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俺は思い出した。
あいつの笑顔を。
あの愛らしい憎たらしい笑顔を。
あいつは俺を愛していた。
俺はあいつを憎んでいた。
愛の対義語は憎であるように
俺たちはいつも真反対だった。
だからこそ俺たちは
いつも一緒にいたのかもしれない。
俺はあいつを愛している、
俺はあいつのことを憎んでいる。
ほんとうに?
ほんとうにおれはあいつをにくんでいた?
あんなにやさしくお’れ’を’’’、、、、、、、、、
近くで機械音が一定間隔でなっている。
見覚えのない天井。手には点滴等。俺は焦って針等を引き抜くと案の定白衣の女の人と男の人がすぐ駆けつけながら叫んだ。
「二石さん!二石さん!」
(ふたついしと読みます)
そして息を切らしながら言った。
「あなたは交通事故にあって1週間眠っていたんですよ。事故のことは覚えていますか?」
俺は首を横に振った。
「いえ。何も、」「そうですか、、」
医師と思われる人物はうつむいた。
しばらくして人がやってきた。
「龍樹!大丈夫か?!もう心配したよ。」
僕は彼に言った。
「あの、、誰ですか?」
「え?」
あのあと、色々検査した結果どうやら俺は記憶喪失らしいということがわかった。
面会に来た彼は俺の恋人らしい。
「龍樹!改めまして、俺は神山連。よろしくな。」
そう。
彼に言われて俺は少し身震いした気がした。
このとき、俺は気づかなかった。
気づけなかった。
憎たらしいあいつのことを。