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世界終末時計という物がある
この時計は人類の絶滅までの残り時間を表す物だ
しかし
この時計は人の作り物である
故に
時計の針を巻き戻すこともできる
この時計の話をなぜしたか
その理由は簡単だ
終末を予言する本物の時計が現れたからだ
2021年
俺はニュースの内容に驚きを隠せないでいた
そのニュースの内容とは
終末時計が現れたというもの
これだけならまだ嘘に聞こえる かもしれないが
テレビの画面には
嘘だとは思えない程に禍々しい時計と
シルクハットを被っている 何かが宙に浮いている映像が流れている
それを見て俺は慌てて外へ飛び出した
実際に外にでて 空を見る
確かに時計が
今も着々と0時に向かう時計が見える
大和
嘘だと言って欲しい
信じたくないが
あの時計を見た瞬間に分かる
あの時計は終末なのだと
終わりを告げる時計なのだと
そうした絶望感と虚無感を ごちゃ混ぜにしたような感じで
俺はボーッと時計を見つめる
時計は無情に針を進める
その状態で30分程たっただろうか
シルクハットを被った何かが 突然空中に姿を現す
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
その言葉を発して奴は消えた
大和
あと3時間で終了?
夢も何も叶えていないのに?
親孝行もできていないのに?
何もできないまま終わる?
俺がそうしている間にも
時計は進む
進む
そこからは地獄だった
いつも優しい隣人は狂ったように泣き
幼馴染みは俺に憎悪をむけ
父親は音信不通で
母親は俺に電話で「サヨウナラ」と言ってきた
今まで学校に通う時に使ってた通学路には 人の死体があちらこちらにある
法は機能しない
人の言葉なんて意味がなくて
いつもひた隠しにしている本性が
でてきたのだろう
善人はすぐに死に
悪人はその後死に
2時間ぐらい経っただろうか 周りを見渡すと
死体、死体、死体、死体、死体、死体、死体 死体、死体、死体、死体、死体、死体、死体
沢山の死体で一杯だ
終末より先に死んだ人で
終末に堪えきれなかった人々の死体で埋め尽くす
生きている人は俺以外にいるのだろうか?
そんなことを考えていると
どうしようもない不安に刈られ
死にたくなる
そんなことを考えていると
ゴ ┃ ン
時計の音
終末の音
死の音
終末がくる
俺は不安の重圧により
首を掻っ切って死んだ
時計の音が鳴り終わり
シルクハットの何か
数分ほど経ったが
何も起きない
シルクハットの何か
何かは問いかける
しかし
その言葉に返事はこない
シルクハットの何か
そう何かは呟き
言葉を続ける
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
シルクハットの何か
そう言って何かは笑う
嗤う
下には
沢山の死体と
穏やかな風が吹いていた