テラーノベル
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異世界への扉の使い手
センターナのミセルの宿。
ルイ・ヴァロ[あ~よく寝た。]
テル[え?もう朝?]
ルイ・ヴァロ[うん。今日は寝坊しなかったな。]
テル[今日の予定は?]
ルイ・ヴァロ[気になってたんだけど、そろそろこの街に来て3日になるし、いつまでも宿ってわけにはいかないから、小さくてもいいから家を買いたくて。]
テル[じゃあ、この街で暮らすの?]
ルイ・ヴァロ[うん。そのつもり。]
テル[なら一度ギルドに行って、それから家を探さない?]
ルイ・ヴァロ[そうだね。じゃあ荷造りしよう。]
ルイ・ヴァロとテルはそれぞれの荷物をまとめ、ギルドへ向かった。
センターナギルド
受付嬢
[あ!ルイさんにテルさん!おはようございます!]
ルイ・ヴァロ[おはようございます。今日はこの街で暮らす為の家を探そうかと。]
受付嬢
[まぁ!この街が気にいってくださったんですね!]
ルイ・ヴァロ[はい!ギルドもあるし、生活には困らないかな?って。]
受付嬢
[大変嬉しく思います!では斡旋所を教えます。]
ルイ・ヴァロ[お願いします!]
受付嬢
[それから、同じ街に住む理由ですし、改めて自己紹介を。
アビーです。今後何かあればアビーとお呼び下さい。]
ルイ・ヴァロ[アビーさんですね!よろしくお願いします!]
アビー[はい!では斡旋所の場所ですが…]
10分後。
ルイ・ヴァロ[では行ってきます!]
アビー[行ってらっしゃいませ!]
アビーから教わった斡旋所は、ミセルの宿から直ぐだった。
モルト斡旋所
ルイ・ヴァロ[すみません!]
モルト[はいよ!って君か。]
ルイ・ヴァロ[え?僕を知ってるんですか?]
モルト[君、異世界の扉、くぐったでしょ?あれ、僕のマジックアイテム。]
ルイ・ヴァロ[え!?]
モルト[いや、どうしても異界の力が必要でね。それについては後で話そう。今日は家を見に来たんでしょ?]
ルイ・ヴァロ[えっと、はい。]
モルト[あ!奴隷の子と住むなら、丁度いい場所があるよ!
一応金貨五十枚だけど、お金足りる?]
テル[金貨なら六十枚あるわ。]
モルト[なら大丈夫だ!案内するよ!]
ルイとテルは、モルトの後を追い、他の家より少し高い場所に建つ家に着いた。
モルト[ここが君たちの新しい家。]
ルイ・ヴァロ[中を見てもいいですか?]
モルト[もちろんだよ!案内するね!]
モルトが鍵を開けると中は広々としたリビングと2階に上がる階段、1階にはお風呂とキッチンがあった。
モルト[部屋は2階に2部屋あるから丁度いいね!]
テル[キッチンは充分な広さだわ。私2階見てくる。]
ルイ・ヴァロ[風呂付きなんだ?へぇ~!結構いいかも!]
テル[ルイ!部屋どっちがいい?]
ルイ・ヴァロ[ちょっと待って。今行く。]
2階に上がると階段を挟んで2部屋用意されていた。
モルト[どっちも日当たりがいいし、収納も充分だよ!]
テル[左と右、どっちがいい?]
ルイ・ヴァロ[僕は右かな。]
テル[じゃあ私左ね!]
モルト[部屋も決まったし、この家で2人とも大丈夫?]
2人は顔を見合わせてニコッと笑うと、
橘靖竜
#切ない
#長編
ルイ、テル[この家にします!]
モルトは、満足そうにうなずき、
[じゃあ金貨五十枚で!]
ルイは財布から[はい!五十枚!]
モルト[丁度頂きます!じゃあ次は家具屋を紹介しよう!]
ルイ・ヴァロ[その前に、僕をこの世界に呼んだ理由は?]
モルト[あ!忘れてた。]
テル[1番大事な事じゃない!]
ルイもうなずく。
モルト[じゃあ話をしようか。最近魔物達の様子がおかしいのは気づいてる?]
ルイ・ヴァロ[アビーさんが言ってた。亜種が多いって。]
モルト[そう。どうやら黒の渦が目覚め始めてる。]
ルイ・ヴァロ[黒の渦って何なんですか?]
モルト[真っ黒なドラゴンの事。]
ルイ・ヴァロ[そのドラゴンを倒すのに異界の力が必要だった?]
モルト[大正解!だから君を呼んだ。]
ルイ・ヴァロ[何も僕じゃなくても…]
モルト[ううん。そのドラゴンと、対の波動を持っていたのは君だけだったんよ。]
ルイ・ヴァロ[対の波動?]
モルト[要は倒せる波動の事。だから僕は、異世界の扉を使って、君をこっちに呼んだ。]
テル[つまりルイは選ばれし者な理由!?]
モルト[この世界の伝説。勇者ってやつだね。]
テル[凄い!ルイは勇者なんだ!!]
ルイ・ヴァロ[まさかとは思ったけど、ハルさんに何て話そう。]
モルト[ドラゴンを倒したら、また僕が異世界の扉を発動させるよ!]
ルイ・ヴァロ[いや、このままこっちで暮らす。]
モルト[向こうに未練はないの?]
ルイ・ヴァロ[ないよ!父さんはこっちで出来たし、テルもいるからね。]
テル[私お荷物になってない?]
ルイ・ヴァロ[まさか!大事な家族だ!]
モルト[うーん。今の発言プロポーズ?]
ルイ・ヴァロ[あ!]
テル[そう思っていいの?]
ルイは顔を真っ赤にして頷いた。
テル[何か涙出てきた。]
モルト[おーい?女の子泣かすなよ〜]
ルイ・ヴァロ[うるさいな。]
モルト[じゃあ話も終わったし、家具屋を紹介しよう。]
モルトから教わった家具屋は、マイホームから歩いて3分の場所にあった。
ナナの家具屋
ルイ・ヴァロ[すみません!]
ナナ[はーい!あら?お兄さんイケメンね!]
ルイ・ヴァロ[家具を見に来ました!]
ナナ[売り物はそっちよ!]
ルイはテーブルと2人分のイスにベッドを見た。
テルは机やタンス、部屋に必要な物を見た。
合わせると15点くらいになった。
ルイ・ヴァロ[これ、買えるかな?]
ナナ[結構あるわね。全部で金貨十枚と銀貨四十枚よ?買えそう?]
ルイは財布の中身を全部だした。
ナナ[あ!あるわよ!荷馬車で運びましょう!]
ルイ・ヴァロ[お願いします。]
家に着くとナナと2人で運び込み、出来上がった時には夕時になっていた。
ルイ・ヴァロ[こんな時間まで手伝ってもらい、すみませんでした。]
ナナ[別にいいわよ。でも汗だく。お腹空いたわ。]
テル[2人ともお疲れ様でした。夕飯作るわね!]
ルイ・ヴァロ[テル?何処行ってたの?]
テル[ミセルさんに料理習って、市場で食材調達。]
ナナ[私の分も買ったの?]
テル[だって、ナナさん居なかったらどうにも出来ないし。
食べていってよ!]
30分後。
テル[はい!お待ちどうさま。]
テーブルには、沢山の料理が並んだ。
ルイ・ヴァロ[何気に、テルの料理食べるの初めてかも。]
ナナ[あ!これ美味しい!あ!こっちも!]
ルイ・ヴァロ[僕も食べる!]
20分後。
ルイ・ヴァロ[もうお腹いっぱい。]
ナナ[私も。]
ルイ・ヴァロ[残りはテルが食べなよ!]
ナナ[あ!すっかり忘れてた!今何時?]
ルイ・ヴァロ[えーっと夜の7時。]
ナナ[旦那と子どもの夕飯作らなきゃ!じゃあ帰るわね!]
ルイ・ヴァロ[ありがとうございました!]
テル[また寄って下さいね!]
ナナ[またね〜!]
ルイ・ヴァロ[明日はギルドに行くよ?]
テル[了解よ!]
ルイ・ヴァロ[じゃあ晩御飯の残りはテルが食べて。僕はお風呂にする。]
テル[今思ったけど、ルイいつもその服じゃない?
近くに、小さいけど仕立て屋があったわ。明日ギルドの用事が済んだら、その店にいきましょう?]
ルイ・ヴァロ[僕、センスないから、テルに任せます。]
テル[了解よ!]
20分後。
テル[ふう。食べ終えた。]
ルイ・ヴァロ[こっちもお風呂上がったよ!]
テル[分かったわ。片付けちゃうわね!]
ルイ・ヴァロ[それが終わったら、テルもお風呂にしなよ!]
30分後。
テル[やっと片付け終わった。さて、お風呂にしましょう]
20分後。
テル[ふう。さっぱりした。ってルイ?考え事?]
ルイ・ヴァロ[いや、父さんに僕等の事伝えたいなって思ってさ。何かいいアイデアないかな?]
テル[お父さんか。ならギルドから手紙を出せばどう?]
ルイ・ヴァロ[そうか!手紙か!早速書かなきゃ。テルも、引っ越しやらで疲れただろ?早く寝なよ!]
テル[花嫁衣装が届いたりしてね笑]
ルイ・ヴァロ[ありえるな。そういえばテル、指輪って欲しい?]
テル[そりゃ結婚するなら、指輪の一つくらい、お揃いで持ってたいけど…]
ルイ・ヴァロ[この世界って何歳から成人なわけ?]
テル[え?11歳だけど?]
ルイ・ヴァロ[って事は、テルも僕も成人してるから、結婚出来るわけか。]
テル[何よ?あらたまって。]
ルイ・ヴァロ[テル、僕と結婚して下さい。]
テル[つ!やめてよ!恥ずかしい!まぁ答えはイエスだけど…]
ルイ・ヴァロ[本当!?やったー!! これで、テルもヴァロになるな!]
テル[明日朝1番にギルドに報告に行くわよ。それと、お父さんへの手紙忘れないでね!]
ルイ・ヴァロ[今から書くよ!あとギルドで依頼をこなしたら、指輪買うね!もちろん服も買う。]
テル[じゃあ私はもう休むわね。]
ルイ・ヴァロ[うん!また明日!]
親愛なる父さんへ
この度、僕とテルは結婚し、今はセンターナの街で暮らしています。ギルドにも登録したよ!
明日、朝1番にギルドに報告しに行きます。
僕等の家までの地図を、同封しておきます。
何かあれば、いつでも遊びに来て下さい。
また、手紙書きます。
お元気で。
ルイ・ヴァロより
ルイ・ヴァロ[よし。僕も寝よう。]
こうして、ルイとテルの新たな生活が始まった。
コメント
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第6話、拝読しました。ルイとテルが家を買って、家具を揃えて、ついにプロポーズまで……本当に温かい回でしたね。特に「大事な家族だ」と言った後のモルトさんの「今の発言プロポーズ?」で二人とも照れる流れ、自然で可愛らしかったです。指輪の話から結婚の約束につながる会話も、異世界ファンタジーの日常がこんなに心に染みるものなんだなと気づかされました。新しい生活の始まり、素敵です🤍