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不思議調査くらぶ

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不思議調査くらぶ

1 - 1話 かあなとミエド(前編)

♥

1,405

2019年02月10日

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かあな

黒い屋敷のお化け?

さや

そう、最近ウワサになってるらしくて

さや

美術館の近くに森あるじゃん?

かあな

1度入ったら出られないってやつ?

ますみ

あの中に大きな黒いお屋敷があるらしいよ!

かあな

あの森の中に?

さや

ウワサだけどね

ますみ

情報も結構あって

ますみ

「お化けのうなり声が聞こえた!」とか

ますみ

「屋敷に入って人が帰ってこない!」とか

かあな

ほんとに〜?

さや

みんな気になってるみたいだし、ここは不思議調査くらぶの部長にお願いしたいなーと。

かあな

別に行ってもいいけど…

かあな

わたし場所分からないから案内してくれる?

ますみ

案内だけなら…

私の名前は若月 香愛菜

あおぞら中学にある

不思議調査くらぶの部長

都市伝説とか、七不思議とか

興味をもったことはない?

私の住むあおぞら町にも

不思議なウワサで溢れている

そんな不思議なウワサを調査するのが

不思議調査くらぶの役目です!

かあな

(ウワサだけなら腐るほどあるけれど)

正直言うとまだ1度も

その手のものに出会ったことがない

そりゃ入部したばっかりの頃は

お化けに会えるんだ!と

ワクワクしたものだけど

正直私の中のオカルト熱も冷めてきている

かあな

今度こそ本当だよね?

かあな

ちゃんと目撃情報あるでしょ?

さや

もちろん!!

ますみ

間違いない!

かあな

その言葉に何度騙されたか

今は梅雨の時期

空にはどんよりとした雲が空を覆いつくし

午後3時でも夜のような暗さだった

かあな

雰囲気あるなぁ

さや

この森ってさ

さや

小さい頃にかくれんぼとかで1回入ったことあるんだけど

さや

その後親にめちゃくちゃ怒られた記憶がある

さや

「あの森には二度と入るな!」って

ますみ

絶対なにか隠してるよねー

かあな

単純に広くて危ないからじゃないの?

さや

いや、あの怒り方は異常だった

ますみ

お屋敷があるなんてことも知らなかったし

かあな

…それは確かに……

人の手も入らない背丈ほどある茂みをかき分ける

さや

あ、あれじゃない?

突如目の前に真っ黒な屋敷が出現する

ますみ

まじ…か…

かあな

…これはすごい…

かあな

(いつぶりだろう…こんなドキドキしたの…)

すごく立派で大きなお屋敷

だけど壁のところどころにヒビがあり

窓も蔦で覆われていて中が確認できない

かあな

さや

ますみ

あまりの物々しい空気に3人とも黙り込む

さや

……よし…

さや

さや

頼みます部長!!!

ますみ

お願いします!

かあな

かあな

え、私ひとり!?

ますみ

案内だけって言ったじゃん!

かあな

でも…

さや

そもそもウチら不思議調査くらぶの部員じゃないから

さや

案内しただけでも十分でしょ

そういうとさやは恐る恐る入口のドアを開けた

埃っぽい独特な匂いが鼻を刺す

かあな

……うっ…

思わず後ずさりしてしまった

扉のむこうは暗すぎて何も見えなかった

入って行ったら吸い込まれてしまいそうなくらい

流石にやばい気がする

引き返したい……けど

ますみ

はーやーくー!

さや

ホコリ臭くてたまらないんだけど!

かあな

……

かあな

わかったよ……

なんかはたから見たら完全にいじめだよねコレ……

そう思いながらもスマホの懐中電灯を付け

足を踏み入れた

かあな

…寒っ……

6月なのに

冷蔵庫みたいにひんやりしている

床板は所々腐っていて今にも抜けそう

広い部屋の壁伝いに

黄ばんだ布を被った家具が並んでいた

かあな

…あ、階段…

部屋の奥に螺旋階段を見つけた

かあな

……上かな…

階段に向かおうとしたその時

……ガチャン……!

扉の閉まる音がした

かあな

え!?!?

かあな

まって…!!

かあな

なんで…

急いで扉に駆け寄りノブを思い切り引いたが

扉はビクともしなかった

かあな

やだ!!!

かあな

なんで!!!

外から鍵がかけられていた

かあな

さや!!!

かあな

ますみ!!!!

かあな

お願いだして!!!

かあな

開けて!!!

かあな

なんでこんなことするの!!

私はパニックになりがむしゃらに扉を叩いた

なんでこんなことになったの?

私あの2人に嫌われるようなことした?

こんな所で死にたくない!

私は窓の方へと周り入口をのぞき込んだが2人の姿はもう無かった

携帯も圏外で助けが呼べない

かあな

……うそでしょ……

窓を開けようとするも錆びていてうごかない

ガラスを割ったとしても人が通れる幅じゃない

かあな

……どうすれば……

私はその場にしゃがみ込んだ

無音の時が流れた

泣き疲れた私は少し冷静になった

入口に戻り扉を見つめる

かあな

…中から開けるにも鍵が必要みたい…

そこには小さな鍵穴があった

かあな

この屋敷の中にあるかな…?

改めて螺旋階段を見つめた

さっきから異常なくらい寒い

その先になにがあるのか

想像しただけで足がすくんだ

かあな

不思議調査どころじゃないよ…

上の階には

この屋敷で死んだ幽霊がいて殺される?

たくさんの死体が転がってるとか?

こういう時に限って想像力が豊かになって困る

生きて帰りたい

でも最初の1歩が踏み出せない

かあな

……うぅ…

かあな

…私…どうなっちゃうんだろう…

涙を拭きながら

螺旋階段を睨みつけ

何も出来ずにいた

その時

???

……誰か……いるの…?

上の階から微かな声が聞こえた

かあな

……ひっ…

か細い…女の人の声

しきりに首を振る

こんなことしても伝わらないのに

かあな

(誰かいる…!!)

この屋敷の管理人?

……それとも……………

しばらく黙っているとまた声がした

???

……大丈夫…?

???

…わたしの…声……聞こえる…?

声は遠いけれど静かな屋敷では十分聞こえる

かあな

…誰ですか……

気づけばそんなことを口走っていた

…しまった…

また沈黙が訪れる

???

わたし………

???

この屋敷の…住人…かな

かあな

…え…

ここって人住んでたの…?

………

かあな

いやいや

絶対お化けでしょ

…でも

かあな

(悪い人ではない気がする)

???

…あなたは…?

今度は向こうから尋ねてきた

…もし名乗って殺されたりとか…

かあな

……閉じ込められました…

我ながらなんて意味不明な受け答え…

???

……鍵はここにあるよ…

……え

………つまり…

かあな

あなたに会わないと…

かあな

…出られないってこと……?

???

???

やっぱ嫌だよね…

…少し悲しそうな声

かあな

えっと……

かあな

…襲ったり…しませんか…

???

襲う!?

相手の大きな声に思わずビックリしてしまった

???

わたしが!?

???

あなたを!?

……やばい

かあな

(怒らせた気が…)

そう思っていると

???

……っははははっ…

???

するわけない!

わ…

かあな

(笑われたー!)

かあな

…ホントですか…?

でも念を押す

???

なんのために襲うの?

かあな

え、いやその…

???

……まぁいいよ

???

怖くて当たり前だと思うから

…確かに怖い

でも誰かとこうして話していると安心できた

例え相手がお化けかもしれなくても

???

最上階4階の1番左端の部屋

かあな

…え

???

わたしの居場所

かあな

「襲わない」なんて言われても半信半疑だけど

鍵を取りに行かないと永遠にここから出られない

かあな

(もし襲われそうになったら)

かあな

(何とか鍵だけ奪って逃げよう)

自分にそう言い聞かせ

階段を上がっていった

気がつけば最上階にたどり着いていた

かあな

1番左端…

そこに住んでいても

誰も気づかないような

物置みたいな小さなドア

かあな

この先に……

……

大きく3回

深呼吸した

かあな

(…よし!)

扉をノックした

???

……来てくれたんだ…

???

…どうぞ入って

恐る恐る扉を開くと

そこには

両腕を鎖に繋がれた

不気味な女性が待っていた

???

???

いらっしゃい

つづく!

最後まで読んで下さりありがとうございました!!✨

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コメント

6

ユーザー

とても面白くて感動してます…!😂😆 そしてフォロバまでして頂きありがとうございます!光栄です✨

ユーザー

すごく素敵な文章ですね✨✨ ストーリーも面白いです!! 「???」の姿を文章で読んでドキリとしたけれど、可愛らしいイラストにホッとしました(*´∇`*)

ユーザー

わあぁぁぁ今気づきました!!! ありがとうございますー!!・゜・(ノД`)・゜・✨✨コメント嬉しすぎてもう10回くらい読み返してしまいました💦 もったいないお言葉でございます🙏🙏✨

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