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豪は奈美の手を取り、ソファーから立ち上がると、リビングを消灯させ、寝室へ向かう。


彼女は緊張しているのか、黙ったまま彼の手に引かれていた。


ドアを開き、奈美を促す。


「おいで、奈美」


彼女は部屋の中央にあるダブルベッドを見た瞬間、ひゅっと息を呑み、パタンとドアの閉まる音に、僅かに身体を強張らせた。


豪は、寝室の灯りを少し暗めに調光した後、ベッドの端に腰掛け、奈美は立ったまま向かい合う。


「緊張してるか?」


「少しだけ……」


ぎこちなく笑みを作る彼女の手を取り、彼は、細い指先を軽く握った。




彼女と初めて会った時、セックスは数年前に、当時の彼氏としただけだと言っていた。


今の奈美は、処女のようなものだろう。


寝室に入ってきた時の彼女の緊張感が、豪にも伝わってくる。


ここで彼は、彼女に最終意思確認をした。


「奈美。俺とセックスする事…………後悔しないか?」


「しません。私も望んだ事なので……」


「本当にいいんだな?」


「はい。だけど……」


「だけど、何?」


「私……ほぼ初めてみたいな感じなので……」


「……わかった。奈美の嫌がる事はしない」


奈美の意思表示に、豪は立ち上がり、彼女の両肩に手を添えながら唇を塞いだ。


互いの唇を堪能しながら、豪は奈美の腰と背中を撫で回す。


腕の中で彼女が身体を硬くさせながら、彼のTシャツを掴むが、構わずに唇を奪い続けた。


「うっ…………んんっ……」


奈美の唇から甘美な吐息が漏れ落ち、寝室の床に吸い込まれていく。


鼻に掛かったような息遣いが艶かしく、豪の情欲を煽った。

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