短編

俺の名前は未門

前世ではやべーやつから好きな人を守って人生を全うした

今世では｢太陽の神の使い｣とかいうやべー役職になった一般人

今世に転生をしてから数々の｢ありえない｣ことを体験してきたつもりだったけど…

流石にこれは予想出来なかったというか…予想したこともなかったと言うか…

おそらく…おそらくだ

ここは俺の住んでいる世界にとても似た所だと思っている

俺の予想が間違っていなければ…

俺はパラレルワールド…というやつに巻き込まれたのかもしれない

どこだよここ…って言っても

おそらく桃香の家だろうな…

この前の件(桃香と未門が喧嘩した話)で桃香と話し終わった後にあのチビ(クルト)を軽く脅したからだろうか？

何はともあれ、ここが本当に桃香の家なのか確かめなければ

誰かに会えればいいんだけど…

その時、随分と懐かしい記憶が光った

その世界のバランスを崩しちゃいけない…

あれ今の状況バランスを崩しかけてるのでは？？？

頼むこれで合っていてくれ…！！

部屋が思った以上にそのままだな…

桃香は多分いつもの部屋にいると思うんだけど…

…そういえば

パラレルワールドってある所で選択肢を変えたから存在するとか聞いたことあるな

この世界はどこがどう違うんだ…？

…！！桃香の声！！

多分この部屋…？

…誰？

本当に誰だ…？

結婚式…？俺と…桃香が？

前世で叶えられなかった？

結婚を？

いや、俺達の世界も確かに結婚はしなかったけどそれはする必要が無かっただけで俺と桃香の中では結婚に分類されていたはず

結婚にそんなに執着するってことは…

…簡単な話だった

この世界の俺は前世で好きな人を守れず

結婚という夢を抱えたまま死んだから

こんなに執着するのか

…こんな花畑、あったっけ？

まぁいいか

この世界から、どうやったら帰れるだろうか？

この世界の桃香は見ていてこっちまで苦しくなる

きっと体が、頭が、精神が

全部の記憶を覚えているんだろうな

あの生き地獄の様に恐ろしい記憶が

変な夢なら現在進行形で見てるよ！！

…まじで誰だ？

使う術は小雪に似ていたけど夢叶の話をしていたし夢叶の部下？

つかこの世界に夢叶は居るのか…？

〜あれから数日経ち、結婚式当日〜

俺は服を着替え終わって、時間を待っていた

突然、風が俺を覆った

しっかり桃香だ

頑張り屋さんすぎる俺の可愛い恋人