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空詩
#ハッピーエンド
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パン、パン、と、空砲が弾ける。
大展覧会の開幕を告げる祝砲が、真っ青な空に高く鳴り響いた。
会場となるテルベル美術館の正面広場は、かつてないほどの熱気に包まれている。
色とりどりの旗がはためき、正装した紳士淑女や、物珍しげに周囲を見渡す観光客で溢れかえっていた。
エヴラール
エヴラール
特設のバルコニーから見下ろす光景の、なんと素晴らしい事か。
隣に立つ秘書官ライザも、にこやかにその光景を眺めている。
ライザ
ライザ
エヴラール
エヴラール
エヴラール
エヴラール
ライザ
エヴラール
エヴラール
エヴラール
これはまさに、私の名声が国中に轟き始めた証。
人々にとって有益なものであることの、証明なのだ。
クロエ
クロエ
派手なドレスに身を包んだクロエが、待ちきれないといった様子で袖を引く。
エヴラール
エヴラール
エヴラール
エヴラール
大きく手を広げ、合図を送る。
巨大な展示会場の扉が、重々しい音を立てて左右に開かれる……!
ゲオルク
ゲオルク
会場に入った人々は、まず、大広間のような空間に足を踏み入れる事となった。
まるで城の中のようなそこには、あちこちに、えんじ色の布がかかっている。
それこそ、壁にかかった物から、机に乗った書籍と思わしき物まで全て。
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
彼は感極まったように、布の上からそっと額縁をなぞる。
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
観客
観客
観客
観客
ハンス
ハンス
クロエ
ハンス
ハンス
ハンス
ハンスが恭しく一礼すると同時に、役人達が、えんじ色の布に手をかけた。
人々の視線を集める中、一斉に布が剥ぎ取られる。
そこには──
なにもなかった。
そう、額縁や、作品タイトルの札以外は、何も。
ハンス
ハンス
一際目立つ大きさの額縁を前に、ハンスはガクガクと震えだした。
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
役人
役人
役人たちも、それぞれ担当する展示スペースで、パニックに陥っている。
役人
役人
役人
エヴラール
役人
エヴラール
エヴラールの怒声が、静まり返った広間に雷鳴のごとく轟いた。
高らかに靴音を鳴らす彼の顔は、屈辱と困惑でどす黒く充満している。
エヴラール
エヴラール
ライザ
ライザ
ライザ
エヴラール
ライザの声が、かつてないほどに微かに揺れた。
彼女の視線は、ハンスが縋り付いている白紙を抱く額縁に、釘付けになっている。
ハンス
ハンス
ハンス
ハンス
ハンスは狂ったように、白紙のキャンバスを拳で叩いた。
だが、そこには絵の具の感触すら残っていないだろう。
ハンスの呻きが大きくなっていく、そんな中。
ゲオルク
ゲオルク
観客のざわめきが一層大きくなる。
ハンスが、そしてエヴラールが、弾かれたように顔を上げる。
ゲオルク
2階の手すりから身を乗り出す影達に。
エヴラール
エヴラール
役人達が一斉に動き出すが、ゲオルクさんは動じない。
それどころか、彼は地上で立ち尽くす私とユリウスさんに、ニッと笑ってみせた。
ゲオルク
ゲオルク
ゲオルク
ゲオルク
メグ
エヴラール
すっかり馴染みとなった帽子を取り、髪も何も顕にすると、観客が途端に静まり返る。
観客
観客
観客
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
エヴラール
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
ハンス
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
ハンス
観客
観客
観客
観客
観客
ハンスが何を話したらいいものか、目を白黒させている間にも、観客たちのどよめきが、波のように押し寄せてくる。
中には、身を乗り出してまで来る人まで出る始末だ。
メグ
メグ
私は震える手で、銀色のインクを湛えた壺を、高く持ち上げた。
メグ
メグ
中には、身を乗り出してまで来る人まで出る始末だ。
メグ
メグ
メグ
メグ
観客
観客
観客
観客たちのどよめきは、もはや恐怖に近いものへと変わっていた。
『作品が自ら消えた』という前代未聞の事態に、王都の描出魔法の使い手たちが色めき立つ。
エヴラール
メグ
ハンス
ハンス
ハンス
メグ
ハンス
メグ
メグ
メグ
メグ
観客
観客
観客
観客
観客
観客
観客