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翌日

凛太郎は奏星の家の前に来ていた

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

結局来ちまったな

しかしまだ躊躇があるようで インターフォンを押す手が震えている

揚羽凛太郎

なんか俺・・・マジで
ストーカーみてぇだよな

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

やっぱ帰ろうかな・・・

揚羽凛太郎

姫川が言うように
生理とかだったから

揚羽凛太郎

俺マジでキモくて
デリカシー無いヤツだよな

揚羽凛太郎

まじで嫌われそう・・

揚羽凛太郎

・・・・・・

揚羽凛太郎

やっぱ帰ろ・・・

日向志津香

あら?揚羽くん?

帰ろうとする凛太郎に 志津香が声をかける

揚羽凛太郎

あっ・・お母さん

揚羽凛太郎

それに・・・

日向綾星

揚羽お兄ちゃん・・・

綾星は不安そうな眼差しで 凛太郎を見上げている

日向志津香

どうかしたの?

揚羽凛太郎

あっ、いや・・・

揚羽凛太郎

た、たまたま
通りかかって・・・

日向志津香

あら、そうなの?

日向志津香

あっ!せっかくなら
あがって行ったら?

日向志津香

お茶くらい出すわよ?

揚羽凛太郎

あ、いや、その・・

日向綾星

お姉ちゃん、今
風邪引いてるの!

綾星が慌てた様子で 食い気味に口を開く

日向志津香

え?

揚羽凛太郎

か、風邪?

日向志津香

ちょっと綾星?
あなた・・何言って──

日向綾星

お姉ちゃん
風邪引いてるんだよね?

日向綾星

ね?ママ!!!

日向綾星

そうだよね?

日向志津香

・・・・・・

揚羽凛太郎

あ、風邪なんですか?

志津香は綾星から何かを 感じ取ったのか──

日向志津香

そ、そうなのよ・・

日向志津香

昨日から具合が
悪くってね

揚羽凛太郎

あ、そうだったんスか

日向綾星

だ、だからお兄ちゃん

日向綾星

悪いけど今日は
帰って・・・

揚羽凛太郎

(綾星ちゃん・・)

揚羽凛太郎

あ、ああ・・・
そうしようかな

揚羽凛太郎

奏星にお大事に!
って伝えてください

日向志津香

え、えぇ・・・

日向志津香

伝えておくわ・・・

揚羽凛太郎

じゃ、じゃあ失礼します

日向志津香

ただいま

日向奏星

あっ、ママ・・・

日向奏星

お帰り・・・

日向志津香

さっき家の前で
揚羽くんに会ったわよ?

日向奏星

え?凛くんに?

奏星は動揺して声を荒げる

日向志津香

せっかくだから
家にあがってもらおうと
したんだけど・・・

日向奏星

え!?

日向奏星

それで?凛くんは?

日向志津香

でも、綾星が
アンタが風邪引いてるから
今日は帰ってくれって
揚羽くんに言ったのよ?

日向奏星

綾星・・・

日向綾星

・・・・・

日向志津香

揚羽くんと
何かあったの?

日向奏星

何も・・無いよ・・・

日向志津香

嘘言わないの!

日向志津香

それに綾星まで!

日向志津香

何であんな嘘ついたの?

日向綾星

ママには関係ないから!

日向綾星

それよりお姉ちゃん!
部屋でゲームやろうよ!

日向綾星

ね?ね?

日向奏星

あ、う、うん・・・

綾星は奏星を強引に引っ張り 逃げるように部屋に入っていく

日向志津香

ちょっと!ふたりとも!

日向志津香

・・・・・・

日向志津香

何かあったのかしら・・

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

さっきのって・・・
明らかに綾星ちゃんの
嘘だよな・・・

揚羽凛太郎

奏星が風邪って・・

揚羽凛太郎

一体何があったんだよ

揚羽凛太郎

どうしちゃったんだよ

揚羽凛太郎

奏星・・・

揚羽凛太郎

俺・・どうすりゃ
いいんだよ・・・

揚羽凛太郎

クソ・・・

日向奏星

ごめんね・・綾星

日向奏星

嫌な役やらせちゃったね

日向奏星

嘘なんかつかせて・・

奏星は綾星の頭を 優しく撫でる

日向綾星

ううん・・・

日向奏星

ごめんね・・

奏星は綾星を 優しく抱きしめる

日向綾星

だって・・・

日向綾星

私のせいだから・・

日向奏星

何言ってんの!

日向奏星

綾星は何も
悪くなんかない!

日向綾星

だって昨日の人・・

日向綾星

私を人質にしたから

日向綾星

私を危険な目に
遭わせたくないから

日向綾星

お姉ちゃんは・・

日向奏星

大丈夫だよ・・綾星

日向奏星

大丈夫だから・・

日向綾星

ぐすっ・・・

日向綾星

お姉ちゃん・・・

日向志津香

・・・・・

日向志津香

2人とも・・・

日向志津香

何を隠してるのかしら

日向志津香

あんな嘘までついて

日向志津香

・・・・・

日向志津香

ただ単に揚羽くんと
奏星が喧嘩しただけ
って訳じゃなさそうね

ピンポーン

日向志津香

ん?誰かしら

日向志津香

はいはーい!

日向志津香

今開けまーす!

ガチャ

日向志津香

あの・・どちら様ですか?

眞琴杏樹

あの・・はじめまして

眞琴杏樹

眞琴杏樹って言います

日向志津香

眞琴さん?

眞琴杏樹

日向奏星さんと
同じ高校に通ってる
お友達です・・

日向志津香

ああ!そうだったの

眞琴杏樹

奏星ちゃん居ますか?

日向志津香

ああ、ちょっと待ってね

日向志津香

今呼んでくるから!

日向志津香

リビングに上がって
待っててちょうだい

眞琴杏樹

はい♫お邪魔します

日向志津香

奏星?

日向奏星

なに?ママ

日向志津香

お友達が来てるわよ?

日向奏星

え?美咲?

日向奏星

今は誰とも──

日向志津香

眞琴さんって
言うお友達よ

日向奏星

え!?

日向志津香

同じ高校に通ってる
お友達って言ってたけど

日向奏星

あ、ああ

日向奏星

そ、そう!
最近仲良くなったんだ

日向志津香

今リビングで
待ってもらってるから

日向奏星

わ、わかった

日向奏星

すぐに行くって
伝えてくれる?

日向志津香

わかったわ!

日向志津香

早く来なさいよ?
待たせてるんだから

日向奏星

わかってる・・・

日向綾星

ねぇ!お姉ちゃん

日向綾星

眞琴って・・・

日向綾星

まさか昨日の人?

日向奏星

多分・・・

日向綾星

まさか!揚羽お兄ちゃんが
ウチの近くに来たから?

日向綾星

でもお姉ちゃんは
揚羽お兄ちゃんには
会ってないよね?

日向綾星

何で来たの?

日向奏星

そんなの私に聞かれても
分からないよ・・・

日向奏星

とりあえず綾星は
部屋に行っててくれる?

日向綾星

わ、わかった・・・

綾星は不安を感じながらも 自らの部屋に舞い戻る

日向奏星

・・・・・

日向奏星

突然来て、何のつもりなんだろ

眞琴杏樹

あっ!奏星ちゃん!

眞琴杏樹

もう!遅いよ!
何してたの?

日向奏星

ご、ごめんね・・

日向奏星

綾星がもっと
ゲームしたいって
グズるもんだから

眞琴杏樹

まぁ、仕方ないか

眞琴杏樹

ね?ちょっと
外に出て話しない?

日向奏星

あ、うん・・いいよ

日向奏星

あっ、ママ・・・

日向奏星

ちょっと
出かけてくるね

日向志津香

ああ、いいわよ!
あまり遅く
ならないようにね?

日向奏星

分かってる・・

眞琴杏樹

じゃあママさん!
ジュースご馳走様でした

綾星と杏樹はしばらく歩き 公園のベンチに腰を下ろす

日向奏星

いきなり家に来て・・

日向奏星

どういうつもり?

眞琴杏樹

今日・・・

眞琴杏樹

先輩が近くまで
来てましたね?

日向奏星

でもあれは・・・
凛くんが──

眞琴杏樹

わかってます!わかってます!

眞琴杏樹

先輩って優しくて
困ってる人がいたら

眞琴杏樹

頭で考えるよりも
体が先に動く性格だから

眞琴杏樹

たぶん奏星さんの事を
心配するあまりに
来ちゃったんでしょうね

眞琴杏樹

やっぱ先輩は
変わってないなぁ

眞琴杏樹

あの頃と変わってない

日向奏星

・・・・・

眞琴杏樹

でも、まだ先輩に
別れようって
言ってないんですね

日向奏星

そ、それは・・・

眞琴杏樹

いつ言ってくれます?

眞琴杏樹

私と別れてって・・・

日向奏星

・・・・・

眞琴杏樹

てか連絡消してるから
連絡できませんよね

眞琴杏樹

私ってば
ウッカリしてた

眞琴杏樹

あははは

日向奏星

・・・・・

眞琴杏樹

ならこうしましょう!

日向奏星

なに?

眞琴杏樹

学校が始まる始業式の日!

眞琴杏樹

その日に奏星さんは
先輩に別れようって
伝えましょう!

日向奏星

・・・・・

眞琴杏樹

これならわざわざ
先輩に連絡しなくても

眞琴杏樹

別れようって伝える事
できますよね?

日向奏星

・・・・・

眞琴杏樹

そうしましょうよ!

眞琴杏樹

ね?ね?それがいい!

眞琴杏樹

どうです?

日向奏星

わ、わかった・・・

日向奏星

それでいい・・・

日向奏星

それでいいから・・

日向奏星

もうウチに来るなんて事
しないで・・・

日向奏星

綾星も怖がるから・・

眞琴杏樹

わかりました!

眞琴杏樹

なら私は帰りますね

眞琴杏樹

分かってると思いますけど

眞琴杏樹

先輩に近づいたら──

日向奏星

わかってるから!

眞琴杏樹

ふふふ

眞琴杏樹

じゃあ失礼しますね

日向奏星

・・・・・

日向奏星

凛くん・・・

日向奏星

私どうしたら・・・

日向奏星

ぐすっ・・・

揚羽凛太郎

奏星?

日向奏星

え!?

奏星が背後に振り向くと そこには凛太郎の姿があった

日向奏星

な、なんで凛くんが・・

揚羽凛太郎

いや、たまたま
通りかかっただけど

日向奏星

(嘘・・・・)

日向奏星

(どうしよ・・・)

日向奏星

(凛くんに会っちゃった)

日向奏星

(このままだと・・・)

日向奏星

(綾星が・・・)

揚羽凛太郎

てか風邪大丈夫?

日向奏星

え?

揚羽凛太郎

いや、さっき偶然
奏星のお母さんと
綾星ちゃんに会ったんだけど

揚羽凛太郎

そん時に綾星ちゃんが
奏星が風邪引いてるって
言ってたからさ・・

日向奏星

(あっ、そうだった・・・)

揚羽凛太郎

風邪なのに
外に出てて大丈夫?

揚羽凛太郎

ゆっくり休んでた
方が良くない?

日向奏星

う、うん、大丈夫・・

日向奏星

もう、熱も下がったし・・

揚羽凛太郎

(やっぱ本当の事は
言ってくれねーか)

揚羽凛太郎

そ、そっか・・・

日向奏星

だから・・大丈夫

揚羽凛太郎

でも何で泣いてんの?

日向奏星

そ、それは・・・

揚羽凛太郎

何かあった?

日向奏星

何も・・ない・・・

揚羽凛太郎

いや、何かあっただろ!

日向奏星

凛くんには関係ないから
放っておいて!

奏星はその場から 立ち去ろうとする

揚羽凛太郎

待ってよ奏星!

そんな奏星の腕を 凛太郎が掴む

日向奏星

嫌!離して!

日向奏星

このままだと
綾星が──

揚羽凛太郎

綾星ちゃん?

揚羽凛太郎

綾星ちゃんが
どうかしたの?

日向奏星

凛くんには関係ない・・

揚羽凛太郎

なんで何も
言ってくんねーんだよ!

日向奏星

・・・・・

揚羽凛太郎

昨日だってそうだよ・・

揚羽凛太郎

言ってくれなきゃ
分かんねーじゃん!

日向奏星

・・・・・

日向奏星

(凛くん・・ごめん)

日向奏星

嫌いになったの・・

揚羽凛太郎

はぁ?

日向奏星

だから・・・

日向奏星

凛くんの事──

日向奏星

嫌いになったの!!

揚羽凛太郎

なん・・だよ・・それ

揚羽凛太郎

嫌いになったって・・

揚羽凛太郎

それ・・本気で
言ってんのかよ・・

日向奏星

・・・・・

日向奏星

本気だよ・・・

揚羽凛太郎

俺の目を見て言えよ!

日向奏星

凛くん以外に
好きな人・・出来たの

揚羽凛太郎

奏星・・・

日向奏星

凛くんみたいに
誰彼構わず

日向奏星

お節介焼くような
人じゃなくて

日向奏星

私だけ見てくれる人だから

揚羽凛太郎

だから・・それは
俺・・お節介は卒業──

日向奏星

人ってそんな急には
変われないよ・・

揚羽凛太郎

え!?

日向奏星

だからさ・・・

日向奏星

私たち・・別れよう・・

揚羽凛太郎

っざけんなよ!

日向奏星

・・・・・

揚羽凛太郎

なんだよそれ!

揚羽凛太郎

何なんだよ急に!

揚羽凛太郎

納得できねーよ!!

日向奏星

・・・・・

揚羽凛太郎

急にLIMEの返事
返さなくなったかと思えば

揚羽凛太郎

電話にも出ねーで

揚羽凛太郎

しまいには
綾星ちゃん使って

揚羽凛太郎

風邪引いてるなんて
嘘までついてさ!

日向奏星

・・・・・

揚羽凛太郎

そんな嘘ついてまで
俺と別れたかったのかよ

日向奏星

・・・・・

日向奏星

そう・・だよ

揚羽凛太郎

奏星・・・

日向奏星

幻滅した?

日向奏星

私・・

日向奏星

妹を利用して嘘つく
ズルい女なんだ・・・

揚羽凛太郎

・・・・・

日向奏星

嫌いになったでしょ?

揚羽凛太郎

いや、俺は奏星の事──

日向奏星

(嫌いになったって
言ってよ・・凛くん)

日向奏星

(じゃなきゃ・・)

日向奏星

(私・・・)

日向奏星

ぐすっ・・・

日向奏星

だから・・帰って

日向奏星

じゃ・・邪魔だから

日向奏星

もう・・顔も・・見たくない

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

くっ・・・

揚羽凛太郎

ああ!そうかよ!

揚羽凛太郎

なら勝手にしろよ!

凛太郎は滴り落ちる涙を 裾で拭きながら

公園を後にする

日向奏星

・・・・・

日向奏星

ごめんなさい・・

日向奏星

凛くん・・・

日向奏星

私・・・

日向奏星

ぐすっ・・・

眞琴杏樹

なんだか予想外な
展開になっちゃいましたね

杏樹が再び 奏星の目の前に現れる

日向奏星

また・・来たの?

眞琴杏樹

先輩の姿が見えたから
飛んで戻ってきたんですけど

日向奏星

凛くんとは別れたよ・・・

眞琴杏樹

はい♫わかってますよ♫

眞琴杏樹

一部始終
見てましたから♫

日向奏星

これで満足でしょ?

眞琴杏樹

はい!満足も満足!
大満足です!

日向奏星

ぐすっ・・・

眞琴杏樹

はぁ〜!これで
先輩はフリーかぁ!

日向奏星

もう帰って・・・

眞琴杏樹

悲しいですか?

日向奏星

もう帰ってよ!!

眞琴杏樹

ふふふ

眞琴杏樹

まぁ、これで先輩に
悪い虫が寄り付く事も
なくなった訳だし

眞琴杏樹

私は帰りますね

日向奏星

・・・・・

眞琴杏樹

まぁ奏星さんも
そんな落ち込まないで

眞琴杏樹

新しい恋でも見つけて
元気出して!ね?

日向奏星

・・・・・

眞琴杏樹

じゃあ!

眞琴杏樹

もう会う事も
無いと思いますけど

眞琴杏樹

また機会があったら!

杏樹は満足そうな表情を浮かべながら その場を立ち去る

日向奏星

凛くん・・・

日向奏星

ごめんね・・・

日向奏星

私・・サイテーだよね

揚羽凛太郎

あー!クソ!

揚羽凛太郎

何なんだよ!奏星のヤツ!

揚羽凛太郎

好きな奴が出来たとか

揚羽凛太郎

ふざけんなよ!!

揚羽凛太郎

クソ・・・・

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

ちょっと
出かけてくる

揚羽渚沙

はぁ?こんな
遅い時間に?

揚羽凛太郎

ちょっと・・・

揚羽渚沙

と言うかもうすぐ
できるわよ?

揚羽凛太郎

飯はいいや・・・

揚羽凛太郎

腹減ってねーから

揚羽渚沙

今日は照り焼きの
つもりなんだけど?

揚羽渚沙

アンタ好きでしょ?
鶏の照り焼き

揚羽凛太郎

じゃあ置いといて

揚羽凛太郎

帰ったら食うからさ

揚羽渚沙

ああ、わかった

揚羽凛太郎

じゃあ、行ってくる

揚羽渚沙

行ってらっしゃい

揚羽渚沙

・・・・・

揚羽渚沙

照り焼きなのに・・

揚羽渚沙

珍しいわね・・・

揚羽渚沙

槍でも降るのかしら

凛太郎は繁華街を 気怠そうに歩いていた

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

(俺の何が
いけなかったんだよ)

揚羽凛太郎

(奏星・・・)

揚羽凛太郎

(これからどうすりゃ・・)

ガッ

凛太郎の肩がすれ違った チンピラ二人組のウチ 一人の肩とぶつかる

揚羽凛太郎

(ったく・・・)

揚羽凛太郎

(邪魔だな・・・)

凛太郎は黙って 通り過ぎようとするが

チンピラA

おい!コラ!ガキ!

揚羽凛太郎

え!?

チンピラA

何黙って素通り
しようとしてんだ?コラ

チンピラB

ちょっと付き合えよ

揚羽凛太郎

ちょ──

凛太郎はチンピラふたりに 裏路地に連れて行かれてしまう

連れ込まれた裏路地て 凛太郎はチンピラ二人に 殴る蹴るなどの暴行を受ける

揚羽凛太郎

うぐ・・・

チンピラA

最近の若い奴は
肩ぶつかっておきながら

チンピラA

謝る事もできねーのか?

チンピラA

おぉ!?コラァ!

チンピラB

こりゃ教育費用
もらわねーとな

チンピラは凛太郎の ポケットから財布をとります

揚羽凛太郎

おい!やめ──

チンピラA

うるせぇ!
寝てろ!コラ!

凛太郎は腹に 重い蹴りを喰らう

揚羽凛太郎

ぐはっ!!!

チンピラは 凛太郎から奪い取った 財布を物色する

チンピラB

かぁー!

チンピラB

シケてんなぁー

チンピラB

2000円しか
入ってねーじゃん

チンピラB

最近の若い奴ってのは
金持ってるもんなんじゃ
ねーのか?おい!

チンピラA

えーっと・・・

チンピラは凛太郎の 財布の中身を物色し

学生証を取り出す

チンピラA

霞学園高校・・
揚羽・・凛太郎・・・

チンピラA

名前と学校は
覚えたからな?

チンピラB

さらに痛い目に
遭いたくなけりゃ
慰謝料もってこい!

チンピラB

いいな!

揚羽凛太郎

く・・・

姫川鉄心

おい!チンピラ!

チンピラA

あぁ?

チンピラが振り返ると 助けに来た鉄心に 鋭い拳で腹を殴られる

チンピラA

うぐ・・・

チンピラB

てめぇ!おっさん!

チンピラB

いい度胸だな?あ?

姫川鉄心

あぁ?

鉄心の鋭い眼力に ビビるチンピラ

チンピラB

う・・・

姫川鉄心

俺に顔面変えられたく
なかったらな

姫川鉄心

今日のことは忘れて
さっさと帰れ!

姫川鉄心

いいな?

チンピラB

は、はい!

チンピラB

すいませんでした

チンピラは恐れ慄き その場から逃げ去る

姫川鉄心

おい!大丈夫か?

揚羽凛太郎

す、すいません・・

揚羽凛太郎

ありがとうございます

姫川鉄心

随分若いな?

姫川鉄心

高校生か?

揚羽凛太郎

は、はい・・・

姫川鉄心

高校生がこんな遅い時間に
繁華街をうろつくな!

姫川鉄心

最近は物騒なんだからな

揚羽凛太郎

はい、すいません

姫川鉄心

ほら!肩
貸してやるから!

揚羽凛太郎

す、すいません・・

凛太郎は鉄心の肩を借りて 裏路地から繁華街へ出る

姫川樹音

どうしたの?鉄心
その子・・・

姫川鉄心

なんか裏路地で
チンピラに
絡まれてたんだよ

揚羽凛太郎

あ、ありがとう
ございます・・

揚羽凛太郎

もう一人で
歩けますから

姫川美咲

え?揚羽くん?

そこには美咲の姿があった

揚羽凛太郎

え?姫川?

揚羽凛太郎

何やってんだ?
こんな所で・・・

姫川美咲

いや、パパとママと
ご飯食べてただけだけど

姫川美咲

揚羽くんこそ
何やってんの?

姫川美咲

そんな顔に傷
つくって・・・

揚羽凛太郎

あ、いや、これは・・

姫川鉄心

なんだ?美咲の
知り合いか?

姫川美咲

うん・・・

姫川美咲

私の同級生・・・

揚羽凛太郎

あの・・・

揚羽凛太郎

ありがとうございました

揚羽凛太郎

俺・・帰りますから

姫川美咲

・・・・・

姫川美咲

ね?パパ!ママ!

姫川樹音

なに?

姫川美咲

ちょっと先に
帰っててくれる?

姫川鉄心

どうかしたか?

姫川美咲

ちょっと揚羽くんが
心配なの・・・

姫川鉄心

さっきのヤツか?

姫川美咲

うん・・・

姫川美咲

普段はあんな風に
喧嘩するヤツじゃないし

姫川美咲

何かあったのかも

姫川樹音

いいわよ!あまり
遅くならないようにね?

姫川鉄心

おい!いいのか?
こんな遅い時間に
男と二人にして

姫川樹音

揚羽くんって
あれでしょ?

姫川樹音

奏星ちゃんの彼氏の

姫川美咲

うん・・・

姫川鉄心

あっ!そうなのか?

姫川樹音

だから行って
あげなさい!

姫川美咲

ありがとうママ!

姫川美咲

遅くならないように
するから!!

姫川美咲

ちょっと待って!
揚羽くん!

揚羽凛太郎

だから良いって!

揚羽凛太郎

ひとりで帰れっから!

揚羽凛太郎

う・・・

凛太郎はその場で 腹を押さえてうずくまる

姫川美咲

ホラ!

姫川美咲

肩してあげるから

揚羽凛太郎

わ、悪い・・・

美咲に肩を借りて しばらく歩く凛太郎だったが

揚羽凛太郎

悪い姫川・・・

揚羽凛太郎

ちょっと休憩・・

姫川美咲

まったく・・・

揚羽凛太郎

申し訳ない・・・

公園のベンチに腰を下ろす 凛太郎と美咲

姫川美咲

何があったの?

揚羽凛太郎

いや・・・

姫川美咲

普段の揚羽くんじゃ
ありえないじゃん

揚羽凛太郎

・・・・・

姫川美咲

もしかして奏星と
何かあったの?

揚羽凛太郎

いや・・別に・・

姫川美咲

昨日も奏星から
LIMEの返事がないって
心配してたじゃん

姫川美咲

あれって結局
なんだったの?

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

俺はさ・・・

揚羽凛太郎

やっぱ奏星が心配でさ

揚羽凛太郎

今日の昼間に
家に行ってみたんだ

姫川美咲

うん・・それで?

揚羽凛太郎

でも寸前になって
やっぱ辞めようって
思ってさ

姫川美咲

なんで?

揚羽凛太郎

いや、だってさ
姫川が言ったように
生理とかだったらさ

揚羽凛太郎

俺めちゃキモくて
デリカシーないヤツだろ?

姫川美咲

ま、まぁ、確かに

姫川美咲

そういう時って
そっとしといて
欲しいって思うもんね

揚羽凛太郎

だろ?

揚羽凛太郎

それが原因で
嫌われたりしたら嫌だし

揚羽凛太郎

だから俺、帰ろうとしたんだ

揚羽凛太郎

そしたらたまたま
奏星のお母さんと
綾星ちゃんに会ったんだ

姫川美咲

うわぁ・・・タイミングが
良いというか悪いというか

揚羽凛太郎

お母さんは上がって
いけって言って
くれたんだけどさ

揚羽凛太郎

綾星ちゃんが食い気味に

揚羽凛太郎

奏星は風邪引いてるから
帰ってくれって
言ってきたんだよ・・

姫川美咲

え?奏星が風邪?

姫川美咲

そんな話
聞いてないけど

揚羽凛太郎

まぁ、綾星ちゃんの
言い方的に嘘だって
思ったんだけどさ

揚羽凛太郎

でも、そう言われたら
帰るしかねーじゃん?

姫川美咲

ま、まぁ、だよね

揚羽凛太郎

だから諦めて
帰ろうとしたら

揚羽凛太郎

偶然公園のベンチで
座って泣いてる奏星を
見かけたんだ

姫川美咲

え?泣いてた?

揚羽凛太郎

訳わかんなくてさ

揚羽凛太郎

何があったのか
聞いたら──

揚羽凛太郎

・・・・・

姫川美咲

聞いたら?なに?

揚羽凛太郎

好きな人が出来たから
別れようって──

姫川美咲

え?奏星が?
奏星がそう言ったの?

揚羽凛太郎

あ、ああ・・・

姫川美咲

それって誰?

揚羽凛太郎

分かんねー・・・・

揚羽凛太郎

名前聞く前に
飛び出してきたから・・

姫川美咲

・・・・・

揚羽凛太郎

でも奏星が言うには

揚羽凛太郎

俺みたいに
誰彼構わずお節介
焼くヤツじゃなくて

揚羽凛太郎

私の事だけを
見てくれるヤツだって・・

姫川美咲

何・・それ・・

揚羽凛太郎

もう・・訳が
分かんなくてさ・・

揚羽凛太郎

俺・・なんか
しちゃったのかな?

凛太郎は顔を両手で覆う

姫川美咲

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

もう・・・

揚羽凛太郎

どうすりゃいいんだよ

揚羽凛太郎

俺・・・

姫川美咲

ねぇ!揚羽くん!

揚羽凛太郎

ん?なに?

姫川美咲

私に任せてくれない?

揚羽凛太郎

え?任せる?

姫川美咲

私が奏星に
聞いてみるから

姫川美咲

だから私に
任せてくれない?

揚羽凛太郎

でも・・・

姫川美咲

私は揚羽くんと龍也が
居なかったら

姫川美咲

未だに意地悪な
いじめっ子のままだった

揚羽凛太郎

姫川・・・

姫川美咲

私が変われたのは
みんなのおかげなの

姫川美咲

だから!助けたいの!

揚羽凛太郎

姫川・・・

揚羽凛太郎

ぐすっ・・・

姫川美咲

もう!泣かないの!

姫川美咲

大丈夫だから!ね?

揚羽凛太郎

悪い、姫川・・・

揚羽凛太郎

申し訳ないけど
任せていいか?

揚羽凛太郎

もう俺一人じゃ
どうしたら良いのか・・

姫川美咲

大丈夫!まかせて!

揚羽凛太郎

ありがとう姫川

姫川美咲

じゃあ私、もう行くね?

揚羽凛太郎

ああ・・・

姫川美咲

一人で帰れる?

揚羽凛太郎

ああ、大丈夫・・・

揚羽凛太郎

悪いな姫川、こんな
時間まで付き合わせて

姫川美咲

いいの!いいの!

姫川美咲

なら帰るね!

姫川美咲

気をつけて帰ってね

揚羽凛太郎

おぅ!姫川もな!

姫川美咲

うん♫

揚羽凛太郎

はぁ〜・・・

揚羽凛太郎

姫川は、ああ
言ってくれたけど

揚羽凛太郎

大丈夫かなぁ・・・

揚羽凛太郎

まぁ、ここで
あーだこーだ言っても
仕方ないな

揚羽凛太郎

姫川が任せてくれって
言ってくれたんだ

揚羽凛太郎

とりあえず帰るか

凛太郎がベンチから 立ち上がるが

揚羽凛太郎

うぐ・・・

脇腹に激痛が走る

揚羽凛太郎

やばい・・まだ痛みが・・

眞琴杏樹

大丈夫?先輩!

脇腹を押さえて うずくまる凛太郎に 杏樹が駆け寄る

揚羽凛太郎

え?

凛太郎は顔を見上げる

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

だ、誰?

眞琴杏樹

私だよ・・・

眞琴杏樹

杏樹だよ?

揚羽凛太郎

あ、杏樹?

揚羽凛太郎

!!!!!!

揚羽凛太郎

ま、眞琴か!?

揚羽凛太郎

な、なんでこんな所に──

揚羽凛太郎

うぐ・・・

凛太郎の脇腹に 再び激痛が走る

眞琴杏樹

ダメだよ!無理しちゃ

揚羽凛太郎

いや、何で眞琴が・・・

眞琴杏樹

ごめんね・・先輩

眞琴杏樹

やっぱり先輩に
会えないのは辛くて

眞琴杏樹

会いに来ちゃった

揚羽凛太郎

・・・・・

眞琴杏樹

迷惑・・だったかな?

揚羽凛太郎

悪いけど帰ってくれ

揚羽凛太郎

眞琴と話す事は何も──

何もないから!と言いかけた凛太郎は その場で背中に激痛を感じ その場に倒れ込む

眞琴杏樹

残念だよ・・先輩

揚羽凛太郎

眞琴・・お前・・何した?

眞琴杏樹

先輩が悪いんだよ?

眞琴杏樹

私の気持ちを
分かってくれないから

眞琴杏樹

本当はしたくなかったけど

眞琴杏樹

もう、こうするしか

眞琴杏樹

私が先輩と結ばれる
方法はないから・・

そんな杏樹の手には すたんがんがスタンガンが 握られていた

揚羽凛太郎

眞・・琴・・

凛太郎はその場で 気を失ってしまう

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