テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
着替えていると、ふと鏡に目がいった
映るのは、当然私
俯きがちな顔だから
目の中に、光が存在しなかった
まるで、ただの黒いビー玉
でも、にこって笑うと
自然の顔が上を見て
ビー玉に光が点るの
これでようやく、真っ当な人間様
……はぁ、何やってるんだろ
そんな思いで、急いで着替える
服を畳んで、スマホのロック画面を見る
「……行ってきます」
そう言って、にこ、と笑う
笑顔とは、到底呼べないような笑顔で
それでも、飾らないものは
きっとなによりも儚く綺麗だから