寝起きの姿を見られないように
今日こそは早起きして、 身なりを整えてからハルさんに 会ってやろうと思ったが
リビングに出ると、ハルさんは既に キッチンに立って朝ご飯の支度を していた。
勿論彼の服は、今日もお洒落に 無頓着だ。
ハルさん
ハル
ハルさん
ハルさん
寝てたのに
ハルさんは楽しそうに笑った。
それからハルさんは、昨日貰った 黒Tに灰色の半ズボンを 履いた私を見て
「着てくれてんじゃん」と嬉しそうに 言った。
洗面所を貸してもらい、顔を 洗い終わると
前に見たときには無かった ヘアブラシや、 新しい歯ブラシが増えている ことに気がついた。
きっと昨日仕事から帰ってくる時に 買ってきてくれたのだろう。
ハルさんの気遣い恐るべしだ。
早速ヘアブラシで髪をといてから リビングに戻ると、味噌汁の良い香りが鼻をくすぐった。
ハルさん
ハルさん
鮭の塩焼きと
野菜たっぷり味噌汁
ハルさん
ございますよー
ハルさんがテーブルに食事を並べる。
私は思わず目をキラキラと輝かせ、 唾をごくりと飲み込んだ。
「いただきます」
二人で声を合わせ、私は光の速さで 料理にかぶりついた。
ハル
ハル
ですよハルさん…!
ハル
こんな料理作って
るんですね
ハル
尊敬します…
ハルさん
フツーの料理に
そこまで褒めるなよ
ハルさん
ハル
米派なんですね
ハル
ハルさん
めちゃくちゃパン派
ハル
ハルさん
ハルのパン祭りよ
ハル
ハルさん
好きかなと思って
ハルさん
合ってるかい?
地味に上手いウインクをよこしながら ハルさんが聞いた。
ハル
ハル
好きで
ハルさん
ハルさん
料理作ってた訳じゃねえよ
ハルさん
ハルさん
見栄張ってるだけ!
…何故この人はこうも勘が良いのか、
そして気を遣ってくれるのか…。
自分が持っていないものを持っているこの人が羨ましくて
少しだけ自分が嫌になった。
「ごちそうさまでした」
ハルさん
ハルさん
どうするかを決めますか
ハル
ないんですか?
ハルさん
日曜だし
ハルさん
ハルさん
ないんだよね?
ハルさん
来たんだよね?
ハル
ハルさん
ハルさん
「行方不明だ」って騒ぎに
なることもないんだな
ハルさん
ハルさん
女の子が住み始めたって
知られたら
ハルさん
分かったもんじゃないから
ハルさん
外出しないこと
ハルさん
そこは守ってくれ…!
ハルさんの切な願いに、私も思わず 神妙な面持ちで頷いた。
ハルさん
ってだけで
ハルさん
ハルさん
出て行ってくれても
構わんから
ハルさん
外出する時は
ハルさん
体(てい)でいく
からよろしく
ハル
ことだから…)
ハル
ですか?
ハルさん
いることにする!
ハルさんは、がははと笑った。
ハルさん
について話そうか
ハルさん
ハルさん
ハルさん
ハル
反射したあと、視界が
真っ白になって
ハル
世界にいました…って
やつですか?
ハルさん
ハル
ますかね…
ハルさん
同じことやれば
戻れるんじゃね
ハル
ハル
ハル
ハル
下さい!
ハル
探しに行きましょう!
ハルさん
ハルさん
決行じゃん!
ハル
行動です
ハル
ハルさん
俺はおじってことに
なるけど
ハルさん
傷つくよ!?








