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今から約46億年前この星が産声をあげた。
その名は後に地球と名付けられる。
私たちが過ごしているこの星がそう地球だ。
これから作られていく物語は地球であって地球ではないお話。 遠い遠い次元の平行世界のお話。
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「お父さん、今日ね七夕でしょ?それでね学校でね、短冊に願い事を書いたり、名前の理由について話すことがあったんだけどね。僕ね、僕が産まれたときの話聞いてみたいな」
「そうだなぁ今日は短冊だ、だから短冊に願い事を書いたり、名前の由来について話したりしたんだね。でも、名前の由来って七夕と関係あったっけ?」
「多分ない、たまたまだよ。」
「そうかぁ、そうだなぁ 名前の由来、P.P.が産まれた時かぁ」
「そう名前の由来と僕が産まれた時のお話!」
「そうだなぁあれは…今から7年前…」
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1994年、1月1日午前10時2分
テレテテレテテーダン!!♪
「はい、もしもし~命之です」
「歯車病院産婦人科の頭井です。賭輝さん、奥さんの容態が急変しました。腎崎先生曰く、いつお子さんが産まれてもおかしくないそうです」
「わっわかりました。今から仕事抜けてそちらに伺わせていただきます。竹子っいや、頭井さん、妻のオーシェンに今すぐ行くと伝えておいてください。お願いします。では、失礼します」
そうして電話が終わった。
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「課長!繋義っ!、響姫!!、業路課長見てねぇか」と辺りを見回しながら隣の部所の部屋まで聞こえるのではないかというぐらいの大声で叫んだ。
「課長なら今、署長んとこだぞ」
「知ってんだろ響姫が追ってた死因不明の連続殺人事件、あれの目撃者が出たんだよ!!だが、なぜか今銀行強盗の人質になっちまってんだよ。 これとそれが繋がってるのかは知らねぇけどよ」と繋義は若干冗談ぽく話す。
続けて「んでどーしたんだ?そんなに慌てて、さっき電話が来たっつって抜けていったけどよ」と問いかける。
「あっあぁ、今歯車病院から電話がかかってきて、妻の容態が急変していつ産まれてもおかしくねぇみてぇなんだ。」と焦り、動揺しながらもさっきの繋義の発言が気になって気まずそうに答える。
「何!?こっちのことは良いからさっさと行け!! 課長には俺から言っといてやる。それに賭輝お前の家族だ課長もなんも言わねぇよ」繋義には出産に対する心配と喜びの念、そして自分達で今の状況をどうにか出きるだろうかという不安、だが繋義は自分の胸に刻み「やるしかない」と覚悟を決めるしかなかった。
「そうです。 命之さんあなたは奥さんのところに行ってあげてください」響姫は賭輝の方へ振り返って言う。
「しっしかし」賭輝はさっきの繋義の発言がやはり気になる。
察した繋義が「黙れ!!お前はさっさと行け!!こっちで何とかするっつってんだよ。 それともなんだ幼馴染みの俺を信じて任せられねぇっつうのかぁっ?」と言い、賭輝が行かなければならない状況を作る。
響姫も続けて自信満々に「そうです命之さん、ここは課長に繋義さん、我々を信じて任せてください」
「あっあぁ、悪かった」「お前らありがとな」
賭輝は決して部所の仲間を信じていない訳じゃないが、少し不安だった。しかし繋義、響姫の声によってその迷いを振り払い妻の下へ急いだ。
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コンコンコン、ノックの音が病室内に鳴り響く。
「失礼します」焦りと緊張が同時に走る。
そこには、頭井看護師の他に見覚えのある顔の看護師が二人、そしてDr.腎崎が出産準備を着々と進めていた。
「腎崎!!オーシェンの容態はっ?」
「大丈夫よときっち」少し微笑みながら賭輝に伝える。
「コラコラ賭輝さん、それに腎崎先生でしょ?」
「あぁ、すみませんつい気が気じゃなくて…」「その顔、その名前…松子か!!」
「正解」松子は少し微笑んだ。
「まぁ、良いじゃない、久々の再会なんだしそれにあんたの妻容態は安定したわ。今は眠ってる。いずれにしろいつ産まれてもおかしくないっていう状況だけどね。」こうして竹子はこの場を纏めようとする。
腎崎はオーシェンの様子を看ながら言う。「その通りだ」
「ありがとう、腎崎、竹子、松子」賭輝は焦りを落ち着かせた。
「ちょっ私は~?」梅子は少し悲しそうに言う。
「今そんな場合ではないだろ、梅子」と腎崎は少し笑いながらも梅子に渇を入れる。
「梅子、妻の出産の時なんだよ頼むから静かにしててくれ」
こうしたやり取りが少し続き病室の空気が和ました。
そうここにいる看護師の頭井松子、竹子、梅子は三つ子であり、医師の腎崎駆、そして警察署のバディ関繋義は命之賭輝の幼馴染みである。
「お前ら全員ここで働いてたんだな。俺は仕事の関係であまり病院に長居できなくて竹子以外の看護師とは会うことがないからさ。」
「まぁ、警察官だからなお前」
オーシェンの様子を看ながら、雑談をしているとオーシェンが目を覚ました。
「すまない起こしてしまったか、オーシェン。」
「えぇ、まぁでも大丈夫よ賭輝ちゃん」
「ふぅ~ん賭輝ちゃんねぇ」梅子は固いイメージを持つ賭輝が奥さんから賭輝ちゃんと呼ばれていることにたいして少しからかう。
「やめときなさい、梅子」
「良いんだ松子、梅子の性格とは長い縁だ」
「あっさっきはありがとうございました。
松子さん、竹子さん、梅子さん」
すると3人は同時に「いえいえ」と言った。
「それに、腎崎先生も」
「いえいえ、それが私の仕事ですので」腎崎は微笑んでいる。
同日11時46分、病室でオーシェンの容態がまたもや急変する。
「腎崎!!妻はっ?」賭輝の顔が少し強張る。
一瞬腎崎の顔つきが変わった。3人の看護師が一斉に動きだし、腎崎は賭輝に冷静に伝える「頑張り時だぞっ」と。
竹子はオーシェンに語りかける。
「頑張りましょうね本番ですよ」と。
松子は竹子と一緒に声をかけ、竹子と腎崎のアシストをする。
一方梅子は普段から予想もつかない真剣な顔でオーシェンの情報が映っている機械と向き合う。
「頑張れぇ、頑張れぇ」と賭輝は二人ともの安全を願いながらオーシェンの手を握る。
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同日正午0時0分
一人の赤ん坊が産声を上げる。
オギャーオギャーと元気良く泣きわめく赤子を見て母となったオーシェンは涙を溢す。
賭輝もそっと後ろを向いて少し涙を拭き心を整えて再び振り返る。
「産まれたな、オーシェン。良く頑張った二人とも」賭輝の眼からは再び涙が流れていた。
オーシェンは「あなたがいたからよ」と言葉を発しそっと賭輝の胸へと赤子を託す。
「元気な男の子ですね」3人の看護師が言う。
一方腎崎は涙を流していた。腎崎としても気が気ではなかったらしい。
腎崎は「良かった…がこれで俺も終わりか」と心の奥で呟く。
その一瞬の表情の変化、その場の雰囲気を警察官である賭輝は見逃さなかったが、深く考えなかった。
皆が余韻に浸っている最中、静かになったと思ったら赤子は微笑みながら寝静まっていた。
「そうだ、この子の名前は…」オーシェンが呟く。
賭輝が言う。「その事なんだが半年前俺の爺ちゃんが逝っちまう前、爺ちゃんがこの子の名前を考えてたんだ。君の名前はocean、意味は海を表す。そして俺達の名字、命之と僕の名前にもなっている輝きを意味に入れるって。そして海外でも使えるように。爺ちゃんが考え残した名前の意味、産まれる子はこの地球のように奇跡的でこの子の軌跡は輝いている。名前は女の子ならplaneta、男の子ならplanetってね」
「お爺さんはもう一つの方の名前を考えてたのね」とオーシェンは笑う。
「でも良いわね。planetじゃぁもう一つの名前は?」と賭輝に問いかける。
すぐさまに賭輝は言う。「それは二人で考えよう」
そして二人の中で一つの言葉が脳裏を駆け巡る。
『PLUCK』
「ゆうき!!」二人は大きな声で同時に発した。
「漢字は任せてくれ」と賭輝が言う。
考え出した賭輝の答えは『勇騎』
「俺の子には大切なものを守るという騎士のような誇りと何事にも挑戦する勇気を身に付けてほしい。だから『勇騎』だ!!」
オーシェンおろか辺りの幼馴染み達も納得する。
そうしてこうして後にこの物語の主人公となる『命之・Planet・勇騎』またの名をP.P.が誕生した。
To be continue.