猫が、鳴く
「懐かしい、話をしようか」
「それは、愛だった」
「もう何もかも終わって」
「手遅れだと知って」
「幸せを手放した少女」
「だが、その少女に幸せを与えた人間がいた」
「彼こそ、世界に愛されていた」
「盲目的に、一方的に」
「そして、愛ゆえに世界は歪んだ」
猫は、まだ鳴く
「どんどん、新しい世界で」
「少女達は死んでいく」
「だけど、勘違いしないで欲しい」
「死ぬことこそ、この世界最大の愛」
「歪みすぎて、原型も残ってない」
「そんな、狂った愛だ」
「そして、その愛ゆえに」
「世界には愛される人が増えた」
猫は、鳴かない
…よく見ると、首輪がない
野良猫…なのか?
「だが、覚えていて欲しい」
「少女達を軸に、世界は回るのだ」
「世界の、愛ゆえに」
猫は、鳴いていない
後ろを振り返ると
そこには
猫なんて、居なかった
ただ、居たのは
金髪のツインテールをして、ワンピースを着ている少女だった
その手に、無理矢理手で外したような
血で濡れた首輪がある事と
少女の首に、同じ様な痣がある事は
見て見ぬふりをした
満足して、少女は呟く
この世界の、掟を
「またね、観測者の皆様」
コメント
4件
え、喋る(?)猫……!?え、金髪の少女……!?ちょ、ちょっと待って……!?え、つまり喋る(?)猫=金髪の少女ってこと……!? 猫が言ってる「少女」と「彼」は恐らく桃香さんと未門さん…のはず……🤔🤔(違ったらごめん) そして「世界の愛ゆえに少女達を軸に世界は回る」か……だから皆は何度も何度も転生している、ってことだよね…… 金髪の少女と猫の関係という新たな謎が生まれたけど、また金髪の少女に会える
「きっと、誰よりも、この世界が、愛を知らない」