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委員長
え…
委員長
な、何、それ…？
委員長
イジメ、潜入捜査官…？
美菜（ミナト）
もちろん、公的なものじゃないよ
美菜（ミナト）
過去にイジメの被害を受けた人やその関係者が集まって
美菜（ミナト）
私的に作られた機関…
美菜（ミナト）
これ以上被害者を出さないために
美菜（ミナト）
私たちは活動しているの
委員長
…冗談、でしょ？
美菜（ミナト）
冗談だと思うならそう思ったらいい
美菜（ミナト）
でも私たちは
美菜（ミナト）
どんな事をしてでもイジメの真相を突き止めるから
委員長
…で、でも
委員長
宮見さんはもう死んでしまったんだから
委員長
今更、イジメがあったかを調査するだなんて…
美菜（ミナト）
死んだらそれで終わり？
美菜（ミナト）
そうじゃないよ
美菜（ミナト）
死んだ人間にだって、名誉がある
美菜（ミナト）
イジメで苦しんで死んだのなら、その事実は公表されるべきだし
美菜（ミナト）
彼女を死に追いやった人物は罪を償わなければいけない
美菜（ミナト）
人を間接的に殺しておいて
美菜（ミナト）
その事実を隠して…
美菜（ミナト）
イジメた人物はのうのうと生きていられるなんて
美菜（ミナト）
そんな世の中はおかしいと思わない？
委員長
…………
美菜（ミナト）
ねぇ、イジメはあったんだよね？
委員長
…………
委員長
でも…
委員長
私も口止めされてるから…
委員長
ごめん、言えない
美菜（ミナト）
口止めされるような事を知ってるって事だよね？
委員長
…………
委員長
私だって、話したいよ…
委員長
でも、話したら…
委員長
話したら、次は私がイジメの標的にされちゃう…
美菜（ミナト）
そんな事はさせない
委員長
…………
美菜（ミナト）
イジメの連鎖は必ず終わらせる
美菜（ミナト）
私たちの機関は、表立っては活動していないけれど
美菜（ミナト）
イジメを許さない協賛者はとても多いの
美菜（ミナト）
イジメをした人間は、必ず制裁される
美菜（ミナト）
…もう二度と、人をイジメたくなんてならないようにね
委員長
…制裁って、どんな？
美菜（ミナト）
もちろん、人の心を踏みにじった事を心底後悔させるような事だよ
美菜（ミナト）
そして、二度とイジメをする事がないようにその後も機関に監視される
委員長
…………
美菜（ミナト）
ねぇ、首謀者ってさ
美菜（ミナト）
…もしかして、私によく話しかけてきた女の子たち？
美菜（ミナト）
私は、あの2人に目をつけてるんだけど
委員長
…私が話したこと、言わないでいてくれる？
美菜（ミナト）
制裁されるのは首謀者だけだよ
委員長
…そ、そう
委員長
首謀者は、ユキとマキ…
委員長
あの2人が、やったんだ…
委員長
宮見さんを、追いつめたのはあの2人…
委員長
…ユキとマキは派手だから
委員長
自分たちより目立つ存在が許せないの…
美菜（ミナト）
…そう
美菜（ミナト）
そこまで聞ければ充分
美菜（ミナト）
ありがとう
近所の住民
ちーちゃんはねぇ…
近所の住民
優しい、いい子だったよ
近所の住民
小さい頃はね、きちんと挨拶もして
近所の住民
どうして、あんな早くに亡くなっちゃったんだか…
美菜（ミナト）
小さい頃は…？
近所の住民
ここ最近は、こちらが声をかけても
近所の住民
ぼーっとして、返事もなかったねぇ…
美菜（ミナト）
…智里さんのご家族については、どうですか？
近所の住民
あの家の人は、あんまり良い噂は聞かないよ
近所の住民
母親なんか、ロクに姿も見やしない
美菜（ミナト）
…今日も、家に帰っていないみたいですね
近所の住民
娘が亡くなったからおかしくなったワケじゃないよ
近所の住民
あの人は昔っから、遊び歩いているのさ
近所の住民
父親が単身赴任なのをいいことにね
近所の住民
…そうだ
近所の住民
昔のちーちゃんの写真があるよ
近所の住民
うちの孫と、小学校は同じだったからねぇ
近所の住民
見て行くかい？
美菜（ミナト）
（やっぱりそうだ）
美菜（ミナト）
（小さい頃からひどく痩せている…）
美菜（ミナト）
…おばあちゃん、この写真借りてもいい？
近所の住民
ああ、もちろん
美菜（ミナト）
（親が娘に関心がなかったとすれば…）
美菜（ミナト）
（家に侵入してみる価値はあるかもしれない）
ボス
ミナト、今大丈夫か？
美菜（ミナト）
はい
ボス
頼まれていたアカウントのハッキングが完了した
ボス
今、そちらにデータを送信する
美菜（ミナト）
ありがとうございます
ボス
しかし…
ボス
よく、首謀者が分かったな
ボス
鍵開けも、いつの間に覚えた？
美菜（ミナト）
鍵の開け方は、機関の仲間に教わりました
ボス
下手にやれば自分が捕まる事は分かっているな？
美菜（ミナト）
分かっています
美菜（ミナト）
もし失敗した時には、然るべき罰も受ける覚悟です
ボス
私たちは決して正義の集団ではない
ボス
あくまで目的は「イジメを明らかにし制裁を受けさせること」
ボス
そのためなら手段は選ばない
ボス
もし解決したとしても…
ボス
自分がヒーローになったとは思うな
美菜（ミナト）
もちろん、自分が偉い事をしているとは思いません
美菜（ミナト）
…………
美菜（ミナト）
ただ…私も必死なんです
美菜（ミナト）
もう二度と、イジメで誰かを亡くしたくないから…
ボス
…そうだな
ボス
ミナト、優秀な捜査官になれよ
美菜（ミナト）
そのつもりです
美菜（ミナト）
（…よし）
美菜（ミナト）
（信用できる証拠は揃ってきた）
美菜（ミナト）
（これで後は、告発の準備を…）
ドンッ！！
美菜（ミナト）
え…
美菜（ミナト）
（押された…！？）
美菜（ミナト）
（落ちる！！）
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