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今日のあの光景が、ずっと頭から離れない。
──退学させられそうになってた生徒と、それを囲んでた、あの圧倒的な存在感。
💙 (あんなの、見てらんねぇ…)
俺は学園のルールや空気感に、今まで感じたことのない危機感を抱えていた。
放課後。
誰とも目を合わせずに帰宅し、自宅のベッドに飛び込みスマホを手に取る。
『スノア学園 退学 理由』
『スノア学園 特待生 庶民』
『SnowMan 権力』
検索欄に次々と単語を打ち込みながら、いくつかの記事を開く。
「スノア学園の闇、頻発する”自主退学”の謎 」
「かつて秀才と呼ばれたSくん、自主退学」
💙 (……この人、地元で有名だったやつだ。なんで…)
“自主退学”という文字が何度も繰り返されるが、どれも本当に自主的に辞めたようには思えない。
しかも、学園内部の掲示板ブログには、
「また”白雪狩り”あったらしいよ」
「SnowManの前で失言したらアウト。あれはもう処刑でしょ」
💙 (“白雪狩り”……?昨日のことか?)
翌朝。
教室に入る前、廊下を歩いていたら、昨日と同じようなざわつきが耳に届いた。
💙 (また……?)
振り返ると、廊下の先で人だかりができていた。コソコソと周りが話している。
「また白雪狩りだ」
「昨日と今日に続いて退学者出るの珍しいね」
「あの子も終わりだな」
──
そこには、SnowManの派手なピンク髪の小柄な佐久間大介と鋭い視線を持つ向井康二がいた。
この2人もSnowManのメンバーだ。
🩷「ねぇ、どうすんのぉ?自分で辞めるか、俺らに言わせる?」
モブ「お、親が……この学校には…」
びくびくと怯えて立っている女子生徒。
制服から見て中等部の子だ。
🩷「へぇ?じゃあ俺の親が、あんたの親のとこ出資してるんだけど?」
佐久間は笑っていた。明るくて、かわいいって噂だったけど、今は全然違う。
🩷「迷惑かけないでくれる?」
🧡「さっさと自分で”辞めます”って言いや?あんま女の子いじめたないし。」
モブ「っ……でも!」
🧡「でも、なに?辞めるしか選択肢ないで、俺らにやられたって言ったら、親ごと消えるで?」
誰にでもフレンドリーな向井康二だが、いつもと顔つきが違う。
女子生徒はガクッと膝を崩し、ボロボロと涙を零している。
💙 (やばすぎだろ、これ)
佐久間がその生徒の方を軽く叩いて笑った。
🩷「じゃ、明日には退学届け出してね。白雪狩りって名前増えるの、俺らも望んでないからさ?」
佐久間と向井がこっちに向かって来るのを確認し、俺は人混みを避けるように身を低くして、教室へと逃げ込んだ。
自分の席に腰を下ろし、ぐっと拳を握った。
💙 (……やるって決めたんだろ、俺)
自分が選んだ道。歌手になるって決めたんだ。
退学かどうとか、SnowManがどうとか、関係ない。
いや、本当はめちゃくちゃ怖い。でも。
💙 (ここで逃げたら、俺の人生、ずっと逃げ続けることになる)
そんなのまっぴらだ。
1限目
2限目
3限目……
順調よく過ごし、気づけば日は傾き、放課後が迫っていた。
💙 (……とりあえず、1日、乗り切った……!)
椅子から立ち上がるも身体は、思ったよりも重かった。
大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせた。
💙 (大丈夫、俺ならやれる。明日も、ちゃんと)
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