桃太郎
それは鬼を倒した英雄である
彼らの物語は沢山の子供たちに 希望と勇気を与えただろう
しかし
物語は本を閉じてしまえばおしまいである
故に
完結した
物語は
終わるべきである
どうしても
見たいのならば
見ていなさい
作られた英雄の世界が
停まるところを
『こうして桃太郎は鬼を退治しましたとさ』
『おしまい!めでたしめでたし!』
桃太郎
突然空から何かの声が聞こえてきた
桃太郎は おじいさんとおばあさんにあの声が 何て言ったのかを聞こうとする
桃太郎
桃太郎
桃太郎
おじいさん
おばあさん
桃太郎
桃太郎は2人を揺する
そこで桃太郎は違和感を覚える
桃太郎
桃太郎
桃太郎
2人を揺すって覚えた違和感
人ではあり得ないほど 体が冷たいのだ
それも単に死んだような冷たさではない
どちらかと言うと物の冷たさに近い
まるで最初から2人が生きていなかったように
皮膚は硬く
目は瞬きをせず
本当に人が物になったみたいだ
桃太郎
その現実を直視することから逃げた桃太郎は
更なる異常を見ることになる
桃太郎
それは おおよそ現実ではあり得ないことだった
空は閉じられる様にその青色を狭めていき
その代わりなのか黒色が上を埋め尽くす
山は押し潰されているかの様に平らになっていく
後ろを振り返ると おばあさんとおじいさんの家も 押し潰されていっている
桃太郎
桃太郎
桃太郎
桃太郎
下を見ると地面が割れていた きれいに真っ二つだ
地獄のような光景だった
桃太郎
桃太郎は目を瞑った
これが夢であるよう願いながら
コメント
2件
本が閉じられるところを、桃太郎目線で書いたってことですかね…?(違ったらごめんなさい🙇♂️) とても読みやすくて凄いです✨