テラーノベル
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※めめラウ🖤︎🤍です
22歳の誕生日。
ミラノのホテルの天井は、やけに高く感じた。
白いシーツにくるまりながら、俺はゆっくりスマホを伏せる。
メンバーやスタッフさんのメッセージも、プレゼントも、全部ありがたしいし嬉しかった。
現場ではケーキも出してもらって、花までもらって……俺なんかのために、ここまでしてくれるんだって感動もした。
でも……どうしても、足りない。
だって、めめがいないから。
︎🤍「……俺、ガキかよ」
独り言のように笑ってみたけど、喉が詰まって上手く笑えない。
めめからはメッセージが来てた。
🖤『誕生日おめでとう。無理しないで、ちゃんと寝るんだよ』
めめらしい、優しさの滲む言葉だった。
それに既読をつけた後、どう返せばいいのか分かんなくて、まだ返事できていない。
「会いたいよ」って送ってしまいそうで、怖かったから。
時差があるから、めめの声も今日は聞けてない。
ちょうど向こうは、忙しい時間帯だろう。
︎🤍「声、聞きたかったな…」
ぽつりと呟いて、ベッドに仰向けになる。
エアコンの音だけが静かに響く。
テレビもつけず、音楽も流さず、ただ目を閉じた。
寂しいなんて言いたくない。
22歳だし、もう子供じゃない。
俺は、ちゃんと仕事して、自分で選んでここに来てるんだから。
……でも。
大人になるって、こんなに独りになることなんだっけ。
めめの顔が浮かぶ。
笑った顔。真剣な顔。
俺だけに向けてくれる、照れくさい声。
唇の感触。あったかい手。
︎🤍「めめ……」
身体の奥が、きゅっと疼いた。
指先が勝手に、腹のあたりをなぞる。
ゆっくりと服をずらして、指を中へと滑らせる。
冷たい手のひらが、モノに触れた瞬間、一人なのに実感して、息が詰まった。
︎🤍「……んッ」
胸の奥がじんと痛い。
なんでこんなに、触れて欲しかったんだろう。
めめの名前を呼びながら、目を閉じて、モノを擦る。
めめが触れた時みたいに、優しく、でも遠慮なく。
︎🤍「ん……めめ…ッ」
甘えても、 抱きしめてもらえない夜。
そんな夜に、自分で自分を慰めてるなんて、惨めでしかないのに。
︎🤍「ッ、ぁ……めめぇ……!」
背筋が跳ねて、熱が溢れる。
吐息と息が混ざって、濡れた指が震えた。
天井を見上げながら、また深く息を吐いた。
︎🤍「ほんと、何してんだろ……」
隣に、めめがいたならな…
濡れたものをティッシュで拭きながら、スマホを取る。
めめとのトーク画面を開いて、文字を打つ。
『会いたい』
それだけ送って、またスマホを伏せた。
返事が来るのはきっと、数時間後
でも、それでもいい。
少しでも繋がっていたいって、思ったから。
だって、誕生日だもん。
わがままくらい、言わせてよ。
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