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45話 同じ番号、違う時間
同じスポット。
朝。
床は冷たく、
足音が響く。
リカは歩く。
表示板の番号は、
昨日と同じ。
時計を見る。
合っている。
友だちは、
少し早足。
空気が軽い。
声が前に進む。
同じ道。
同じ壁。
同じ番号。
夜。
同じ場所。
足音が、
重くなる。
壁は変わらない。
表示板も変わらない。
時計を見る。
やっぱり、
合っている。
父は、
ゆっくり歩く。
一歩ごとに、
時間が溜まる感じ。
リカは、
歩幅を合わせる。
朝は、
先に行く。
夜は、
引き戻される。
数字は、
同じ。
光も,
同じ。
でも、
進み方が違う。
友だちは言う。
「遅れてないよね」
父は答える。
「遅れてない」
時計は、
否定しない。
同じ番号。
違う時間。
スポットは、
何も言わない。
リカは、
足を止める。
また、
歩き出す。
朝も夜も、
ここはここだった。
それだけの違いが、
確かにあった。
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由天。