テラーノベル
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それから数ヶ月。
世はクリスマスだ。クリスマス休暇は実家へ帰省する生徒も多くホグワーツ内はいつもより広く感じる。
渡辺と宮舘は上級生の目がないのを良い事に2人で中庭で雪遊びをしていた。
その時、空から2羽のフクロウが飛んできた。
足には小包。フクロウ便だ。
💙「うわっ」
❤️「プレゼント? 」
フクロウは小包を2人の元に落とし、再び空へ飛び去って行った。
送り主を見ると2人の母親からだった。
💙「クリスマスプレゼントだ!」
❤️「なんだろ。開けよう!」
2人は大広間へ行き、小包の包装をガサガサと開ける。
中には小さな箱と手紙。
手紙を開くと母親の直筆でメッセージが。
────『これでもう寂しくないよ』
❤️💙「寂しくない…?」
2人は顔を見合せ小箱をゆっくり開けた。その中には緩衝材が敷き詰められた中心に銀色に輝く蓋付きの懐中時計のようなもの。
❤️「時計…?」
手に取り懐中時計の蓋をパカッと開けてみる。
その中にあったのは時計ではなく…
💙「いや、これ時計じゃない。鏡だ」
❤️「あ、ホントだ」
鏡だった。
それを見た瞬間、母親が使っていた鏡の存在を思い出す。
💙「これ…両面鏡じゃねえの?」
❤️「りょうめんきょう?」
💙「ほら、俺らの母さんたちが使ってた手鏡」
❤️「あっ…」
両面鏡。
それは2枚1ペアで使う鏡。2人で1枚ずつ持ち、鏡に向かって名前を呼ぶと、相手に声や姿が届く。
テレビ電話のように鏡に相手の姿が映り、会話ができる魔法道具だ。
宮舘と渡辺の母親は手鏡サイズの両面鏡を持っていた。家の中でよく会話をしていたのを2人は見ている。
母親は自分たちの使用していた手鏡サイズの両面鏡を息子たちが持ち運びやすいように懐中時計の形に加工し、贈ってきたのだ。
渡辺は鏡に向かって名前を呼んでみた。
💙「…涼太」
すると鏡の中に宮舘の顔が映る。
💙「すげぇ!!映ってる!」
❤️「じゃあ 俺も…翔太」
渡辺の名前を呼ぶと宮舘の鏡にも渡辺が映る。
❤️「見えてる…!翔太が見える」
💙「寂しくないよってそういうこと?」
2人は顔を見合せて嬉しそうに照れ笑う。
鏡の蓋を閉め大事そうにポケットへしまった。
それから2人は四六時中、両面鏡で顔を合わせ連絡を取り合うようになった。
今日あったこと、授業の相談事、同級生の話なんかも話した。
ただ1つ、2人には疑問があった。
💙「なぁ涼太。…親に俺らのこと言った?」
❤️「いや、全然」
2人は両親に「寮が違うせいで話せない」と一言も愚痴をこぼしたことがなかったのに、どうして分かったのだろう、と。
❤️「聞いてみる?帰ったら」
💙「そうだな」
そして最上級生が卒業した後の春休み。この長期休暇は生徒は全然実家へ帰省する義務がある。
もちろん宮舘と渡辺も帰省した。
両親は久しぶりの再開を喜び、宮舘の誕生日を祝うために両家揃ってパーティーを開いてくれた。
そこで2人は思い切って聞いてみた。
❤️💙「なんで俺らに両面鏡送ってくれたの?」
すると2人の両親は思い出したかのように話し出した。
🌼「あ、それね。私たちのとこに手紙が届いたのよ」
🌸「『息子さんたちが寮の壁に苦しんでいます。どうかご加護を』ってね」
❤️「手紙?」
🌼「私たちの代の時だってグリフィンドールとスリザリンはバチバチに仲悪かったもの」
🌸「そりゃ寂しいわよね」
💙「寂しくなんかねーし!!」
❤️「俺は寂しかったよ」
💙「ゔ……」
❤️「その手紙誰からもらったの?」
🌸「それがね、送り主の名前書いてなくて」
🌼「イニシャルなのかな…アルファベット1文字だけ書かれてあって」
🌸「そう。『X』ってね」
❤️💙「X…?……あぁっ!!! 」
1人だけ思い当たる人物がいた。
Xora Banksy
────────
🤍「あの懐中時計って鏡なの!?」
💚「そう。あれで普段連絡とってるんだよ」
🤍「そのゾラ先輩って人は?」
💚「2人が気づいたのは春休み。ゾラ先輩はその年に首席で卒業してた」
🤍「うわぁぁ〜…かっこいい…」
💚「あの2人はね…幼馴染でありながら寮の壁に阻まれ会いたくても会えない関係だったんだ…まるでロミオとジュリエットみたいに…」
🤍「あべちゃん?」
💚「そんな中で両面鏡という最強の魔法を使って周りの目を盗んで顔を合わせている関係…こんなに尊い関係が他にあると思う??」
🤍「あべちゃん…あの…大丈夫?」
💚「今や圧をかけてくる先輩たちも卒業していき、2人は最近堂々と一緒にいることも多くなって……。
それでも夜は鏡で連絡を取り合ってるんだよ。なんて尊いんだこれだからゆり組は」
🤍「あべちゃんって魔法以外にも興味あるものあったんだ」
💚「一生推す!!ゆり組正義!!!」
🤍「俺の声届いてないみたい。本読んでよっかな」
🤍「ところでさ。ロミオとジュリエットって岩本くんとふっかさんたちもそうじゃない?」
💚「あの2人は死ななそうだからロミジュリじゃない」
────────
夜、周りの人が寝静まった時間。
渡辺は鏡の蓋を開け名前を呼んだ。
💙「涼太」
しばらくすると向こう側の鏡の蓋が開かれ宮舘の顔が映る。
❤️「翔太。ねぇ、今日の照とふっか見た?」
💙「見た見た笑 いつもの痴話喧嘩」
❤️「照がね、ふっかにガン飛ばしてるように見せかけてふっかの頭にフクロウの羽が乗ってるのすごい気にしてたって言ってた笑」
💙「あ、そういえばふっかが透明マント羽織って出てくの見た」
❤️「あー…じゃあ今日は照の部屋かな笑」
💙「アイツらもよくやるわ笑」
宮舘は目を細め呟いた。
❤️「1000年の歴史か……。俺たちは諦めるしかなかったけどさ、あの2人はもしかしたら2人なりのやり方で覆すかもね」
💙「2人ってか主に照な」
❤️「そう笑」
💙「おもろそうだけど、巻き込まれるのは勘弁」
❤️「巻き込まれないように特等席で見てようよ」
💙「どうなるか楽しみだな笑」
❤️「そうだね。じゃ、おやすみ翔太」
💙「ん。おやすみ」
そう言って2人は同時に両面鏡の蓋をパチンと閉じた。
#ご本人様には関係❌
あべさく正義♡
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コメント
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2人共、よかったね…泣 お母様方と先輩、ありがとう✨ 素敵なお話ありがとうございます!!
この連載本当に面白いです 内容が面白いのはもちろんそうだけど、言葉選びとか表現力が秀でてる方だなぁ…と羨ましくなります…。 一生読んでたい
ふぉ!! ゆり組ジャスティス!!