レン
···申し訳ありませんが

レン
勝手に始めさせて頂きます

??
····は?

レン
·····貴方は何処から来たのですか?

??
??

アスマ
!!!

レン
私は櫻井 蓮と申します

レン
···ご自分のお名前は覚えておられますか?

·····わたしは·····
···············
??
···········

レン
······この方は恐らく

レン
ゆうたさんではありませんよ

!!!!!
ちがう·······ゆうた···ゆぅた····
アスマ
(話が通じる相手なのかな····)

??
····一体何の話をしてるんだよ···!!

レン
···········

レン
では、貴方のお名前を伺っても宜しいですか?

??
お、俺は····

??
高木 一弥····

レン
····なるほど、

レン
やはり相手の方を間違えているようですね

一弥
·····だからっ何が?!

一弥
ハァハァ·····

レン
···········

レン
一弥さん、ちょっと失礼します

一弥
?!

アスマ
(レンがアイツの手を握っ····)

一弥
·····なっ何を···!

一弥
?!

一弥
だ、誰だよ··こいつは······

レン
見えましたか?

レン
手を離すとまた見えなくなりますので

一弥
お、俺はこんなやつ知らないっ····!

レン
ええ·····

レン
····では、この女性に事情を聞いて見ましょう

レン
·····貴方の手も握らせて下さいね

レン
大丈夫ですよ····

·····························
··························
···················
レン
·····成る程···

一弥
············

アスマ
(レンは霊の手を握ることも出来るのか····)

レン
····あなたには大好きな男性がいたのですね···

アスマ
!!

ゆぅた····わたしは····ゆぅたをこんなにも············なのに
レン
············

それなのに·····ゆぅたは····
·········わたしから········
一弥
··········

アスマ
(なんだ?肝心なとこがよく聞こえない····)

一弥
·······?

レン
·······彼女は殺されてしまっているようです···
いまだに遺体も見つかっていませんね····

アスマ
えっ?!

一弥
?!

レン
最初は亡くなってからも助けを求めていたのでしょうが····

レン
日を重ねる毎に

レン
自分が誰で何をしたかったのか

レン
分からなくなってしまったのでしょう

アスマ
それでも、ゆうたって奴への気持ちだけは強くて

アスマ
この人に憑いてたって事?

レン
ええ····

一弥
···俺は関係ないだろうっ···!

レン
きっとゆうたさんもイケメンだったのでしょうねっ

一弥
···それだけのことで····!!

アスマ
でも、肝心なとこだけよく聞こえないんだけど、、

レン
記憶が曖昧なのではないでしょうか

アスマ
レンにはこの霊の生前が見えたのか?

レン
ええ、まぁ·····

レン
とにかく、このままでは記憶が戻って

レン
怨霊になってしまう可能性があります

アスマ
どうすんだ?!

レン
そうですね、、、

レン
先ずは····

レン
一弥さんから離さなければいけませんので····

レン
アスマさん

アスマ
え?

レン
その~···

レン
数珠を外して貰っても宜しいですか?

アスマ
はい?

一弥
???

アスマ
昨日電話で腕に埋め込んでこいとか言ってなかったか?

レン
····その~··一弥さんから離す手立てが思い付きませんでした~

アスマ
···········

アスマ
まぁ、たまには俺もレンの役に立ちたいから

アスマ
いいけどね

アスマ
(レンもいるし大丈夫か···)

一弥
何を···するんだ····?

レン
彼女を一弥さんから離すためには

レン
アスマさんに憑かせるしかありませんので···

レン
·······アスマさん申し訳ありません···

アスマ
いいよ、レンが何とかしてくれるんだろ?

レン
勿論です!

アスマ
なら何も問題はないな!

レン
有り難うございます···

アスマ
じゃあ、数珠を外すよ

アスマ
(初めてこっちを見た···!)

アスマ
おっ、俺の方に···来ませんか··?

アスマ
っ!!

アスマ
(きっ来たー!!)

アスマ
(ひぇー····)

レン
(やった!)

一弥
····!!

一弥
さ、さっきまでの倦怠感がまるで嘘のようだ···!!

アスマ
!!

アスマ
(お、俺は大丈夫なのか?!)

レン
アスマさん!少しの辛抱ですよ!

アスマ
う、うん、、

レン
彼女を傷つけずに、アスマさんに結界を張ります!

アスマ
えっ?

アスマ
そんなこと出来るのか?

レン
はいっ!

レン
それで、心身には負担をかけさせませんので!

レン
(式神よ·····我が名の元に·····)

レン
出でよっ!!

レン
勾陣(こうじん)っ!!

シュルルルルルルル···········
シャァーーーーッッ
アスマ
!!!

アスマ
こっ今度は金色の蛇?!

レン
勾陣、アスマさんに暫く巻き付いてて~

アスマ
えっ?!

アスマ
ちょっ

アスマ
うわぁっっ!!

アスマ
って、あっあれ

アスマ
金色の蛇が消えた、、

レン
勾陣は守り神なので安心してください!

レン
数珠が無くても暫くは問題はありません

レン
早めに彼女には成仏して頂きますので!

アスマ
う、うん···

アスマ
(俺·····人の領域を越えてない?)

一弥
な、何?こーじん····?

一弥
蛇って···俺には何も見えない、、

レン
あ、手を離したので

レン
全く霊感のない一弥さんには見えなかったかも知れませんね

一弥
··········

アスマ
胡散臭いとか、思うなよ?

一弥
もう、思ってない、、

一弥
あの女の姿も見えたし、離れたって聞いてから倦怠感もなくなった、、

一弥
本当に嘘のように体が軽いよ、、

一弥
これで、普通に仕事が出来る·····!

レン
···それは何よりでしたね

レン
やはり無理にでも離して良かったです

一弥
······さっきは、その、、

一弥
酷いことを言ってごめん····

レン
っ!

一弥
日に日に酷くなる倦怠感にイラつきを隠せなくなってて···

一弥
もう仕事に戻ることも出来なくなるんじゃないかって····

レン
·····分かってますので、大丈夫ですよ

一弥
·····本当に有り難う····
君は櫻井蓮さん····だったよね?

レン
はい

一弥
そして、君は、、

アスマ
あ、俺は

アスマ
伊吹遊馬っす

一弥
····遊馬くん、、

一弥
もし、その霊が成仏したら····

一弥
是非、お礼をさせて欲しいから、、

一弥
どちらでも構わないから、連絡先を教えて貰えないかな······

レン
あ、いいで····

アスマ
じゃあ!俺ので!

一弥
う、うん

レン
···········

一弥
それじゃぁ、そろそろ仕事に行かないと遅刻するから、また·····

レン
はっはい!

レン
お大事にです!

アスマ
ふー····

レン
アスマさん具合は如何ですか····?

アスマ
うん、これといって何事もないけど、、

アスマ
この霊····

アスマ
めっちゃ近いんだよな~····汗

レン
そうなんですよね····

レン
怖くはないですか?

アスマ
あー、うん前みたいに恐怖心は不思議と無いかなっ

レン
勾陣のおかげですねー!

アスマ
そ、そうなのか····?

アスマ
(今日もパンケーキは無理だな·····)

アスマ
あ、因みにさぁ、

レン
はい?

アスマ
夜は····この霊と二人っきりってことなのかな····?

レン
あ、えーと、、、汗

レン
嫌ですよね····?

アスマ
嫌です!

レン
うーん、、じゃあ、

レン
今日はまだ時間もありますし

レン
早速彼女を成仏さてみましょうか

アスマ
お願いします!

レン
では、私のお部屋でやりますので

レン
一緒に来てください

アスマ
!!

アスマ
おっお邪魔させて頂きます!

レン
(な、何故敬語···?)
