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恵
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節分も終わり、バレンタインデーが近付いてきた。
美花は、仕事の帰りに立川駅前のデパートに立ち寄り、圭にチョコレートと一緒に贈るプレゼントを探している。
バレンタインデーにチョコレートを贈るのも、男性に贈り物をするのも、初めての美花。
気持ちを高揚させながら、彼女は、メンズの服飾フロアを見て回る。
(ベタかもしれないけど、圭ちゃんはいつもスーツ着てるから、やっぱりネクタイが無難なのかなぁ……?)
美花は、穏やかな笑みを湛えている圭の表情を思い出しながら、色別にディスプレイされているカラフルなネクタイたちを眺める。
「あ…………これ、いいかも……」
小さく独りごちながら美花が手に取ったのは、淡いグレーとクリーム色の細かい市松模様のネクタイ。
美花も知っているブランドだった。
「このネクタイにしようっと!」
彼女は、近くにいた店員に声を掛けると、ギフト用に包装してもらい、会計を済ませた。
ブランドロゴが小さく入ったペーパーバッグを受け取り、デパートを後にすると、美花は、北口の駅ビル内の食料品フロアに足を運び、チョコレートと生クリーム、ココアパウダーを購入。
チョコレートをラッピングするパッケージと、メッセージカードも買い、帰宅した。
今年のバレンタインデーは土曜日。
圭とは、前日の十三日の夜から会い、彼の部屋でのんびり過ごす予定だ。
彼に贈るチョコレートも、レシピサイトで検索し、チョコレート作りが初めての人でも簡単に作れる生チョコレートを、美花は作ると決めている。
(うまく作れるといいなぁ……)
美花の表情から自然と笑みが零れていき、人生で初めてのバレンタインデーに、思いを馳せるのだった。