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あのね
──あのね。
おはよう。
いい天気だね。
あなたの心も晴れそうな
適温の朝だね。
──あのね。
大変だね。
てんやわんやなお友達。
きっとあなたは苦労しているのだろうね。
でも、楽し「そう」だね。
──あのね。
なぜか、寂しいね。
最近、名前を呼んでくれないね。
どうしたんだろうね。
皆笑っているのにね。
──あのね。
あまり、見ない方がいいと思うよ。
辛いよね。
可笑しいね。
楽しいはずなのにね。
──あのね。
──あのね。
怖いよね。
怖いんでしょう。
─「私」、怖いんでしょう。
忘れられることが。
省かれることが。
怖いんでしょう。
だから「私」を隠すんでしょう。
──あのね。
客観的に見たかったの。
「私」を「あなた」として見たかったの。
それじゃないと
それじゃないと
きっと、重さで潰れてしまうから。
大丈夫、大丈夫。
あなたは強いから。
だから、どうか
個性を、潰さないで。
壊れた物は、直せないから。
「あなた」としての人生は
1度しかないから。
「いつか」なんて
無責任なことは言わないから。
──あのね。
愛してね、「あなた」の個性。