テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
風が止んだ。
その瞬間――
アルドの手に、細身の杖が現れた。
黒く、装飾の少ない杖。
だが先端に宿る魔力は、明らかに異質だった。
「……面倒だ」
小さく呟く。
次の瞬間、杖がわずかに傾く。
「――アンフォールド(展開)」
空間に、魔法陣が幾重にも浮かび上がる。
赤。青。緑。白。紫。
異なる属性が、同時に顕現する。
「なっ……!?」
男たちの表情が凍りつく。
「嘘だろ……同時詠唱……?」
アルドは答えない。
ただ、静かに振り下ろした。
「《フレア》」
炎が走る。
「《グラキエス》」
氷が空気を裂く。
「《テンペスト》」
風が刃となって舞う。
「《ルクス》」
光が貫く。
「《ノクス》」
影が絡みつく。
――一瞬だった。
爆ぜる音。凍る音。裂ける音。
すべてが重なり、そして消える。
静寂。
煙がゆっくりと晴れていく。
立っている者はいない。
――いや。
ひとりだけ。
剣を落とし、腰を抜かした男が、震えていた。
「……ひっ……」
風が止んだ。
その瞬間――
アルドの手に、細身の杖が現れた。
黒く、装飾の少ない杖。
だが先端に宿る魔力は、明らかに異質だった。
「……面倒だ」
小さく呟く。
次の瞬間、杖がわずかに傾く。
「――展開」
空間に、魔法陣が幾重にも浮かび上がる。
赤。青。緑。白。紫。
異なる属性が、同時に顕現する。
「なっ……!?」
男たちの表情が凍りつく。
「嘘だろ……同時詠唱……?」
アルドは答えない。
ただ、静かに振り下ろした。
「《フレア》」
炎が走る。
「《グラキエス》」
氷が空気を裂く。
「《テンペスト》」
風が刃となって舞う。
「《ルクス》」
光が貫く。
「《ノクス》」
影が絡みつく。
――一瞬だった。
爆ぜる音。凍る音。裂ける音。
すべてが重なり、そして消える。
静寂。
煙がゆっくりと晴れていく。
立っている者はいない。
――いや。
ひとりだけ。
剣を落とし、腰を抜かした男が、震えていた。
「……ひっ……」
アルドはゆっくりと歩み寄る。
杖を軽く肩に担ぎながら。
「終わりだな」
男は後ずさる。
「く、来るな……!」
アルドは立ち止まり、少しだけ考える。
「安心しろ」
「流石に、殺しまでは趣味じゃない」
男の呼吸が荒くなる。
目の前の存在が理解できない。
アルドは静かに続けた。
「で――」
少しだけ、声の温度が下がる。
「聞きたいことがある」
空気が、重く沈む。
「この町の情報だ」
「それと――例の魔王の噂だ」
「洗いざらい、知ってること全部話してくれないか?」
アルドはそれでも口を開かない相手に、静かに杖を向ける。
「悪いが、三度目はない」
一拍。
「時間は、10秒だ」
空気が張り詰める。
「……1」
低く、静かな声。
「2」
男の呼吸が乱れる。
「はぁ……っ、はぁ……っ」
「3、4」
足が震える。
「5」
額から汗が滴る。
「6、7、8」
視線が泳ぐ。
逃げ場は、どこにもない。
アルドは微動だにしない。
「……9」
その一言が落ちた瞬間――
「わかった!!話す!!」
男が叫ぶ。
「勘弁してくれ!!」
沈黙。
アルドは杖を軽く下ろし、息を吐いた。
「最初からそう言えばいいんだよ。」
一拍置いて、淡々と告げる。
「……んじゃぁ、簡潔にな?」
男は何度も頷きながら、言葉を絞り出す。
それから、やつは堰を切ったように情報を吐き出した。
「ま、魔王の噂は……もう王国中に広がってる……!」
「デブル城に本当にいたって……!」
「見たっていう冒険者もいて……!」
息が乱れる。
だが、止まらない。
「王国も動いてる……白銀騎士団が出るって話で……!」
アルドの目が、わずかに細くなる。
(王国の騎士たちもか……少し厄介だな)
男は必死に続ける。
「強い冒険者も集まってて……討伐目当てで……!」
「今はもう――」
その時だった。
「――その先は、我々が説明しよう」
凛とした声が、通りに響いた。
空気が、変わる。
男の顔が強張る。
アルドはゆっくりと視線だけを向けた。
路地の入口。
そこに立っていたのは――
白銀の鎧を纏った騎士たち。
規律正しく並ぶその姿は、先ほどまでの無秩序とは対極。
その先頭に、一人。
青いマントを揺らし、静かに歩み出る。
王国白銀騎士団団長―カイル・レオンハルト。
その隣には、副団長リシア。
さらに後方には、各隊の隊長たち。
統率された気配が、場を塗り替える。
カイルは倒れている男たちを一瞥し、
そしてアルドへと視線を向けた。
「私達は無駄な争いは望まない」
「そこのお店でお茶をしないか?私の奢りだ 」
「聞きたいのだろ?私達がおっている″あれを」
#ファンタジー