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ピアニスタの追慕

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ピアニスタの追慕

2 - ピアニスタの追慕 2話

♥

154

2020年08月09日

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数分前

用務員

……ふう、終わった〜

用務員

あとはほうきとちりとりを片付ければオッケーっと♪

ほうきとちりとりを片付けようとしたそのとき、呼び止められた

あの!

振り返るとひとりの女子生徒が立っていた

用務員

(この子は──)

用務員

用務員

サキちゃん、だっけ?

サキ

覚えててくれたんですか!

目を輝かせる

用務員

(毎日のように話しかけてくればね…………)

用務員

なんかボクに用かな?

サキ

用っていうか

サキ

用務員さんとお話したくて──

用務員

お話?

サキ

サキ

“第三音楽室の人魚姫“の噂って、ご存知ですか?

用務員

──一応

“第三音楽室の人魚姫“

第三音楽室に夕方、ひとりでいると、“人魚姫“と呼ばれた女子高生の幽霊が現れて

美声を聴かせてくる

その美声に魅了されたものは、“あの世“へと連れて行かれてしまう……

サキ

“人魚姫“と呼ばれた女子高生の幽霊の正体──

サキ

知りたくないですか?

用務員

べつにいいデース

用務員

もう知ってるんで

サキ

え?

サキ

ウソ……

用務員

ウソじゃないよ

用務員

用務員

──里中操(さとなかみさお)

用務員

かつてこの学校の

用務員

声楽科に在籍していた子でしょ

用務員

(その“人魚姫“を捕らえるために、潜入してるんだから)

サキ

うぅ…………

サキ

そんなーー!!

用務員

サ、サキちゃん……?

サキ

それをネタに

サキ

名前と連絡先を聞き出そうと思ったのに〜〜〜〜!!

用務員

(それが狙いか)

チラッと自分の腕時計を見る

用務員

(そろそろ行かないとマズいな……)

用務員

(“人魚姫“があの子に手を出す前に────)

ガシッ

用務員

へ?

その場から離れようとした瞬間、腕を掴まれた

サキ

……一生のお願いです

サキ

用務員さんの名前と連絡先、教えてください!

用務員

いや、あのね……規定で連絡先の交換は、ダメなの…………

サキ

そこをなんとか……!

用務員

(目がイっちゃってるよ?!)

用務員

用務員

ダメだって……!

サキ

せめて名前だけでも!

用務員

(なんでこんなに腕の力が強いの!? この子……)

用務員

離してぇ〜!

サキ

教えてくれるまで、離しませんよ〜〜!

用務員

(誰が助けてー!)

慎哉

慎哉

……はぁ…………

慎哉

ぜんぜん集中ができない……

さっきの出来事が頭をよぎる

慎哉

(……“あの人“が誰としゃべろうが、僕には関係ないはずなのに…………)

慎哉

(なんか、もやっとする……)

慎哉

慎哉

気持ちを切り替えないと──

数十分後

ピアノを弾き終わっても、胸のもやもやは晴れなかった

パチパチ

慎哉

……!?

拍手がした方へ視線を向くと、同じ学校の制服を着た、同い年くらいの少女が立っていた

慎哉

(いつの間にいたんだ……?)

??

??

ごめんなさい

??

驚かせたかしら?

彼女はいたずらっぽい笑みを浮かべた

??

私、里中操

慎哉

(……里中操?)

慎哉

(聞いたことあるような……?)

あなたのピアノ、素晴らしかったわ

──阿左美慎哉くん

慎哉

……なんで、ぼくの名前を?

学校の有名人だもの

慎哉

(彼女は……いったい……?)

やっと、二人っきりになれて

嬉しいわ

ねぇ、私の“歌声“──聴いてくれる?

ピアニスタの追慕

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コメント

1

ユーザー

とても好きなタイプのお話です……! 外出前に読んでしまった自分が恨めしい 後程続きを拝読します!

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