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[secret story:5]
「この花、めっちゃきれーだよなぁ。」
「凄く気に入ってるんだな、その花。」
「えー、だって、なんか好きなんだよなぁ。」
「なんだよ、なんかって。」
「…雰囲気とか?」
「僕に問わないでくれる?」
「あは、ごめーん。」
「本当に思ってんだか…。」
「思ってる思ってるー。」
「はぁ、ほら、早く戻るぞ。」
「そっか、今日満月じゃん。」
「殺人鬼に殺されたいのか?」
「いやでーす!」
「じゃ、帰るぞ。」
「はぁーい。」
「もう1ヶ月かぁ。早いなー。」
「なにじじいみたいなこと言ってんだ。」
「なんだぁ、じじいとは!」
「今日満月だから、絶対に家の外出るなよ。わかったか?」
「無視かよ!」
「絶対にだぞ?死ぬんだから。」
「俺は子供かよぉー。」
「実際そんなもんだろ。」
「ひどぉー、そんなことないって!」
「はいはい、じゃ、行ってくるから。」
「いってらー。」
「…出なくても、入ってくるのかよ。」
「はぁ、壁ボロボロじゃん…、お前も。」
「もっと、早く帰って来ればよかった。」
「…今更後悔しても遅いか。」
「まだ、僕は折れないからな。」
「僕が諦めるまでは終わらない、終わらせない。」
「見てろよ?神。」
「…この花も、枯れたな。」
「どっかの世界で見たな、なんだっけ?」
花は枯れ、今にも崩れ落ちそうだ。
「まるでお前みたい、なんて。」
グラジオラス:楽しい思い出
枯れていくのは一瞬。
第4章: 雲散
朽ち果て、それは枯れていく