阿部ちゃんは順調よく舘さんと仲良くしていた。前なんか、「舘さんに料理を教わりに家に行けるんだ」と、とても嬉しそうに伝えて来た。喜んでいいのか、泣いていいのか、もう自分の感情がわからなくなる。
🖤「今日も舘さんと一緒に居たのかな……」
一人、部屋で阿部ちゃんのことを考えながら俺は今日も眠りにつく──。
ある日、阿部ちゃんから連絡が来た。
🖤「もしもし」
💚『……』
🖤「…どうしたの?」
💚『…今日さ、舘さんに告白したよ』
🖤「えっ…」
💚『でさ、振られちゃった…笑 』
無理に笑っているのが伝わるくらい、声が震えていた。
💚『ごめんね、応援してくれたのに。それだけ、じゃぁ…またね』
🖤「え、ちょっ」
俺が声をかける間もなく電話は切れた。
心配もあったが、阿部ちゃんが振られたと知り、少し喜んでいる自分がいた。
🖤「俺、最低だ…」
次の日、俺は楽屋の隅で阿部ちゃんを見かけた。普段なら明るくみんなと冗談を言い合っている阿部ちゃんが、その日は1人で静かに座っていた。他のメンバーも心配そうだった。
🖤「阿部ちゃん…」
俺が声をかけると、阿部ちゃんは軽く顔を上げて、かすかな笑顔を浮かべた。
💚「昨日は急に電話してごめんね。今、ちょっとだけ落ち込んでるんだ」
ちょっとどころではない、阿部ちゃんは笑顔のつもりなんだろうけど、今にも泣きそうな表情をしている。
俺はそんな阿部ちゃんを見て、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。
🖤「無理しないでいいよ、何かあったら話して」
💚「ありがとう……」
その後、俺は阿部ちゃんを追いかけることはなかった。阿部ちゃんが一人で抱え込んでいるのを察して、今は彼を独りにさせてあげたいと思ったからだ。
レッスンが終わり帰ろうと廊下を歩いていると、遠くからすすり泣く音が聞こえた。
俺はその音に引き寄せられ、足を止めると、そこには隠れるように座り込んで泣いている阿部ちゃんがいた。
🖤「……っ」
俺は何も言えず、その場で立ち尽くしてしまった。泣いている阿部ちゃんを前に、どうすればいいのかわからなくなって、俺は阿部ちゃんのとこに歩み寄り、肩に手をかけた。
🖤「阿部ちゃん……」
💚「ごめん、めめ。俺…こんな風になっちゃって…」
阿部ちゃんは涙をこぼしながら呟く。
俺はそっと抱きしめた。
🖤「…よく頑張ったね。ちゃんと気持ち伝えて、ちゃんと向き合ったんでしょ?ほんとにかっこいいよ」
ほんと、すごいよ阿部ちゃん。羨ましい、俺もちゃんと気持ち伝えないとなのに、怖くて逃げてる自分がいる。かっこ悪いね…
💚「…っ!、ありがとう……」
阿部ちゃんは少し笑顔を浮かべて、泣き崩れた。俺は、阿部ちゃんを強く抱き締めた。
🖤「俺は、ちゃんとここに居るから。辛いこと全部、出し切っちゃお?」
阿部にとって目黒の言葉と腕の中は、不安も溶かしてしまうほど、温かく、優しかった。
コメント
8件
ここからあべちゃん視点なるのですが、長くなるのであべちゃん視点飛ばして読んでも大丈夫ですよ~
めめ!良かったね!…なのか?
舘様はなぜ振ったんですか😢