第4話
辰哉
『亮平…!』
亮平
『……!辰哉っ』
岩本
『良かった…目が覚めて…』
目黒
『うん…。とりあえずひと安心だね、。』
亮平
『辰哉、ここどこなの?この人たちは誰…?』
辰哉
『ここは動物病院。この人たちはここで働いている獣医師さん。』
岩本
『俺は岩本照。こっちが目黒蓮。』
目黒
『よろしくね亮平くん。』
亮平
『…………フイッ』
目黒
『(やっぱりまだ心を開いてはくれないか…)』
亮平
『っ辰哉!こんなところ早く出よう??僕が目を覚ますのを待っててくれたのは嬉しいけど、ここは危険だよ。』
辰哉
『…亮平。』
亮平
『、?』
辰哉
『俺らは今日からここで暮らそう?』
亮平
『………えっ?』
辰哉
『この人たちは優しいよ。亮平が心配するようなこてはなにもないから。安全に…ー』
亮平
『っ、卑怯もの!!』
岩本&目黒
『『!!』』
辰哉
『え、、、』
亮平
『辰哉を脅してるんでしょ、それでこんなこと言わせてるんでしょ!』
亮平
『辰哉がそんなこと言うはずがない!!』
辰哉
『亮平……』
亮平
『…………』
目黒
『…亮平くん、ちょっと俺と話さない?』
亮平
『え……』
目黒
『大丈夫。ちょっとお話しするだけだから。嫌なことはなにもしないよ。』
亮平
『………っ』
亮平
『分かった。』
目黒
『うん、ありがとう。照は辰哉くんと一緒にいて?』
岩本
『おう、任せろ。』
亮平
『……で、何なんですか…?』
目黒
『亮平くん、17歳。家族はいない。』
亮平
『!!』
目黒
『全部辰哉くんから教えて貰ったよ。』
亮平
『……なんで…、、』
目黒
『辰哉くんも最初は俺らに敵意の目を向けていて、話を聞いてくれなかった。』
目黒
『でも君らはまだ18歳や17歳っていう子供なんだよ。どれだけ傷だらけでボロボロの服で倒れていようと、俺たちは絶対に君たちを保護したかった。』
亮平
『…………っ』
目黒
『…辰哉くんもさっきまで泣いてたんだよ。』
亮平
『えっ、辰哉が…』
目黒
『一緒に暮らそうって言ったら多分安心したんだろうね。今では照の方に懐いちゃってるけど笑』
亮平
『……っ、でもお兄さんたちにとって俺らと暮らすことはなんの利益もないよ?なのに何で…』
目黒
『利益がどうかの話じゃないよ亮平。これは俺たちの “ 気持ち ” だよ。』
亮平
『、気持ち……』
目黒
『そう。君たちを大切にしたいっていう気持ち。』
目黒
『それが理由じゃダメ、かな?ニコ』
亮平
『…………』
亮平
『………ゃない…っ』
目黒
『ん、?』
亮平
『っ、ダメじゃ、ない、…っ!グズッ』
目黒
『……ありがとう亮平。』
亮平
『ッ、ごめん゛なさ゛ぃ…っグズッ』
目黒
『亮平が謝らなくていいんだよ。』
亮平
『いッ、一緒に、暮らし゛たい゛…っ』
目黒
『っ……!』
亮平
『僕たち゛、を、
この家に、おいて、ください゛っ…!』
泣きながらそう言うと亮平はゆっくりと俺に頭を下げた。
その姿は泣いている少年というよりも、帰る場所のない捨て犬のように見えて。
でもその姿を見て決意が固まった。
目黒
『…勿論だよ。亮平は俺が守るから。』
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