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私を見てニヤリと怪しく笑った田中君の様子から危機感を覚えた私は、宴会が始まってからもどんな嫌がらせをしてくるのかと警戒していた。
「あ、手が滑った~」とわざとらしい台詞を吐きながら、ビールを頭からかけられる最悪の事態だけは阻止しなくてはと背後を警戒しているうちに、私以外のみんなはお酒の席を楽しんでいるようで、あちらこちらから笑い声が響く。
向かって左側の席の一番奥に座っているのは悪の根源田中君で、あざとい猫かぶりは秘書のお姉さんたちに好評らしく、囲まれ可愛がられている。
もしかして、私がまだビールまみれになっていないのはお姉さんたちが田中君を逃がさないようにがっちりと脇を固めているからかもしれない。もし、そうだとしたら心から感謝を伝えたい。
そして、右側の席、上座に座るのは、各部の部長たち。
鈴木部長とマネジメント部の部長がお酒を酌み交わしていて、そこには美和子の姿もある。上司の**********************
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