日下部の家に行くって」
日下部の表情が変わる。
「それで?」
「怒る」
「誰が」
遥は答えない。
答えなくても、日下部には分かった。
「……家族か」
遥の指が布団を強く握った。
「俺が勝手に他人の家に行ったって思われる」
「学校からの判断だ」
「そんなの関係ない」
「あるだろ」
「ないよ」
遥は首を振る。
「俺が悪いことしたことになる」
「なんでお前が悪いんだよ」
「そうなるから」
それ以上は言えなかった。
家では、理由なんて関係ない。
何をしたかより、誰が怒っているかのほうが重要だった。
だから、日下部の家へ行くことも怖い。
休むことも怖い。
助けてもらうことさえ怖い。
家に戻ったとき、何が待っているか分からないから。
日下部は黙って遥を見た。
「……俺、一人暮らしだろ。家には俺しかいない」
遥は少しだけ顔を上げた。
「だから、誰かに気を遣う必要はない」
「でも……」
「家に帰ったら、今度は何されるか分からないんだろ」
遥は答えなかった。
その沈黙が答えだった。
日下部はスマホを握った。
怒りがまた込み上げてくる。
学校で倒れるまで追い詰められた。
それでも帰ることを怖がっている。
その理由が、学校だけではない。
「……今日は帰さない」
「でも」
「学校からも了承を取ってる」
「……」
「俺の家に来い」
遥は俯いた。
「……怖い」
日下部は一瞬、言葉を失った。
「家に行くのが?」
遥は小さく首を振った。
「帰ったあとが」
その一言だけで、日下部の中にあった怒りがさらに深くなった。
けれど、それを遥にぶつけることはしなかった。
「じゃあ、今日は帰らなくていい」
遥は何も言わない。
「明日のことも、今は考えなくていい」
「……でも」
「今日は休め」
遥はしばらく黙っていた。
そして、ほんの小さな声で言った。
「……俺、本当に行っていいの?」
「いい」
「迷惑じゃない?」
「何回聞くんだよ」
「……ごめん」
「謝らなくていい」
遥はまた黙った。
安心したわけではない。
ただ、帰ることを考えなくていい時間が、少しだけできた。
それだけだった。
コメント
1件
第50話、読み終わりました。遥の「帰ったあとが怖い」という一言がすごく重くて、胸が詰まりましたね。家族の仕組みが「理由より誰が怒ってるか」で動いてるって感覚、リアルで嫌なほど伝わってきました。日下部が怒りをぐっと抑えて「今日は休め」とだけ言う場面、あの距離感が絶妙だった。「本当に行っていいの?」と何度も確かめる遥に、どれだけ安心する経験が足りなかったか透けて見えて切なかったです。ひと息つける時間ができただけでも、今はそれでいいのかな。続きが気になります。