明日香
ねぇ、もしも世界が終わったらどうする?
すみれ
何それ笑
明日香
いいじゃん別に笑
蓮
んー
蓮
俺はハーレム作るかな
蓮
美女集めて
明日香
最低ー
蓮
良いだろ笑
蓮
最期だし笑笑
明日香
すみれは?
すみれ
私は美味しいもの沢山食べる!
すみれ
10キロは太るね笑
明日香
まぁ最期だしね笑
祐介
俺は普通に過ごすかな
蓮
つまんねーな
当たり前の日常。
その中に咲く『もしもの話』。
それがまさか
現実になるなんて。
すみれ
ねぇ、ニュース見た?
明日香
やばくない?
蓮
どうせ何もねーよ
蓮
マヤの予言じゃあるまいし
蓮
ニュースなんて大袈裟に作られてるんだよ
明日香
そ、そうだよね
すみれ
確かに笑
すみれ
視聴率目当て?
祐介
いや
祐介
冗談じゃねぇとおもうけど
蓮
は?
蓮
なに、ビビってんの?
祐介
空見ろよ
明日香
何これ……真っ赤
すみれ
綺麗……
祐介
相当でかい隕石なんだろ
祐介
この様子じゃ、いつ落ちてもおかしくない
明日香
え、嘘
すみれ
死ぬの?
明日香
やだ……やだ!
すみれ
私、家帰る!
すみれ
お母さんに会いたい!
明日香
私も帰る!
蓮
単独行動は危ねぇよ!
蓮
みんなで一緒に……
祐介
必要ない
祐介
どうせ間に合わない
蓮
何でそんなこと言うんだ!
蓮
俺らも帰るぞ!
祐介
無理だ
祐介
間に合わない
祐介
俺らは毎日電車で高校に登校してるんだ
祐介
この状況じゃ電車が動くわけない
蓮
じゃあ、どうしろってんだ
祐介
何も出来ない
蓮
死ぬの待つのか
祐介
ああ
蓮
馬鹿かお前!
蓮
抗えよ!
祐介
無理だ
蓮
……
祐介
……
祐介
……なぁ
蓮
……あ?
祐介
外見てみろよ
祐介
みんな逃げてる
祐介
今までにないほど阿鼻叫喚して
祐介
最期の抵抗だ
蓮
生きてれば誰だってそうだ
蓮
お前がおかしいんだよ
祐介
確かに笑
蓮
何でそんなに落ち着いてるんだ?
祐介
……俺は
祐介
こうなることを知ってたんだよ
蓮
……は?
祐介
ずっと黙ってた
祐介
実は俺、未来から来たんだ
蓮
え、は?
祐介
俺、昔から歴史関係にすごく興味があって
祐介
その中でも、特に今俺がいるこの時代が好きだったんだ
祐介
戦争を乗り越えて
祐介
世界でたくさんの技術が生まれて
祐介
その上で世界が今までにないほど発展していく
祐介
テレビ、自動車、AI……
祐介
素晴らしいと思った
祐介
でも、20XX年の〇月△日の今日
祐介
この時代が終わった
祐介
隕石が衝突して、氷河時代を迎えるんだ
蓮
ちょっと待て
蓮
じゃあお前はどこから来たんだ?
蓮
世界はおわったんだろ?
蓮
未来なんて無いはずだ
祐介
人類が滅んでから、また新しく生命が芽生えたんだ
祐介
初めからやり直し
祐介
人間が滅ばなかったのは
祐介
わずか数人だけが何かしらの対処をとって生き残ったから
祐介
地下に何か作ってたのかもな
蓮
……そうか
祐介
ただ、大半は死ぬ
祐介
お前も、俺も
蓮
まさかお前、死ぬの分かってて来たのか?
祐介
ああ
蓮
何で……!
祐介
俺は病気で長くは生きられない
祐介
だから死ぬ前にこの時代を見たかった
祐介
だから、タイムスリップしてきたんだ
祐介
未来では時代を行き来する技術が完成したから
蓮
……
祐介
良いんだ
祐介
俺は満足してる
祐介
ただ死を待つだけだった俺に
祐介
お前という友達ができた
祐介
幸せだ
蓮
……俺もだよ
蓮
ありがとう
祐介
こちらこそ笑
祐介
さぁ、そろそろ終わる
蓮
ああ
蓮
転生でも期待しようかね
祐介
俺もそうしよう
祐介
じゃあ、さようなら
蓮
ああ
蓮
さようなら
蓮
お前と最期を迎えられて幸せだ
20XX年〇月△日
巨大隕石衝突







