テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
影喰いが消え、結界の光が静かに揺れていた。
澪はまだ朧の腕の中にいて、胸の鼓動が落ち着かない。
「⋯⋯朧さん⋯⋯さっきは⋯⋯守ってくださって⋯⋯」
朧は澪をそっと離し、優しく微笑んだ。
「守るのは当然です。
あなたは⋯⋯私の花嫁なのですから」
その言葉だけで、澪の胸がまた熱くなる。
朧は澪の手を取り、結界の中心へと導いた。
「澪さん。ここからは⋯⋯互いの心を重ねる儀です」
「心を⋯⋯重ねる⋯⋯」
澪が呟くと、朧は静かに頷いた。
「あなたの想いと、私の想い。どちらか一方では成立しません。
ふたりで⋯⋯ひとつの誓いを作るのです」
澪は胸に手を当て、ゆっくりと息を吸った。
(⋯⋯朧さんと⋯⋯心を重ねる⋯⋯)
その言葉だけで、胸がくすぐったくなる。
朧は澪の両手を包み込むように握った。
「澪さん。目を閉じてください」
「⋯⋯はい」
澪がそっと目を閉じると、朧の声がすぐ近くで響いた。
「あなたの心を⋯⋯感じさせてください」
その声は、耳元を撫でるように優しい。
澪の胸が高鳴る。
(⋯⋯朧さん⋯⋯近い⋯⋯)
ふたりの手が触れ合うたび、結界の光がふわりと揺れた。
朧の指が、澪の手の甲をそっと撫でる。
「⋯⋯澪さん。
あなたの心は⋯⋯とても温かい」
「お、朧さん⋯⋯
そんなふうに言われると⋯⋯」
頬が熱くなる。
朧は澪の手を離さず、そっと囁いた。
「照れている顔も⋯⋯愛しいです」
「っ⋯⋯!」
澪は思わず目を開けてしまった。
朧の顔が、ほんの数センチの距離にあった。
「澪さん」
朧は澪の頬に手を添えた。
その手は温かくて、
優しくて、胸がぎゅっとなる。
「あなたが望むなら⋯⋯この誓いを⋯⋯形にしましょう」
「か、形⋯⋯?」
朧は少しだけ迷うように目を伏せ、そして澪を見つめた。
「⋯⋯触れても、よろしいですか」
澪の心臓が跳ねた。
(⋯⋯触れる⋯⋯って⋯⋯もしかして⋯⋯)
澪は小さく頷いた。
「⋯⋯はい」
その瞬間、朧はそっと澪の額に唇を寄せた。
触れたのはほんの一瞬。
けれど、胸の奥がじんわりと熱くなる。
「⋯⋯朧さん⋯⋯」
「これは⋯⋯誓いの証です。
あなたを大切にするという、私の想い」
澪は頬に手を当て、そっと微笑んだ。
「⋯⋯嬉しいです」
朧は澪の手を取り、指を絡めるように握った。
「澪さん。あなたと共に歩む未来を⋯⋯私は望んでいます」
澪の胸が、また強く跳ねた。
(⋯⋯朧さん⋯⋯私も⋯⋯)
二人の心は、確かに重なり始めていた。
コメント
30件
やっぱ凄いね❕ 私にはできないもん❕
ぉぉぉぉぉぉぉぉおー!!!!! なんか!すごぉぉぉぉぉぉおい! 童話の物語のひとつになりそう笑