乾杯は既に何度しただろうか。
俺は、もう数えることも諦めた乾杯のために、グラスを持ち上げた。
それぞれ酔いのせいで力が入っていない。
加減の忘れた衝撃を手の平に感じた。
「それでプロポーズの言葉は?」
焼酎を飲む俺に、穂坂が尋ねる。
俺は小さく嘆息した。
「その質問、何度目だ。答えないぞ」
「なぁーんでよ! 同期のよしみでしょ!」
「それとこれとは話が別だ」
「一緒でしょーよ。ねー、気になるっ」
「だから、聞きたきゃ堂本に聞けって」
そう言って、ちらりと隣に座る彼女に視線を向ける。
と、彼女は真剣な表情で枝豆の殻をそっと積み上げてタワーを作っていた。
「……ところでお前は、さっきから何やって――」
「あああああぁぁぁ」
被さるように彼女の悲鳴が上がった。
目の前で無残に崩れていく枝豆タワーに、何とも言えない気持********************
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