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「目黒…、イライラしてるときにするの、やめてね」
「……え?」
いつものように抱いたつもりだった。
「イライラなんて…してないよ」
「…ウソだね」
「………」
なんで、わかったの…?
「俺にぶつけられてもね、困るんだよ」
「ぶつけてなんか…」
「……気持ち良く、ないから」
何で、事が済んだ後に言うの……
「…嫌なら、拒んでよ」
あ、なんか、嫌な言い方しちゃったな…
「____はぁ。…シャワーしてくる」
それだけ言って、舘さんは部屋から出て行った。
正直、今日は散々だった。
撮影中はNG出しまくるし、何気なく見ていたSNSには誹謗中傷の記事上がってるし…
俺に関してならまだ我慢できたのに、よりによって愛する人に関するものだったから…
思わず手にしていたスマホを叩きつけそうになった。
今までも自分やメンバー、グループに対する良からぬ書込みは目にしてきた。
応援してくれる人もいれば、そうでない人もいるというのは重々承知だ。
ただ、なんとなく今日は虫の居所が悪かっただけ。
普段なら気にしないそんな書込みが、やたら脳裏にこびりついてて、モヤモヤしたまま愛しいその人と過ごしていた。
うまくいかないこと、ドス黒い感情が湧いたこと
そんなイヤなものを、2人の時間に持ち込みたくなかった。
それなのに、俺は消化しきれないまま連れてきた
わかってた
でも、
気づかれないように努めた
なのに
お見通しだった
それさえ自分を追い込んで、更に負の感情を湧かせる材料になってしまう。
ダメなときは、とことんダメなんだな…
どうしたらこのモヤが晴れるのか
愛しい人の笑顔を見れば嬉しくなる
他愛もない話しをして、
美味しいご飯を食べて
優しく抱きしめて、熱を共有する…
それでチャラになるはずだった
実際幸せを感じたし、愛しいと思う気持ちはかわらないし(いや、日毎に増してる)
まして、好き以外の感情をぶつけるなんてこと…
あるわけないし、あっていいはずない。
気持ち良く、ないから
その言葉が、益々自分を責める。
(独り善がりだった…?)
嫌なら拒んでほしかった
(責任転嫁するなよ…)
今日みたいな日に会わなければ良かった
(今さら…たられば言っても)
でも、ただ、好きな人に癒して欲しかった…
(甘えるなよ)
ベッドの端に座ったまま、頭を抱えて俯いていた俺に、ふわりと柔らかな香りを連れて優しい体温が包みこむ。
驚いて顔を上げかけると、
「そのまま…」
囁くように制止され、言われた通りその温もりに身を委ねる。
怒ってると思ってた恋人は、とても優しく抱きしめてくれる。
温かい… いい香り… 柔らかい… 溶けそう…
愛しいのに、抱きしめ返すことができなくて
糸の切れたマリオネットのように、体の横に置いたままの手。
「泣いてもいいよ」
「?何で?別に、泣きたくなんか…」
「…悪いモノが溜まったときはね、思いっきり泣くとスッキリするんだよ」
「悪いものって…?」
「自分で気づかないうちに、溜まるモノ」
「…でも、急に泣けないし」
「そう?自分の気持ちに、素直になってみな。自分の心に寄り添って」
気持ちに素直にって…
「好きだよ、目黒…。どんな目黒でも、大好きだから」
目頭に熱が集中する。
腫れぼったい感覚は、流れ始めた涙とともに引いていく。
普段から伝えてくれる言葉なのに
どうしてこんなに胸を掴まれるんだろう
ポンプで押し出されるように噴き上がるのは
奥深くに溜まってた”何か”
押し出されて、引き連れて、溢れ出る
涙も嗚咽も止められなくなって、抱きしめる温もりにしがみついた。
情けなくて
こんな姿見せたくないのに
「大丈夫。見えてないから」
俺の心と会話できるの?
「気が済むまで泣いたらいいよ」
……ありがとう
「すっきりしたら、今度は笑おう」
…ありがとう
「あ〜泣いちったなぁ〜〜つって」
「ぶふっ!」
「ふふっ」
「ありがとう…」
「いいえ。ほら。泣け、泣け」
頭を優しく撫でる手が温かい
コトコトと聞こえる鼓動が嬉しい
傍にある体温が愛おしい____
「……涼太」
「ん?」
「ありがと」
「何が?」
「ふふっ。ねえ、抱きたい」
「えーまたぁ?せっかくシャワーしたのに」
「だめ。上書きするの」
「上書き?」
「ダメな俺を、上書きしとかないと」
「ふふっ。何それ」
「だめ?」
「ううん。でも、ちゃんと気持ち良くしてよね?」
「もちろん♡」
甘く
蕩けて
浮上する
コメント
15件
素敵な🖤❤️ありがとうございます😭 何て暖かい愛🥰🥰🥰🥰
ステキなお話…✨✨ 心が浄化されました(*´﹀`*)✨✨ やっぱり🖤❤️は良い!!

いい…すごく😭