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斥候兵
チーム等ではない。 反旗を翻した者など、ごく僅かだ。
フラクタルな構造はそのままに、 細分化した組織形態を見れば
いかに愚かな当主か、 具に見て取れる。
無線機から流れるノイズの奥から、 微かに聞こえるのは 戦友である者たちの叫び声。
大きな破裂音と、 火薬によってピストン運動を繰り返す、 金属達の大団円
硝煙の匂いすら伝わりそうな音達は、 私の闘争心を消沈させた。
斥候兵
私は空を見上げる。 月が照らす夜空の中で、 月の光さえ霞ませる、
煌びやかで、そして重い。 七色に光る夜景が、 そのまま空を飛んでいるような。
空一面を覆い隠さんとする大きな球体は 我々に退転と言う言葉を捨てさせた。
斥候兵
夜空に浮かぶその球体の、
表面を這うミミズのような駆動装置。 推力を地表に向けた火柱。
表面から次々と現れる、 羽虫の如き球体のミニチュア。
それら全てに嫌気がさした。
私は折れた心に鞭を打つ。
斥候兵
月はゆっくりと雲に隠れていく。