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高校一年生・男子(仮名:Kくん)
授業中、たまに手を挙げると、クラスがざわついたり、誰かが笑ったりします。
先生も一瞬止まる気がして、それが怖くて、最近は何も言えません。
周りに悪気があるとは思わないけど、自分が「浮いてる」感じがして、どんどん声が出せなくなってきました。
家でも、あんまり話せないし、自分がどんどん薄くなっていく気がしてます。
蓮司
「“浮いてる”って、言い方やばくない? それ、けっこう致命的に自分を否定してるよ」
「ていうか、ざわついたり笑ったりって、“その場の空気が鈍感”なだけで、君が悪いわけじゃない」
遥
「……でもさ、それ、めちゃくちゃ怖いと思うよ。声、止められるの。
笑われたあとって、もう呼吸の仕方すらわかんなくなる」
日下部
「……あるよね。自分だけ音が消える瞬間。
教室って、“反応の速さ”だけで評価されるところあるから……追いつけないとき、ほんとにしんどい」
蓮司
「“発言”って、めちゃくちゃ勇気のいる行為だよ。
でも、それを笑うやつらってさ、“自分の安全地帯”に閉じこもってるだけ。
それに、先生の“一瞬の間”って……君に向けられたものじゃないかもよ?」
遥
「でも、それが“自分のせいだ”って思っちゃうのが、
“気にしてる側”のつらさなんだよ……」
(伏せ目で、かすかに息を吐く)
日下部
「……それでも、声を出したってこと、なくならないから。
一度でも、自分の言葉で立ったなら、それは消えない。
誰も聴いてなかったように見えても、ちゃんと届いてることもある」
蓮司
「ねえ遥くん、今の、ちょっとかっこよくない?」
遥
「……黙れ」
蓮司
「はは、ごめん。でもさ、ほんとそうだと思う」
日下部
「だから、Kくん。
いまは声が出せなくても、“声を出したい”って思ってること、否定しなくていい」