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短編

164 - 友情

♥

200

2024年02月01日

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「彼女に振られた」

幼なじみからの通知を見て

背筋が凍ったのを今でもよく覚えている

あんなに、幸せそうだったのに

……私が、ちゃんと諦めたのに

なんで、捨てたの

と、言うのは簡単だ

そう思って、とにかく必死に走る

幼なじみから送られてきた文には、写真もついていた

私とあいつしか知らない、場所だった

そこに行きたくなるほど、切羽詰まっている

そう思うと、本当に怖かった

走って、走って、走って

ようやく着いた時には

虚ろな、幼なじみが居た

無言で、隣に座る

元々儚くて、すぐにでも壊れそうな人間だった

でも、異常なまでにそれを取り繕うのが上手かった

時折見える無の感情は、きっと私しか知らない

そんな人間が

こうなっている

今だからこそ

どうしても言わなくてはならない事があった

「……ねぇ、私」

「一生お前の隣にいるよ」

「お前のこと、本当に大事だよ」

「だから、なんにも遠慮しなくていいよ」

……意味が伝わるかという問題は

もう重要ではなかった

ただの、自己満足で言った

息をつく間もなく

ぐいっと引っ張られて

海に、落ちる

あぁ、なんだ

しっかり伝わってるじゃん

そうだよな

お前は、壊れたらすぐにそうなるから

せめて、せめて

一緒に死ぬなら、私が良かった

きっと、相手は誰でも良かったんだろうな

ここに来たのが私じゃなくても一緒に死んでたかもな

余裕でやりそうだな、なんて思って

そのまま、落ちていく

誰でも良かった、こんな相手ですら

私は、嬉しい

なんて、私が1番どうかしてる

……でも

それで、笑ってくれるなら

もう、なんでもいい

助けになれたなら

いいって思えるほど

惚れ込んでいるし、信じている

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