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お節介アゲハと弱虫ヒナタ〜アルメリア〜

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お節介アゲハと弱虫ヒナタ〜アルメリア〜

第6話 - 似合う水着

150

2023年01月24日

#ドラマ

#青春恋愛

#高校生

#一次創作

×××

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お節介アゲハと弱虫ヒナタ〜アルメリア〜
#6 似合う水着 / ×××

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季節は7月

杏樹たちは夏休みを間近に控えていた

虹山愛莉

ズルい！ズルすぎる！

葛城絵里香

まだ言ってるし！

虹山愛莉

2人だけで内緒で
免許取りに行くなんて！

眞琴杏樹

だって愛莉ちゃん
もう免許持ってるじゃん

虹山愛莉

だとしても！

虹山愛莉

友達の私に一言も
無いってのは
さすがに酷くない？

葛城絵里香

わかった！わかった！
そう拗ねんなっつの！

虹山愛莉

別に拗ねてるわけじゃ──

眞琴杏樹

なら今度何か
食べに行こうよ！

眞琴杏樹

みんなで！

虹山愛莉

お！杏樹は
分かってる！

葛城絵里香

それが狙いだったりして

虹山愛莉

失敬ね！

ガラガラ

皆が楽しげに談笑していると教室に透が入ってきた

鮎原透

杏樹ちゃん！

眞琴杏樹

あ、鮎原さん

鮎原透

今ちょっと
いいかな？

眞琴杏樹

は、はい！大丈夫ですよ！

眞琴杏樹

ごめんみんな！

眞琴杏樹

ちょっと行ってくる！

葛城絵里香

はいは〜い！

虹山愛莉

行ってらっしゃい！

虹山愛莉

もう杏樹って
隠すつもりないよね

葛城絵里香

鮎原さんを
好きな事ね・・

虹山愛莉

ありゃ恋する
乙女の目だもん

葛城絵里香

確かにね・・

虹山愛莉

上手く行くといいけど

葛城絵里香

まぁ、陰ながら
応援しようよ

虹山愛莉

お！絵里香から
常識的な発言が聞けた

葛城絵里香

私を非常識みたいに
言わないでくれる？

虹山愛莉

だって絵里香ったら
事あるごとに杏樹の過去
聞きたがってたじゃん

葛城絵里香

まぁ、私にだって
知られたくない過去
あるしね・・

虹山愛莉

どんな過去？

葛城絵里香

いや、言わねーし！

眞琴杏樹

どうかしたんですか？

鮎原透

杏樹ちゃんってさ
涼太とひとみって
覚えてる？

鮎原透

ホラ！前に一緒に
飯食い行ったろ？

眞琴杏樹

勿論！覚えてますよ！

鮎原透

実はあれから
ちょくちょく涼太とは
サシで呑み行っててな

眞琴杏樹

あ、そうだったんですね

鮎原透

で、そこでの会話でさ

鮎原透

海？

碧江涼太

ああ！やっぱ
夏と言ったら海だろ？

鮎原透

まぁ、そりゃ
そうだけど・・

碧江涼太

だからさ！今度
泊まりで海行こうぜ！

鮎原透

海ね〜・・・

碧江涼太

だって夏なら
夏休み中だから
海行けるだろ？

鮎原透

まぁ・・・

碧江涼太

俺と透！

碧江涼太

ひとみと──
それから

碧江涼太

こないだの
杏樹ちゃん！

碧江涼太

この4人で海行こうぜ

鮎原透

杏樹ちゃんも？

碧江涼太

実はさ──

碧江涼太

どうやら、ひとみが
杏樹ちゃんの事
気に入ったみたいなんだよな

鮎原透

へぇ、ひとみがね・・

碧江涼太

海に行くんだったら

碧江涼太

杏樹ちゃんも
一緒がいいって
言っててさ・・

碧江涼太

どう？

鮎原透

どう？って言われてもな

鮎原透

まず杏樹ちゃんに
聞いてみねー事には

碧江涼太

なら今度
学校で会ったら
聞いといてくれよ！

鮎原透

まぁ、聞くだけ
聞いてみるわ

鮎原透

って事なんだよ・・

眞琴杏樹

海！いいですね！

鮎原透

お！結構乗り気だな？

眞琴杏樹

海なんて久々ですから

鮎原透

最後に行ったのって
どんくらい前？

眞琴杏樹

たしかお母さんが
離婚する前だったから

眞琴杏樹

７歳の時とかです

鮎原透

ずげーご無沙汰だな

眞琴杏樹

だから楽しみです♫

鮎原透

じゃあ夏休み中に
海一緒に行ける？

鮎原透

2泊3日の予定だけど

眞琴杏樹

まぁ、まずは
お母さんに──

眞琴杏樹

（いや！ダメ！）

眞琴杏樹

（またお母さんに
子供扱いされちゃう）

眞琴杏樹

（親に了解得なきゃ
海にも行けない
子供って言われちゃう）

鮎原透

あの・・杏樹ちゃん？

眞琴杏樹

あ、は、はい

鮎原透

どうかした？

鮎原透

急に黙っ
ちゃったけど

眞琴杏樹

いや、なんでも
ないですよ！

鮎原透

そう？

鮎原透

実は予定があった
とかじゃない？

眞琴杏樹

全然大丈夫です！
予定なんてないんで！

鮎原透

予定ないってのも
寂しいもんだけどな

眞琴杏樹

あ！今バカにした！

杏樹は頬を膨らませる

鮎原透

冗談だって！
そんな拗ねんなよ！

眞琴杏樹

鮎原さんのイジワル！

鮎原透

悪かったって！

鮎原透

まぁ、一応海に
行く事はOKでいいか？

眞琴杏樹

はい！勿論オッケーです！

鮎原透

ならそう伝えとくわ

眞琴杏樹

でも海って
どこに行くんですか？

鮎原透

涼太と話して
伊豆に行こうか？
って話になってる

眞琴杏樹

伊豆！いいですね！

鮎原透

行った事あるか？

眞琴杏樹

行った事ないんで
行ってみたいんですよ

鮎原透

なら丁度いいな！

鮎原透

俺も行ったこと
ねーからさ！

眞琴杏樹

今から楽しみです♪

鮎原透

なら涼太には
行けるって伝えとくわ

眞琴杏樹

はい！お願いします！

鮎原透

友達と喋ってる途中に
割り込んで悪かったな

眞琴杏樹

いえ、大丈夫ですよ！

鮎原透

ならそういう事だからさ！

眞琴杏樹

はい！

眞琴杏樹

（伊豆の海か・・・）

眞琴杏樹

（えへへ、楽しみ）

杏樹は惚気た顔をしている

虹山愛莉

・・・・・

葛城絵里香

・・・・・

虹山愛莉

あのさ杏樹？

眞琴杏樹

（どんな水着
来て行こうかな？）

眞琴杏樹

（せっかく鮎原さんと
海に行けるんだし）

眞琴杏樹

（やっぱビキニかな？）

虹山愛莉

おーい！杏樹！

杏樹の伊豆の海の事で頭がいっぱいになり愛莉の呼びかけに気づかない

眞琴杏樹

（でも持ってないからな）

眞琴杏樹

（今度買い行こうかな）

虹山愛莉

あ〜ん〜じゅ〜！！

愛莉は杏樹の耳元で大きな声で名前を呼ぶ

眞琴杏樹

わぁ！ビックリした！

眞琴杏樹

何！急に大声だして

葛城絵里香

いや、ずっと
呼んでたよ！愛莉

眞琴杏樹

あれ？そうだった？

眞琴杏樹

ごめん！全然
気づいてなかった

眞琴杏樹

なんの話？

虹山愛莉

いや、別に大した
用って訳でも
ないんだけど・・

虹山愛莉

鮎原さんと何か
あったのかな？って

眞琴杏樹

な、何かってなに？

葛城絵里香

いや、さっき
鮎原さんに呼ばれてから

葛城絵里香

ずっとニヤけてるよ？

眞琴杏樹

え？そ、そうかな？

眞琴杏樹

そんな事
ないとおもうけど

虹山愛莉

まさか鮎原さんに
デートに誘われた？

眞琴杏樹

いや、あれは
デートじゃないし

眞琴杏樹

他にも一緒に
行く人居るし

葛城絵里香

どっか行くの？

眞琴杏樹

あっ、いや、それは

虹山愛莉

白状しなさい！杏樹！

愛莉は杏樹の脇をくすぐる

眞琴杏樹

あははははは

眞琴杏樹

ちょ、ちょっと！辞めて！

虹山愛莉

なら大人しく吐け！

眞琴杏樹

あははははは

眞琴杏樹

わ、わかったから！

眞琴杏樹

は、話す！話すから！

虹山愛莉

よろしい！

眞琴杏樹

もう・・・

杏樹は愛莉と絵里香に夏休み中に鮎原と鮎原の友人数名とで伊豆の海に行く計画を話した

虹山愛莉

いいなー！

虹山愛莉

私も海行きたーい！

葛城絵里香

かなり進展してんじゃん

眞琴杏樹

これを進展って
言っていいのかな・・

虹山愛莉

何言ってんのよ！

虹山愛莉

夏と言ったら海！

虹山愛莉

夏と言ったら
ひと夏の──

眞琴杏樹

ひと夏の？

虹山愛莉

ケ

虹山愛莉

イ

虹山愛莉

ケ

虹山愛莉

ン

虹山愛莉

でしょ？

眞琴杏樹

！！！！！！！

眞琴杏樹

（け、ケイケン・・）

杏樹の顔は茹でたタコのように赤くなる

虹山愛莉

きゃははは！
めちゃ赤くなってる

葛城絵里香

やっぱ杏樹は
まだまだ子供ね！

眞琴杏樹

子供扱いしないでよ

虹山愛莉

てか杏樹って
水着持ってんの？

眞琴杏樹

いや、それが

眞琴杏樹

中学生の時に使ってた
スクール水着しか・・

虹山愛莉

ぶはっ！

眞琴杏樹

ちょっと！何も
吹き出す事ないじゃん

葛城絵里香

いや、スク水って・・

葛城絵里香

ビキニとか
持ってない訳？

眞琴杏樹

だって誰かと海に
行くとか今まで
なかったから・・

虹山愛莉

あーね

虹山愛莉

まぁ、それだったら
買う予定ないもんね

眞琴杏樹

だから買い行かなきゃ

虹山愛莉

よし！決めた！

眞琴杏樹

ん？決めた？

葛城絵里香

なんか嫌な予感する

虹山愛莉

私と絵里香で
杏樹に似合う水着を
見つけよう！ね？

葛城絵里香

そう来ると思った

眞琴杏樹

いや、でも、それは
みんなに悪いし

虹山愛莉

何言ってんのよ！

虹山愛莉

友達の為に
ひと肌でもふた肌でも
脱いでやるのが

虹山愛莉

友達ってもんでしょ？

眞琴杏樹

愛莉ちゃん・・

虹山愛莉

てな訳で！

虹山愛莉

今度の休みに皆で
水着を買いに行こう！

葛城絵里香

ま、いいっか・・

虹山愛莉

それでいい？杏樹

眞琴杏樹

みんな・・・

眞琴杏樹

ありがとう・・・

虹山愛莉

いいって事よ！

数日後

3人は杏樹に似合う水着を見繕うべく鮎屋百貨店へ足を運んだ

虹山愛莉

やっぱ鮎屋ってデカいね

虹山愛莉

迷子になりそう

眞琴杏樹

確かにね・・

葛城絵里香

たしか3階に
水着専門店あったよね

虹山愛莉

そう！そう！

虹山愛莉

そこで、杏樹に
似合う水着を買おう！

水着専門店「ボルシージョ」

虹山愛莉

うー・・・ん

虹山愛莉

どんなのが
杏樹に似合うかな？

葛城絵里香

てか杏樹はどんな
水着がいいわけ？

眞琴杏樹

どんなの・・・

眞琴杏樹

うー・・・ん

虹山愛莉

大人っぽい
セクシー系？

虹山愛莉

それとも可愛い
キュート系？

眞琴杏樹

そうだな・・・

眞琴杏樹

可愛い系？かな？

葛城絵里香

ならこんなのは？

眞琴杏樹

うー・・・ん

眞琴杏樹

なんか子供っぽくない？

虹山愛莉

ならコレは？

眞琴杏樹

赤と黒ってなんか
エ○チじゃない？

葛城絵里香

そんな事ないよ！

葛城絵里香

私は杏樹に
似合うと思うけど？

眞琴杏樹

そうかな・・・

虹山愛莉

こんなのもあったよ

眞琴杏樹

ピ、ピンク！？

眞琴杏樹

もっとエ○チじゃん

葛城絵里香

てかその杏樹の
エ○チ基準なに？

眞琴杏樹

いや、なんとなく・・

葛城絵里香

なにそれwww

虹山愛莉

ならこんなのはどう？

眞琴杏樹

わぁ！面積狭過ぎ！
はみ出ちゃうよ

虹山愛莉

はみ出るって何が？

眞琴杏樹

いや、それは・・

葛城絵里香

また顔赤くしてるし

虹山愛莉

まったく
可愛いな杏樹は！

眞琴杏樹

もう！からかわないでよ！

葛城絵里香

てかどうすんの？水着

眞琴杏樹

うー・・・ん

虹山愛莉

そうだよ！

虹山愛莉

いくら私たちが
水着をすすめても

虹山愛莉

最終的な判断は
杏樹がくださなきゃ！

眞琴杏樹

そ、そうだよね・・・

眞琴杏樹

うー・・・ん

数時間後

虹山愛莉

色々悩んだ挙句

虹山愛莉

結局コレかい！

眞琴杏樹

なんか言ってこれが
一番かな？って・・

葛城絵里香

最初に子供っぽいって
言ってたのは何処の
誰だったっけ？

眞琴杏樹

もう、いいじゃん！
その話は！忘れてよ！

虹山愛莉

まぁ、何はともあれ

虹山愛莉

これで水着はOKね！

眞琴杏樹

みんなありがとうね

葛城絵里香

まぁ頑張りなよ！

眞琴杏樹

頑張るって何を？

虹山愛莉

しらじらしい！

虹山愛莉

鮎原さんの事！

眞琴杏樹

いや、別に・・

葛城絵里香

別に隠さなくって
いいじゃん！

葛城絵里香

別に私たちは
杏樹をバカにしてる
訳じゃないんだから

虹山愛莉

そう！そう！

虹山愛莉

杏樹には好きな人と
一緒になって幸せに
なって欲しいだけ！

眞琴杏樹

みんな・・・

虹山愛莉

まぁ、いきなり
ひと夏のケイケン！
なんてのは

虹山愛莉

さずかにハードル
高いだろうから

虹山愛莉

まずは想いを伝える
ところからやってみたら
いいんじゃない？

眞琴杏樹

う、うん・・・

葛城絵里香

私たちは応援
してるからさ！

葛城絵里香

頑張って！ね？

眞琴杏樹

ありがとう

眞琴杏樹

私、頑張るよ

虹山愛莉

頑張るって
言うって事は

虹山愛莉

やっぱり好きなんでしょ？

虹山愛莉

鮎原さんの事！

眞琴杏樹

まぁ、う、うん・・・

葛城絵里香

やっと素直になったね

葛城絵里香

これで一歩前進ね！

眞琴杏樹

う、うん・・・

虹山愛莉

まぁ、いい報告を
期待してる！

虹山愛莉

なんて言うと
プレッシャーに
やるだろうから
言わない！

眞琴杏樹

愛莉ちゃん・・

虹山愛莉

まぁ、自分のペースで
頑張りな！ね？杏樹！

眞琴杏樹

ありがとう！

眞琴杏樹

勇気出たよ！

葛城絵里香

さ！水着も買ったし
なんか食べに行こ♫

葛城絵里香

お腹すいちゃった

虹山愛莉

確かにね

葛城絵里香

確かここの
レストランだよね？

葛城絵里香

杏樹のバイト先って

眞琴杏樹

まぁ、そうだけど

虹山愛莉

じゃあそこで食べる？

眞琴杏樹

いや、違うとこにしよ

葛城絵里香

まぁ、休みの日に
バイト先に行くのって
気まずいよね

眞琴杏樹

それもあるけど

眞琴杏樹

結構高いんだよね
ウチのレストラン

虹山愛莉

ああ！確かに！
ランチタイムでも
結構な値段するよね！

眞琴杏樹

もっと安いとこにしようよ

葛城絵里香

まぁ、近くに
ワンコインで食べれる
レストランだってあるし

虹山愛莉

安いビュッフェの
お店だってあるしね

葛城絵里香

ならとりあえず出ようか

眞琴杏樹

うん！

眞琴杏樹

（まぁ、本当は
鮎原さんに水着の事を
まだ言いたくない
だけなんだけどね）

虹山愛莉

何してんの？杏樹！

虹山愛莉

早く行こうよ！

眞琴杏樹

あ、う、うん・・・

数日後

眞琴杏樹

うー・・・ん

眞琴杏樹

こんな感じかな？

杏樹は姿見の鏡の前で買った水着を着ながら全身を見ていた

眞琴杏樹

うん！うん！

眞琴杏樹

悪くない！悪くない！

眞琴杏樹

でもやっぱちょっと
子供っぽい感はあるけど

眞琴杏樹

うん！いい感じ！

そこに仕事終わりの杏里がやって来る

眞琴杏里

何してるの？

眞琴杏里

水着なんか着て

眞琴杏樹

あ、お母さん・・

眞琴杏里

なに？海でも行くの？

眞琴杏樹

実はね──

杏樹は杏里にに夏休み中に透と透の友人2人と2泊3日で伊豆の海に行く予定がある事

そのため、同級生である愛莉と絵里香に協力してもらいビキニを買いに行った事

全てを話した

眞琴杏里

へぇ〜・・海か〜・・

眞琴杏樹

行ってもいいよね？

眞琴杏里

うー・・・ん

眞琴杏樹

え？ダメなの？

眞琴杏樹

いいじゃん！

眞琴杏樹

鮎原さんと
一緒に行くんだよ？

眞琴杏里

そうだけど・・・

眞琴杏樹

お母さんだって
鮎原さんには何回か

眞琴杏樹

会った事あるじゃん

杏里は透が杏樹を自宅まで車で迎えに来た時などに多少の面識はあった

眞琴杏里

そりゃそうだけど

眞琴杏里

一緒に行く人の事は
全然知らないしなぁ・・

眞琴杏樹

えー！！！

眞琴杏樹

いいじゃん！
私だってもう19だよ？
子供じゃないんだから

眞琴杏樹

部屋だって
男女別なんだよ？

眞琴杏里

うー・・・ん

眞琴杏樹

ね？いいでしょ？

眞琴杏里

まぁ、鮎原さんが
一緒なら安心か

眞琴杏樹

え！？じゃあ──

眞琴杏里

うん！いいわよ！

眞琴杏樹

ホント！？

眞琴杏里

うん！楽しんできなさい

眞琴杏樹

やったぁー！！

眞琴杏樹

ありがとお母さん！！

眞琴杏里

そういえば海なんて
もう何年も
行ってなかったわね

眞琴杏樹

だから楽しみなの♫

そして時は瞬く間に過ぎていき杏樹と透は夏休みを迎えた

夏休み中も杏樹と透は伊豆旅行の日を心待ちにしながらバイトに明け暮れる日々を送った

そして

伊豆旅行当日

自宅前まで車で迎えに来た透に杏里が挨拶をする

眞琴杏里

鮎原さん！

鮎原透

あ、どうも
お久しぶりです

透は杏里に深々とお辞儀をする

眞琴杏里

わざわざ
すいませんね

鮎原透

いえ、とんでもないです

眞琴杏里

娘をよろしく
お願いしますね

杏里は透に頭を下げる

眞琴杏樹

もう！いいってば！

眞琴杏樹

そーゆー話は！

鮎原透

あははは

眞琴杏樹

鮎原さんも
笑わないで！

鮎原透

あ、ごめん！ごめん！

鮎原透

まぁ、宿泊する旅館も
男女で部屋分けてますから

鮎原透

安心してください

眞琴杏樹

じゃあお母さん！
行って来るね！

眞琴杏里

うん！行ってらっしゃい！

眞琴杏里

楽しんでくるのよ？

眞琴杏樹

はぁーい！

眞琴は透の車に乗り込み涼太、ひとみと待ち合わせしている長野駅まで急ぐ

長野駅

時期が夏休みという事もあり空港には人がごった返していた

眞琴杏樹

うわぁ〜・・・

眞琴杏樹

見渡す限り人・・

鮎原透

やっぱ夏休みだからな

眞琴杏樹

待ち合わせ
してるんですよね？

鮎原透

ああ、そのはず
なんだけどな・・

鮎原透

人が多過ぎて
分かんね・・・

眞琴杏樹

碧江さんとひとみさん

眞琴杏樹

何処にいるんですかね？

すると奥から涼太が大声で名前を呼びながら近づいてきた

碧江涼太

おーい！透！

碧江涼太

杏樹ちゃーん！

碧江涼太

こっちだ！こっち！

鮎原透

ああ、そこだったか

碧江涼太

てか人多過ぎ
だろ！まじで！

碧江涼太

人がゴミだよゴミ！

鮎原透

まぁ、仕方ねーよ
世間は夏休みだからな

鮎原透

まぁ、それは俺と
杏樹ちゃんもだけどな

眞琴杏樹

お、お久しぶりです

杏樹は涼太とひとみに会釈をする

柳ひとみ

久しぶり！杏樹ちゃん

柳ひとみ

元気だった？

眞琴杏樹

は、はい！
げ、元気でした

眞琴杏樹

お二人はどうです？

柳ひとみ

まぁ、私たちは
相変わらずって
感じかな？

柳ひとみ

まぁ、元気だったよ

眞琴杏樹

そ、それは
よかったです

碧江涼太

かたいな！杏樹ちゃん

碧江涼太

もっとリラックス
しようぜ！リラックス

鮎原透

無理言うなよ！

鮎原透

お前らと会うのなんざ

鮎原透

前に飯食いに行って
以来なんだからよ

柳ひとみ

そうよ！無茶
言わないの！

柳ひとみ

これから仲良く
なっていけば
いいんだから！

柳ひとみ

ね？杏樹ちゃん

眞琴杏樹

は、はい！

眞琴杏樹

私も・・みなさんと
仲良くなりたいです

柳ひとみ

わぁ！嬉しい事
言ってもらえた！

柳ひとみ

まぁ、そんなに
かしこまらずに

柳ひとみ

楽しみましょ！ね？

眞琴杏樹

はいっ！！

涼太は時刻表と現時刻をしきりに確認している

鮎原透

どうかしたか？

碧江涼太

いや、まだ
時間あるよな？

鮎原透

まぁ、あと30分は
余裕あるな

碧江涼太

ちょっと一服行かね？

鮎原透

ああ、そうだな！

2人はコソコソと喫煙所に向かおうとする

柳ひとみ

2人して何
コソコソしてんの？

碧江涼太

いや、アレだよアレ

柳ひとみ

アレって何よ

碧江涼太

だからアレだよ！
ガソリン入れて来る

眞琴杏樹

ガソリン？

眞琴杏樹

今からですか？

柳ひとみ

違うわ！杏樹ちゃん

眞琴杏樹

え？

柳ひとみ

どうせタバコよ

眞琴杏樹

ああ、タバコか・・

眞琴杏樹

碧江さんも
喫煙者なんですね

柳ひとみ

ヤニカスよ！ヤニカス！

碧江涼太

カスって言うなよ！

柳ひとみ

いいから
さっさと行ってこい！

碧江涼太

はい！分かりました！

鮎原透

悪いな杏樹ちゃん

鮎原透

1本だけ
吸って来るわ

眞琴杏樹

ふふふ

眞琴杏樹

ゆっくりいいですよ

眞琴杏樹

まだ時間ありますから

鮎原透

悪いな！

透と涼太は申し訳なさそうに腰を引くくしながら喫煙所に向かう

柳ひとみ

まったく
困ったもんよね

柳ひとみ

タバコ吸わない
私達からしたら

柳ひとみ

タバコを待ってる時間が
一番無駄な時間よね

眞琴杏樹

ふふふ、そうですね

柳ひとみ

よくもまぁ飽きずに
スパスパやるもんだわ

眞琴杏樹

鮎原さんも

眞琴杏樹

俺がタバコ吸うのは
脳が求めてるからだ！
っていつも言ってます

柳ひとみ

まだそれ言ってんの？

眞琴杏樹

昔からなんですか？

柳ひとみ

男って進歩ホント
しないわよね

柳ひとみ

ホント子供！

眞琴杏樹

ふふふ

柳ひとみ

でも杏樹ちゃん

柳ひとみ

笑顔が多くなったね

眞琴杏樹

そ、そうですか？

柳ひとみ

笑ってる方が
可愛いわよ

眞琴杏樹

あ、ありがとう
ございます///

柳ひとみ

照れてる顔も
また可愛い！

柳ひとみ

杏樹ちゃんみたいな
妹が欲しかったなぁ

眞琴杏樹

はは・・照れちゃいます

駅外の喫煙スペースで口から濁った煙を吐き出す透と涼太

鮎原透

ふぅー・・・

碧江涼太

ふぅー・・・

碧江涼太

てか最近
杏樹ちゃんとは
どうなんだ？

碧江涼太

うまく行ってんのか？

鮎原透

まぁ、現状維持
って感じだな・・

碧江涼太

かつてのヤリ○ン透が
現状維持ね・・・

鮎原透

うるせーな！

鮎原透

てかヤリ○ンは
お前もだろ？

碧江涼太

今はひとみとしか
してねーよ！

鮎原透

前から気に入って
たもんな！ひとみの事

碧江涼太

なんか相性が
いいんだよな

碧江涼太

ベストフィット！
って感じでさ！

碧江涼太

ホラ！やっぱ
一緒に暮らすうえで

碧江涼太

体の相性って
かなり大事じゃん？

鮎原透

まぁな・・・

碧江涼太

その点俺らの相性は
もうソウルメイト
レベルって感じでさ！

鮎原透

家でヤってんのか？

碧江涼太

いや、家でヤると
隣の部屋オヤジから

碧江涼太

うるせーぞ！
苦情が来るから

碧江涼太

ホテルでしか
してねーんだ

鮎原透

やっぱひとみの
喘ぎ声のせいか？

碧江涼太

ああ！うるせーんだ！

碧江涼太

爆音もいいとこだよ！

鮎原透

ふっ、相変わらずか

碧江涼太

でもそれがいいんだよ！

鮎原透

まぁ幸せそうなら
別にいいけどな

碧江涼太

あ！ひとみと
ヤりてーとか言っても
させねーからな？

鮎原透

はぁ！？

碧江涼太

今は俺の女だから！

碧江涼太

かつて穴兄弟だったとか
関係ねーからな？

鮎原透

言わねーよ！

鮎原透

そんな事しちまったら

鮎原透

杏樹ちゃんからの
信用まで０だぜ

碧江涼太

あーね！確かに
それは嫌だな

鮎原透

てかもうそろそろ
戻らねーとマズくね？

碧江涼太

え？まだ時間あるだろ？

鮎原透

杏樹ちゃんとひとみを
待たせてんだぞ？

碧江涼太

あ、確かに・・・

鮎原透

さっさと行くぞ！

碧江涼太

そ、そうだな

透と涼太は水が入った灰皿にタバコを投げ入れると

小走りで駅のホームへ戻る

そんな2人を物陰に潜み見つめる女

　

あいつらよ！

　

あいつらが乗る新幹線で
一緒に静岡に向かって

　

それからアイツらは
バスかタクシーかを使って
伊豆に向かうはずだから

　

アンタらもそれを追って
一緒に伊豆に向かって！

男A

金は？俺ら金なんて
1円も持ってねーぞ？

男A

どうやって伊豆に
向えって言うんだ？

　

それは心配いらない

　

この封筒に入ってる
前金から支払って
くれればいいから

女は男達に茶封筒を渡す

男B

うぉー！すげー！

男A

いくら入ってんだ？

　

30万

男A

さ、さんじゅうまん？

男B

すげー・・・

男C

てめーみたいな女が
なんでこんな大金
持ってんだ？

　

アンタらに関係ある？

　

別に盗んだお金
とかじゃないから

　

心配いらないわ

男A

まぁ、金がもらえりゃ
なんだっていいわ

男B

で、依頼が
この女──

男B

こいつを傷モノに
すりゃいいんだな？

　

そうよ・・・

　

名前は眞琴杏樹

男B

眞琴・・杏樹

　

もう無理矢理
犯してくれていいから

男A

くぅー！唆るね！

男A

こんな可愛い子を！

男A

想像しただけで
もうギンギンだわ！

　

私の前で気持ち悪い
話しないでくれる？

　

そういうヤツ
大っ嫌いなの！

女は物凄い形相で男達を睨む

男C

人を犯せとか
言う割に

男C

犯すやつは嫌いなのかよ

　

私の計画を実行するには

　

杏樹を傷モノに
する必要があるの

　

ただ・・それだけ

男C

計画？

　

アンタらには関係ない

　

アンタらはただ
私の依頼通りに

　

伊豆に向かって
その女を犯せばいい

男A

まぁ、金がもらえりゃ
なんだっていいわ

　

あと、証拠として
動画も撮影しておいて

　

その動画が確認
できたら追加でさらに

　

成功報酬で口座に20万を
振り込んであげるから

男A

女と好き放題ヤれて
おまけにさらに20万

男A

合計50万！くぅー！
至れり尽くせりだな

　

だから私の前で
そんな話をしないで
って言ったはずよ？

　

話聞いてなかったの？

男B

わかったよ！
落ち着けって！

男B

わかったから！

男C

なんでそんなにも
毛嫌いすんだ？

男C

過去に何かあったか？

　

それもさっき話したわ

　

アンタらには関係ない

男C

そればっかだな

　

まぁ、どうしても
知りたいって言うなら

　

その前金30万に
100万上乗せさて
私に返してくれるなら

　

教えてあげてもいいけど？

男A

100万！？さすがに
そりゃ高くねーか？

　

そう？人の過去を
根掘り葉掘り聞こうと
してるんだから

　

それくらいの金額が
妥当だと思うけど？

男C

まぁ、言いたくねーなら
別に言わなくていいわ

男A

まぁ、だな！

　

あ、あと！

男C

なんだ？

　

絶対に避妊はしてね？

　

絶対に孕ませないで

男B

え？犯すんだろ？

　

私は孕ませて
ほしい訳じゃないの

　

あくまでも犯して
傷モノにしてほしいだけ

　

まぁ、もし妊娠しても

　

その子供を俺が
責任持って育てる！

　

って覚悟があるな
生でしてもいいけど

男A

まぁ、そりゃ無理だな

　

だったら必ず
避妊はする事！

　

もし後から
避妊してない事が
私の耳に入ったら

　

違約金として100万
支払ってもらうから

　

いい？

男C

ああ、わかった

男C

約束するよ

　

あと、それから
今日から私への
電話連絡は

　

この携帯を使って

そういうと女は男達に１台の携帯電話を手渡す

男C

は？今時ガラケー？

　

それはプリペイド式の
携帯電話よ！

男B

プリカって事ね

　

まぁ、何かの
アクシデントが
起こった時に

　

互いに足がつかない
為の対策だと
思ってくれたらいいわ

男C

まぁ、プリカなら
通話会社に履歴が
残ることもねーからな

　

そういう事！

男A

用意周到なこって！

　

常に最悪の事態に
備えなければ
どんな完璧な計画も

　

水の泡に
なってしまうわ

男C

頭がキレる女だな

　

さぁ！話は以上よ

　

さぁ！もうすぐ
新幹線が来るはずだから

男C

ああ、行ってくるわ

男A

20万用意しててくれよ

男たちは駅の中に消えていった

　

・・・・・

駅のホームに透と涼太が音を立てずに静かに戻ってきた

柳ひとみ

やっと戻ってきた！

碧江涼太

わりぃ！わりぃ！

眞琴杏樹

本当に１本だけしか
吸ってないんですか？

鮎原透

・・・・・

鮎原透

２本吸ってきた

眞琴杏樹

鮎原さんの嘘つき

柳ひとみ

いいぞ！杏樹ちゃん！

柳ひとみ

もっと言ってやれ！

碧江涼太

あれ？なんか急に
仲良くなってね？

碧江涼太

ひとみと杏樹ちゃん

柳ひとみ

そりゃ、女の子同士だから

柳ひとみ

ね？杏樹ちゃん

眞琴杏樹

はい！女の子
同士ですから！

碧江涼太

ひとみだけ
ずりーよ！

碧江涼太

俺とも仲良くしてくれよ

柳ひとみ

だーめ！あんたは
杏樹ちゃんに悪影響！

碧江涼太

そりゃねーだろ！

眞琴杏樹

ふふふ

するとホームにアナウンスが鳴り響く

新幹線をご利用くださいまして誠にありがとうございます。

まもなく、13番ホームに北陸新幹線はくたかはくたか562号東京行が参ります

危ないですので安全柵の内側までおさがりください。

柳ひとみ

あ！もうすぐ来るよ！

眞琴杏樹

楽しみですね
鮎原さん

鮎原透

ああ！楽しみだな