お盆

ガタンゴトン…

ガタンゴトン…

…ガタンゴトン

何もする事がなく窓の外を眺める

お昼時が過ぎ静かな車内となり、 独り言をつぶやく。

向日葵畑が辺り一面に広がっており、 太陽を懸命に見つめている。

幼い頃から何となく向日葵は、苦手だ

ボケっと見ていたので 元気な声にﾋﾟｸﾘと体がはずむ。

元気な男の子の声だった

これは…もしかしなくても…

恐る恐る声の主へ顔を向ける。

やはり……

男の子1人だろうか… キョロキョロと見回すが、親らしき人は居ない。

そう言ってちょこんと座る。

ちょっとまっててっと言い、 男の子は小さな水筒を両手で持ちながら、飲み物をごくごくと飲み干す。

いい飲みっぷりだな〜なん て思いながら男の子を待つ

分からない… 両親が居るのなら、探してあげた方がいいかもしれない。 もしかしたら、電車内を探検したりしてて迷ったのかもしれないし………

元気すぎる男の子の声が静かな車内にこだまする。

元気だった男の子の表情が曇る。

何か思い当たる節があるのだろう

今でも泣き出しそうだ。

あっ！やばい…

一通り話終わって また罪悪感が芽生えたのか、 泣き出してしまった………

オロオロとしている間にも ポロポロの涙が溢れている。

どうしたものか… そんな現実味のある設定があるなんて…

かくなる上は…少し恥ずかしいがやむを得ないだろう…

ダメだ……恥ずかし過ぎて顔が赤くなりそうだ…

次は〜 ☆О□駅〜 ☆О□駅〜

少々周りの視線を感じるが仕方ない…

男の子の顔に笑顔が戻って良かったと安堵する。

静かな車内… 少し眠気が起きる…

………… 目を閉じ、ゆっくりと眠りに落ちた。