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荒れ果てた生まれ育った村。 周囲に転がるのは無数の真っ赤な死体。
「な、なんじゃ…? 何故こんな事に?」
自身を拘束するために締められた首と 手首足首の縄。 焼印を押された背中。 腹部に刺された痕。 その他痛めつけられて傷だらけの身体。
痛い。苦しい。 血が止まりそう。 身体中血塗れだ。 いや、これは自分の血だけじゃない。
「まさか…また?」
裏切り者として処刑されかけた16の時の悟郎の身体には村人である同僚を惨殺した返り血も混ざっていた。
「我の…所為?いや…違う!我ではない!」
膝から崩れ落ち頭を握るように押さえた。涙をボロボロ流しパニックで目の前が真っ白になる。
「悟郎!」
誰かの呼ぶ声で視界が戻った。 向こうから少女が駆け寄ってくる。
「凜々愛…殿?」
「……ーっ!!」
周囲の地獄絵図と悟郎の痛々しい姿に言葉を失う17の少女凜々愛。
「ち、違う…!我ではない!我はやっとらん!!」
「……わかってる。 わかってる。」
膝を付き、上裸でボロボロで傷だらけの哀れな少年悟郎を優しく抱きしめて頭を撫でる少女凜々愛。
「……知ってる。悟郎はこんな事、絶対しない」
「……聞いて、悟郎。おじ様が言ってた。悟郎は………」
顔を合わせ、頬に垂れる大粒の涙を拭って話しかける。
「……ーーーーだって。」
〜暴力団 本拠地〜
神楽 凜々愛
勢いよく開かれたドアの前に立っているのは”IBUKI”の殺し屋、狼石悟郎だった。
百峰 桃音
目を丸くする桃音の視線の先には彼の両手に握られた二刀流の黒く変わった形の歯をした大きな刀。
桜木 壱茶
暴力団 ボス
暴力団 残党
1人の残党が口を開き、 その他もざわめく。
暴力団 残党
”狼男”…… 異名となった悟郎がこの世界(裏社会)で呼ばれているあだ名だ。
狼石 悟郎
悟郎は下駄の音を鳴らしながらこちらへ歩く。
狼石 悟郎
百峰 桃音
狼石 悟郎
悟郎は凜々愛の右肩の傷の存在に気づいた。完全ではないが一応流血は止まっている。
狼石 悟郎
悟郎は強ばった表情をして敵陣を睨む。
暴力団 残党
神楽 凜々愛
凜々愛は悟郎を落ち着かせるように言った。
狼石 悟郎
その一言だけでスンと落ち着いた。
桜木 壱茶
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音さんご名答。 幼馴染みの恋ってやつです。
暴力団 ボス
狼石 悟郎
百峰 桃音
桃音は心の中でつっこんだ。なんならガラの悪いヤンキーとかヤクザと言ってもいいかもしれない。いや1歩間違えればそうかもしれない。
狼石 悟郎
悟郎は刀を構えながら言った。
暴力団 ボス
暴力団 ボス
残党達が一斉に悟郎に襲いかかる…が、
ズバズバッ!!
まずは2人。悟郎は2人の残党を難なく真っ二つに斬り捨てた。
狼石 悟郎
暴力団 ボス
暴力団 残党
暴力団 残党
その他の残党が怯え始める。
狼石 悟郎
暴力団 残党
1人の残党がヤケクソになって鈍器を振りかざす。
桜木 壱茶
壱茶は桃音と凜々愛の盾になるように前に立っていた。巻き添えを喰らわないよう十分な距離を置いていても、目以外の四感が鋭い壱茶にはその戦いの凄まじさが伝わった。
百峰 桃音
百峰 桃音
ふと凜々愛の方を見ると、彼女はベストを脱ぎ、シャツのボタンを全て開け傷口の部分をはだけさせていた。しかも…
「……っぐ! うあああっ!!」
自分の刀を傷口に刺すように当てていた。凜々愛の手元にはライターがあった。この火で刀の先を炙り熱で止血しているつもりだ。
百峰 桃音
百峰 桃音
桜木 壱茶
百峰 桃音
同じ方向を向きながら言う壱茶に目を逸らして言う。
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛は半泣きで止血した傷口を押さえながら言った。
百峰 桃音
百峰 桃音
桜木 壱茶
桃音ははだけた凜々愛の服を直しながら言った。壱茶はニヤニヤしながら顔を赤らめていた。
神楽 凜々愛
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
桜木 壱茶
百峰 桃音
ズバァァ!
気がつくと悟郎の周囲には全ての残党が真っ二つになって床に倒れていた。先程斬られた敵に関しては縦に真っ二つだ。
百峰 桃音
桜木 壱茶
狼石 悟郎
返り血を浴びた顔で真っ赤に染まった刀をボスに向ける。
暴力団 ボス
狼石 悟郎
悟郎さん今しれっと本音言いましたね?
暴力団 ボス
暴力団 ボス
突然高笑いする暴力団のボス。
狼石 悟郎
暴力団 ボス
狼石 悟郎
桃音・壱茶 ((23歳!?))
暴力団 ボス
神楽 凜々愛
悟郎の実年齢に驚く桃音と壱茶。 凜々愛は心の中でつっこむ。暴力団のボスに関してはノーコメントだ。
暴力団 ボス
ジャキッ
暴力団のボスは二刀流の斧を取り出し構えた。
暴力団 ボス
キィン!
狼石 悟郎
男は鉈を振りかざし悟郎は咄嗟に刀で防御する。
キィンキィンキィン キィンキィンキィンキィンキィンキィン!!!!!
狼石 悟郎
暴力団 ボス
刃がぶつかり合う金属音が鳴り響く。 二刀流同士の隙を与えない目にも留まらぬ一騎打ちが桃音達の目の前でくり広がれる。
桜木 壱茶
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
桃音と壱茶が目を丸めている中、凜々愛は悟郎の心配をしていた。
シュッ! シュッ!
狼石 悟郎
悟郎の頬と胴体が掠り血が流れる。 そして口元の包帯が切れる。
狼石 悟郎
神楽 凜々愛
悟郎は解けそうになった包帯を反射的に押さえる。
暴力団 ボス
狼石 悟郎
しばらく男の攻撃を避けながら切れた端を内側に押し込む。何かその口元の包帯に事情でもあるのだろうか、焦った表情をしている。
百峰 桃音
悟郎の口元の包帯を初めに、桃音はふと違和感を感じた。
そういえば悟郎…なんで”狼男”っていうあだ名なんや?
この世界(裏社会)では各々の特徴を元に周囲から勝手にあだ名を付けられるのが当たり前や。
例えば凜々愛の”人斬り人形”だったら人形のように表情を変えず人を斬る。康一の”爆弾軍曹”だったら爆弾使いの元軍曹。麗の”ボツリヌスの魔女”は毒の名前からきてる。
なら悟郎の場合は?狼のような鋭い爪を思い浮かばせる武器で無ければ、そんな獣のような体格には見えない。ていうかその体格でどっからそんなデカい刀振り回す力出てるんや?
そもそも「みだいし ごろう」の漢字で1発で「みだ」で「狼」という漢字が出てくるわけがない。一般的にこのような読み方はしないはず。ついでに学校の教科書にも載ってへんかった。
なんかおかしい…。生まれも育ちも裏社会だと言うウチがこの違和感を感じないわけが無い。
凜々愛の幼なじみの悟郎…… あんた一体…何者なん?
ダァァン!
百峰 桃音
考え事をしていた桃音は何か大きな音で現実に戻った。
桜木 壱茶
壱茶は耳と頭を押さえながら掠れた声で言った。確かに先程の轟音は耳が人一倍敏感な彼にとっては毒に等しいようなものだ。
百峰 桃音
桃音はふと悟郎の方を見ると悟郎の二刀の大きく鋭い刃がコンクリートの床に食いこんでいた。
悟郎が上から刀を振り落とすような攻撃をして、それを男に避けられ地面に食いこんだのだ。
暴力団 ボス
狼石 悟郎
狼石 悟郎
悟郎は片方の刀を地面から抜き男の方へ向けながら言った。
暴力団 ボス
ジャラァ!
狼石 悟郎
男は背中に隠し持っていた壱茶の何本かの分銅鎖の束を一気に振りだした。
桜木 壱茶
ガンッ!
鎖の先に付いている重りが悟郎の体の側面を殴ろうとするが当たる直前に二刀の刀で衝撃を押さえた。
狼石 悟郎
ダァン!
しかしその衝撃には耐えられず、悟郎はぶっ飛ばされてしまう。
暴力団 ボス
悟郎に向かって棒状の手榴弾を投げた。
狼石 悟郎
その手榴弾は悟郎の目の前で…
ドカーン!
爆発した。
「ぎゃああああ!!!」
爆発の火と煙の奥から悟郎の悲鳴が聞こえた。そしてプツンと切れるように悟郎の声がしなくなった。
神楽 凜々愛
凜々愛が叫んだ。無口でおっとりした口調の彼女が珍しく声を張らせた。
百峰 桃音
桃音は何かに気づき言葉を失った。
百峰 桃音
桃音は青ざめた表情で凜々愛の袖を掴んで指をさした。
神楽 凜々愛
濃い煙の下の床に付いた血だった。量も多い。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
凜々愛は叫ぶが彼の返事が全くしない。あんな至近距離の手榴弾を避けられるわけが無い。まさか…そんなの絶対に信じたくないが………死…?
コッ…コッ…
壱茶は衝動を押さえながら耳を澄まして靴音を鳴らした。
桜木 壱茶
桜木 壱茶
壱茶は凜々愛の肩にポンっと手を当てた。
桜木 壱茶
神楽 凜々愛
百峰 桃音
桜木 壱茶
百峰 桃音
桜木 壱茶
壱茶はエコロケーションで物の距離や体積、密度を把握することができる。しかし彼は全盲の故、色や文字はもちろん相手の表情は流石に分からないのだ。だからこの曖昧な答えだ。
神楽 凜々愛
暴力団 ボス
暴力団 ボス
男は鎖の束を引きずりながらこちらへ歩いてくる。
桜木 壱茶
暴力団 ボス
壱茶の分銅鎖の束を持ち上げて言った。
暴力団 ボス
バン!
銃声が鳴り響いた。
百峰 桃音
桃音が少し離れた所に落ちていた自分の銃を拾い、そこから威嚇射撃をしたのだ。
暴力団 ボス
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛は立ち上がり口を開いた。 手には自分の日本刀を握っていた。
百峰 桃音
※桃音は12歳から殺し屋※
暴力団 ボス
神楽 凜々愛
百峰 桃音
※桃音は25歳※
神楽 凜々愛
凜々愛は男を睨みつけ刀を向けて言った。いつもの人を殺す時の変わらぬ無表情とはうって違って、目の前の獲物を狙う肉食動物のような目つきだ。おっとりした凜々愛では想像しにくいだろうが、その殺意はまさにそのものだった。
暴力団 ボス
暴力団 ボス
男は鎖を構えながら叫んだ。
桜木 壱茶
男と凜々愛は駆け出す。
(((ザワァ…!)))
桜木 壱茶
桜木 壱茶
ブォンッ!
百峰 桃音
神楽 凜々愛
暴力団 ボス
何かの気配に気付いた壱茶の叫びに答えるように、霧のように覆い尽くした煙の中から悟郎の黒い刀が回転しながら凜々愛と男の間を横切って飛んできた。
ザシュッ
ボトッ
暴力団 ボス
黒い刀は男の指を斬り落とし、回転しながらブーメランのように煙の中に戻った。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
悟郎は棒状の手榴弾を喰らうが、なんとか後退りで直撃を免れたのだ。しかし飛び散った破片の当たり所が悪く、目の前が真っ暗になり気絶した。
……
気絶したのか?
おい!天然野郎!!
…………………………
チッ…こいつぁ駄目だな
仕方ねぇ、俺が行くか
全く世話のかかる野郎だぜ
「ったく…誰だこんな派手にやりやがった奴は?」
百峰 桃音
煙の中から下駄の音と共に悟郎の声が聞こえる。
・・・いや、悟郎にしては低い声で口調も違う?
桜木 壱茶
煙の中から人影が見えた。悟郎なのか? やっぱり生きていたのか!
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音は途中で言葉を失った。 煙の中から悟郎が刀を引きずりながら出てきた…が、
「はっははは!やっと俺の出番か!待ちくたびれぜ!」
百峰 桃音
百峰 桃音
大きく見開いにグレーの結膜をした目の下に限。爆弾を食らったボサボサの髪の隙間から血を流している。口元の包帯が解けた素顔は血管がビキビキと浮かんでいた。そして何より……
「テメェか?天然野郎の対戦相手は?」
この荒い口調。普段は老人口調で一人称は「我」二人称は「お主」だというのに、「俺」や「テメェ」と言っている。
まるで別人だ。
暴力団 ボス
斬られた指を押さえながら言う。
「あの天然野郎が死ぬと俺も消えちまうんだよ」
百峰 桃音
変貌した悟郎を受け入れられない桃音。壱茶に関してはずっと黙っている。しかし凜々愛だけは…どちらかと言うと安心している?
暴力団 ボス
「ほーう!威勢がいいなぁ!テメェの斬り心地を試させてもらおうか!!」
雰囲気が変わった悟郎は刀を振り上げ男に飛びかかった。
暴力団 ボス
キン…ッ
男は咄嗟に壱茶の鎖で防御する…が
ドガァンッ!!
受け止められず鎖ごと床に食い込んでしまった。
暴力団 ボス
「オラオラ!!どうした!?こんな程度かぁ!?もっと俺を楽しませろやゴラァ!!」
暴力団 ボス
男は片腕で自分の斧で激しい攻撃を辛うじて防ぎ続けた。
暴力団 ボス
ジャキッ
男は部下の死体のそばに落ちていた機関銃を拾い、悟郎に向けた。
暴力団 ボス
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!
乱射した…が、
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンッ!!
悟郎は大きな黒い刃で盾のように持ち替え、全ての弾丸を弾いた。
百峰 桃音
暴力団 ボス
男は弾き飛ばされた弾丸に数箇所掠り、呆然とした。
ザシュッ!
ブシャー!
暴力団 ボス
気が付くと男の機関銃を持っていた腕が斬り落とされ血を吹き出していた。
「はっはははは!!このまま微塵切りにしてらるぜ!!」
悟郎は男に飛びかかり…
暴力団 ボス
ズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバッ!!
カンッ…
終いに下駄の音を鳴らして着地した。
ボトボトボトッ
悟郎を恨みに満ちた表情で睨みつけた男は全身バラバラに刻まれ崩れ落ちた。
百峰 桃音
桃音は言葉を失っていた
神楽 凜々愛
「あ”ーっ、アイツ何やったらこんなボロボロになんだよ」
悟郎は頭を掻きながら言った。
ていうかさっきからずっと思ってたけど本当に悟郎なのか???
「んでよぉ…」
百峰 桃音
悟郎はこちらを振り向いて言った。下駄の音を鳴らしながら無言でこちらへ向かってくる。
桜木 壱茶
壱茶は白杖で悟郎の左胸辺りを突いて言った。警戒心MAXだ。
「あ”ぁ?なんだテメェ?」
百峰 桃音
桜木 壱茶
「ん?テメェ…目ぇ見えねぇのか?ふん、まぁ否定は出来ねぇな。」
悟郎は自分を突きつける白杖を見ながら言った。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
「俺は”アイツ”であってアイツ”じゃねぇよ”」
桜木 壱茶
影城 不死夜
ここは(廃)”漆門地下闇病院”。今は不死夜が住み込みで使っているらしい。
つい最近、主に暗黒街の事件や犯罪者を取り締まる”国家保安局 暗黒街課”にバレてそこで働いていた闇医者は全員逮捕されて、今に廃院となった闇病院だ。
百峰 桃音
桃音達は任務後に凜々愛と悟郎の怪我の処置のために、現場から”IBUKI”本部より近いこの闇病院に来たのだ。
神楽 凜々愛
そう、悟郎は二重人格者だったのだ。
影城 不死夜
不死夜は悟郎… いや、悟郎の裏人格に尋ねた。
百峰 桃音
影城 不死夜
「俺かぁ?俺ゃ”狼石悟郎”って男の裏人格だから名前なんてねぇよ」
裏ゴロー
百峰 桃音
裏ゴロー
百峰 桃音
桜木 壱茶
壱茶は頭を掻きながら言った。
百峰 桃音
数十分前…
キィンキィンキィンキィンキィン!!
ドガッドガッドガッドガッドガッ!!
神楽 凜々愛
凜々愛が止めるように言うが彼らは全く聞く耳を持たない。
なんでこうなってしまったのか…壱茶と裏ゴローが一騎討ちをしているのだ。
百峰 桃音
そうだ。壱茶がまるで人が変わったような悟郎を敵と勘違いをしてこの熱戦だ。そして対戦相手は戦闘狂の故、話もロクにせず戦いを大いに楽しんでいる。
桜木 壱茶
裏ゴロー
壱茶は問うが、裏ゴローは聞く耳を持たず興奮するばかりだ。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
百峰 桃音
凜々愛は声を張らせて言った。 え、二重人格??今、二重人格って言った凜々愛さん???
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
百峰 桃音
桃音は悟郎の異名に納得し、凜々愛は必死になって壱茶に伝えようとした。普段無口で喋ることも少なく、おっとりとした口調で話す彼女にしては珍しい。
百峰 桃音
百峰 桃音
神楽 凜々愛
凜々愛が再び止めようとする。
桜木 壱茶
裏ゴロー
しかし一騎打ちは止まらない。裏ゴローに関しては戦闘狂さが増している。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
とうとう桃音と凜々愛は呆れ返ってしまった。
百峰 桃音
ため息をつきながら桃音は太もものガンホルスターから二丁の銃を取り出し裏ゴローと壱茶に向けた。
神楽 凜々愛
百峰 桃音
神楽 凜々愛
バンッバンッ! バンッバンッ!
凜々愛が止めようとしたが遅かった。
桜木 壱茶
裏ゴロー
カランカランッ!
ジャラッ!
両者の武器が手元から離れ床に落ちた。桃音が二刀流の刀と分銅鎖の持ち手を撃ったのだ。
桜木 壱茶
裏ゴロー
2人とも痺れる手を押さえる。特に壱茶は目以外の感覚は非常に鋭いため、彼にとっての衝撃は大きかった。裏ゴローはこちらを睨みつけた。
百峰 桃音
神楽 凜々愛
お怒りのお2人さん。桃音の勢いと凜々愛の物静かな圧力に裏ゴローと壱茶は言い返すことも出来ない。
桜木 壱茶
裏ゴロー
百峰 桃音
切り替えるように桃音は問う。
桜木 壱茶
初耳の様子だった。やっぱり聞いてなかったのかよ。
裏ゴロー
百峰 桃音
桃音が叫ぶようにつっこむ。
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
百峰 桃音
影城 不死夜
そして現在に戻る。
裏ゴロー
裏ゴローは親指で壱茶を指しながら言った。
百峰 桃音
百峰 桃音
神楽 凜々愛
影城 不死夜
桜木 壱茶
ヘラヘラした表情で不死夜に言った。この2人は既に知り合いだ。
壱茶は以前、死にかけていたところを不死夜に救けられたらしい。そしてそれっきり命の恩人である不死夜のことを「先生」と呼んでいる。 当時不死夜は手術中、壱茶の目が再起不能になったことを確信し、エコロケーションを使えるように彼の耳を勝手に改造手術したと聞いた。
影城 不死夜
百峰 桃音
影城 不死夜
百峰 桃音
影城 不死夜
影城 不死夜
不死夜は優しく微笑んで返答した。
桜木 壱茶
百峰 桃音
〜この前〜
かつて会議室として使われていた部屋。 ゲームはテレビに繋げてます。
核山 康一
テッテッテッテレッテレッテッテ♪ テッテッテッテレッテレッテッテ♪
琉芭 大輝
▶︎ル○ージ(康一)、スーパースター獲得たのでマ○オ(大輝)の方へ向かう。
テッテッテッテレッテレッテッテ♪ テッテッテッテレッテレッテッテ♪
琉芭 大輝
琉芭 大輝
▶︎マ○オ(大輝)はダメージを受けた。
核山 康一
琉芭 大輝
狼石 悟郎
影城 不死夜
狼石 悟郎
狼石 悟郎
▶︎ピ○キオ(悟郎)、崖から転落。
桜木 壱茶
▶︎壱茶、悟郎が差し入れで持ってきた柿ピーを頬張る。
琉芭 大輝
核山 康一
影城 不死夜
桜木 壱茶
核山 康一
影城 不死夜
狼石 悟郎
桜木 壱茶
百峰 桃音
影城 不死夜
不死夜は裏ゴローの傷に包帯を巻きながら言った。そうだ、もう1つ気になることがあった。
裏ゴロー
百峰 桃音
裏ゴロー
裏ゴローは桃音の方を見た。当の本人は別に怒ってるわけでも無ければ睨んでるわけでも無い。ただ表人格の悟郎の優しそうな目とは違って”彼”は目付きが悪い。ヤンキーがオラついてる時のような目付きをしてきた。
百峰 桃音
百峰 桃音
裏ゴロー
そう。裏ゴローが篭手を取り外し羽織を脱ぎ、上裸になった瞬間からずっと気になっていた。
彼の両方の肩と二の腕が繋がるように蔓が巻きついたような刺青が彫られていた。
裏ゴロー
アイツ=悟郎(主人格) 神楽=凜々愛
百峰 桃音
神楽 凜々愛
桃音は凜々愛の方を向いた。 ていうか、なんかここへ来てからずっと顔が死んでいるこの子…
神楽 凜々愛
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
ここで説明しよう。 山吹村とは…… 東京都某町、通称「暗黒街」から少し離れた山を1つ越えた田舎にある村。村人全員が殺し屋で村自体が暗殺組織だ。この村は都市伝説として扱われ、存在自体は表社会には知られていない。 噂では既に滅び、政府がこの事を隠蔽しているとかなんとか……
神楽 凜々愛
桜木 壱茶
神楽 凜々愛
百峰 桃音
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛は揃えていた手をぎゅっと握りしめて言った。
百峰 桃音
凜々愛の言うその過去の話は血の気が引いた。まだ10歳でこんな大きな刺青を無理やり押さえつけられて彫られたなんて恐怖の塊だ。
神楽 凜々愛
神楽 凜々愛
凜々愛の顔は青ざめた。息が詰まりそうな空間になった。裏ゴローはなるほどと納得した表情をしているが、桃音と壱茶は何か凜々愛にかける言葉を考える。不死夜はただ静かに聞いている。
すると凜々愛は立ち上がった。
神楽 凜々愛
そう言いながら、座っている悟郎をそっと優しく抱きしめて頭を撫でた。
裏ゴロー
いや間違えた、前言撤回。 それ裏ゴローだった。悟郎じゃない。そしてなんとも言えん表情をしている。
裏ゴロー
裏ゴローはそう呟き、目を閉じ口元の包帯を付けた。
狼石 悟郎
主人格である悟郎に戻った。
狼石 悟郎
知らぬ間に好きな人に抱きしめられていることに驚き思わず飛び跳ねた。
ズキッ!
狼石 悟郎
影城 不死夜
飛び跳ねる悟郎を押さえて言う。
桜木 壱茶
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音にはまだ疑問があった。悟郎の体には刺青以外にもまだある。背中にバツ印の焼印、両手首には縄で絞められた痕があった。見た感じ多分過去になんかあったのだろうか……
百峰 桃音
狼石 悟郎
人格が変わると共に記憶喪失にでもなったような振る舞いをする。
百峰 桃音
狼石 悟郎
桜木 壱茶
影城 不死夜
百峰 桃音
百峰 桃音
桃音が悟郎に問う。
狼石 悟郎
桜木 壱茶
影城 不死夜
桜木 壱茶
百峰 桃音
神楽 凜々愛
百峰 桃音
影城 不死夜
不死夜は最後の悟郎の傷口に包帯を巻きながら言った。
そして悟郎は凜々愛と患者椅子の席を入れ替わった。