歩きなれない廊下を、1人で歩く
ここに通うのも、もう終わり
結局皆が居ない時間しか教室に入れなかったな
そんなことを、ふと思う
皆がいる時間は、怖くて入れなかった
会いたい人は居たけれど
それ以上の恐怖がそれを塗りつぶして
臆病で会いに行けない自分に嫌気が差していた
そんなことを、約2年
繰り返して、結局後悔するのだ
けれど、それ以外の選択肢は無かったのだと思う
さて、帰ろう
どうせ、未練なんてない
振り返り、教室に背を向けた
ばいばい、なんて小声で呟いて
後ろから聞こえる足音に背筋が凍った
つまり、教室から出てきたということ
……いや、だな
会いたくない、な
どうせ、私のことを知らないだろうし
知っていても、忘れてるだろうし
そう思い、振り返らずに歩き出した
その、声が聞こえるまで
緊張が無くなる
息を、吸う
そして、振り返る
猫を被るのは、辞めよう
きっと通用しないし
貴女に嘘をつく理由なんてない
……最後の最後に
夢は叶うのか
ふと、過去を見つめた
……精一杯、苦しんで
そしたら
見捨てられないと思うから
コメント
1件
恐怖に打ち勝つことは難しいよね…… 語り手さんはこのことを後悔しているけど、嫌なことに立ち向かう必要は無いし、逃げることも大切だと思うから適切な判断だったんじゃないかな、って思った💭 個人的に「息を、吸う」ってところに「、」があるのがめちゃくちゃ好き🫶🫶