午前5時半
「おはようさん」
おじいさんは目を覚ました。そして手すりに掴まってゆっくりと起き上がり、慣れた手つきでお湯を沸かしてコーヒーを淹れ始めた。
「家事手伝いは私に任されております。ブラックコーヒーでよろしいでしょうか?」
そう問いかけるとおじいさんは額に皺を寄せて、
「儂を老人扱いするのか」と不満そうに言い放った。
「…」
謝罪の言葉を言いかけると
「冗談じゃよ」
おじいさんはいたずらっ子の様な顔をしてそう言った。
「こういうことは自分でやりたいんじゃよ」
「お前さんは傍におってくれるだけでいいんじゃ」
続けざまにそう言うと、おじいさんは静かに微笑んだ。
コメント
1件
フォロー失礼します!!こういう物語大好きです💞